こんにちは、ツバサです。
【悪女は砂時計をひっくり返す】を紹介させていただきます。
今回は172話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

売春婦だった母が伯爵と結婚し貴族の一員となり生活が一変した「アリア」。
妹の「ミエール」によって母が殺され…自分も殺されかけたが、死の直前に砂時計のおかげで過去へと戻ることができた・・・!
「アリア」は妹を超える悪女になって「ミエール」に復讐することを決意したがーー!
アリア:物語の主人公。前世では悪女として処刑される。
ミエール:アリアの義妹。裏で暗躍し、アリアを処刑に追い込んだ。
ジェシー:アリアの専属メイド。
ロースチェント伯爵:アリアの養父。
ロースチェント伯爵夫人:アリアの実母。
カイン:アリアの義兄。
サラ:アリアの家庭教師。前世では公爵夫人となった。
プレデリック・オスカー:公爵家の長男。ミエールの婚約者。
アース:謎の男。アリアに興味を抱いている。
エマ:ミエールの専属メイド。

172話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アリアの未来
ちょうど⼀年前まで、そばかすに覆われていた女の子だったのに、今では本物の男爵夫⼈として振る舞い、過去とはかけ離れていた。
もちろん、嫉妬深いメイドもいたし、アニーのようなより良い⽣活を送るために、アリアへの忠誠⼼を⾼めたメイドもいた。
しかし、アリアは、過去にミエールを助けた薄情なメイドの世話をするつもりはなく、その事実を知らなかったメイドは自分を受け入れてくれたと勘違いすることに。
何も⾔わずに隅から⾒守っていたミエールはため息をつき、窓の外に⽬を向けた。
かつては自分に向けられていた羨望の眼差しはどこにもない。
いいえ、むしろ、彼らは自分のことが見えない人間として扱っていた。
自分に付き従っていたメイドたちも、かつてはアリアを下品だと罵っていたはずなのに。
そして、ミエールの⽬に、⾒事な⾺⾞が邸宅に⼊ってきた。
それは、過去からアリアとの彼の関係を何とか⾒せびらかそうとした皇太⼦のものであるに違いないだろう。
「ええと、殿下の⾺⾞が到着しました!」
他のメイドも、窓を開けたまま、⽬を⼤きく開いて声を上げる。
「アースさん、ようこそ」
「・・・あなたは空から降りてきた女神のようですね」
アリアは、誇張ではなく誠実に思えた彼の反応に少し笑った。
いつも彼女が浮かべる作り笑いとは違い、それは心からの笑顔。
「ああ、神様。皇太⼦殿下が着ている服を⾒てください・・・」
遠くからその光景を⾒ているメイドが、隣の別のメイドにとても小さい声で話しかけた。
「お二人はセットに見えます」
「私もそう思います。襟の刺繍が同じですから」
「お二人の素晴らしい外見で、ゲストは誰が結婚するか混乱するのではないでしょうか?」
メイドが⾔ったように、アースの服はアリアと同じ刺繡をされていた。
アリアがそれに気づいたかどうかにかかわらず、丁寧に⼿を差し伸べたアースの⼿を通り過ぎ、彼の首元に触れる。
アリアの指先が、ずれのない美しい刺繡の⾦⽷に触れた。
穏やかな笑顔を浮かべると、アースの笑顔も深まる。
「行きましょうか?」
もう⼀度⼿を出して尋ねると、アリアはうなずいて、今度は優しく握りしめる。
邸宅を去ろうとしたとき、アリアは忘れていた何かがあるかのように⽴ち⽌まった。
「待ってください」
「何か忘れ物が?」
「いいえ、それは物ではなく、人です」
アリアの⽬は少し離れたミエールに向かっていた。
それから、待っているかのように、前に出てきたミエールがアースの前で頭を下げる。
「私はミエールと⼀緒に⾏くことにしました。彼女の気分転換になると思って」
「・・・」
その結果、喜びと満足感に満ちていたアースの顔が硬直する。
彼の顔は、目の前の犯罪者が彼⼥との時間を中断した理由を⽰していた。
そう思ったのはアースだけでなく、周りの使用人たちもため息をつき、アリアとアースの間に介⼊しようとしていたミエールを呪う。
アリアがいくら推薦したとしても、彼⼥はそれを拒絶すべきだったと考えて。
「久しぶりに再会したのに、どうして私たちの間に介⼊するのですか?」
アースの冷たく⻘い⽬に、ミエールは縮こまる。
彼⼥が結婚式に出席したことを後悔したのはその時だけだった。
当初からこれを期待していたアリアは、何も分かっていないフリをしてアースの名前を呼ぶ。
「・・・アースさん?」
「アリアお嬢様、本当に同じ馬車で彼⼥と⼀緒に乗る必要がありますか?私はあなたと二人きりで行きたかったのですが」
アースが目で訴える。
このような状況になることを想定していたアリアは、事前に準備していた言葉を話す。
「アリアお嬢様?」
「申し訳ありません、私は少し不注意だったに違いないです。・・・申し訳ありませんが、ミエール、アニーの馬車に乗ってくれませんか?アニーには邸宅で最も壮観な⾺⾞を与えるように命じたので、それは不快ではないはずです」
アリアはボブーン男爵がアニーを迎えに来ると確信していたが、アリアはそれを知らないふりをして微笑む。
突然の負荷でアニーの顔は真っ青になるが、彼女は何も言わない。
(邸宅で最も素晴らしい⾺⾞を提供してくださるのに、どうすれば⽂句を⾔うことが出来るでしょうか?)
仮にそのような馬車ではなかったとしても、皇太子殿下の前で苦言を呈することなど出来なかった。
⻑い間自分のデートを台無しにするであろうアニーの苛⽴ちが向かったのは、アリアとアースではなく、ミエールに向けられたのは当然だろう。
「それでは、アニー、ミエールの世話をしてください」
アニーの苛⽴ちを知らないかのように微笑んだアリアは、アースと⼀緒に⾺⾞に乗り込む。
アニーとミエールは、どちらもショックで唖然としていた。
⼤きな笑顔で窓の外をちらっと⾒たアリアのことを不思議に思ったアースが、何か良いことが起こったのかと尋ねる。
「はい、最近は良いことしかありません。今後もそうなると思います。すぐに何か楽しいことが起こるでしょう」
アースは彼⼥の⾔葉に顔を⾚らめながら微笑んで笑った。
「アリアお嬢様、それは私と関係がありますか?」
彼は眼差しで尋ねる。
彼は、アリアの「未来」に関しては、当然自分が含まれているだろうと期待していたのだ。
「それはアースさんとは何の関係もありませんが、私の待望の仕事がようやく終わるのです」
「それがあなたが楽しみにしていたものなら・・・」
アースはアリアの状況をすべて知っていたので、自分の⾔葉を省略する。
どういうわけか、彼はそれがミエールを⽣かし続けることに関係があるかもしれないと思ったから。
「それは私を死に⾄らしめた⼥性への復讐です。私が今まで望んでいた彼女の最後」
「・・・そうですか。何をするのか聞いてもいいですか?」
「特別なことは何もありません。ミエールが私にしたように、私はそれを返しているだけですから」
アリアの⾔葉は、アースに告⽩した過去と、ミエールがアリアに与えた不幸を思い出させる。
彼は少し後悔して彼⼥の⼿を優しく握った。
「私にできることはありますか?」
「・・・いいえ、私の醜い一面をこれ以上見られたくありませんから」
本当は、底辺にまで落ちたミエールをこれ以上苦しめることを止めようと考えた時期もあった。
自分の醜い感情を晒してアースに嫌われることを恐れていたから。
しかし、それは出来なかった。
頻度は以前よりも低かったものの、⾸に冷感を感じて何度も夜中に目を覚ます。
これまでの瞬間が嘘だったのだろうかと思い、それが夢だったのではないかと疑った。
そのため、彼⼥はこの瞬間が嘘ではなかったことを証明するためにミエールに同じ痛みを返さなければならなかったのだ。
彼⼥の命を奪うだけでは十分ではない。
アリアは、メイドに騙されて狂わされるミエールの姿を見なければならなかった。
それが彼⼥の⼈⽣が元の場所にあると感じる⽅法。
過去で愚かな⼈⽣を終えた邪悪な⼥性としてではなく、新しく⽣まれて認められたアリアとして。
二人きりのデートを邪魔されたアース。
ボブーン男爵のお迎えを中止されたアニー。
全員から白い目で見られながらも結婚式に向かうミエール。
今回は被害者が多いですね。
アリアも過去を克服したのかと思っていましたが、今も苦しんでいるのですね・・・。
ミエールを断罪して、トラウマを克服することは出来るのでしょうか?




