こんにちは、ツバサです。
【悪女は砂時計をひっくり返す】を紹介させていただきます。
今回は132話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

売春婦だった母が伯爵と結婚し貴族の一員となり生活が一変した「アリア」。
妹の「ミエール」によって母が殺され…自分も殺されかけたが、死の直前に砂時計のおかげで過去へと戻ることができた・・・!
「アリア」は妹を超える悪女になって「ミエール」に復讐することを決意したがーー!
アリア:物語の主人公。前世では悪女として処刑される。
ミエール:アリアの義妹。裏で暗躍し、アリアを処刑に追い込んだ。
ジェシー:アリアの専属メイド。
ロースチェント伯爵:アリアの養父。
ロースチェント伯爵夫人:アリアの実母。
カイン:アリアの義兄。
サラ:アリアの家庭教師。前世では公爵夫人となった。
プレデリック・オスカー:公爵家の長男。ミエールの婚約者。
アース:謎の男。アリアに興味を抱いている。
エマ:ミエールの専属メイド。

132話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 唐突な質問
アリアの花が咲いたような笑顔が美しく、アースが言葉を失う。
本当は別の理由で訪れたのだが、来て良かったと思い微笑んだ。
「その・・・、唐突な質問なのですが。あなたの実の父親が突然現れて、あなたを連れていきたいと言われたらどう思いますか?」
アースの声が馬車の壁を超えて運転席に流れ込む。
ピアスト侯爵は唾液を飲み込みながらアリアの返事を待つ。
「なぜ突然そんな質問を?」
「あなたが成人を迎えるまでもう少しですので、それについて考えたのです。あなたの実の父親が現れて、あなたが姿を消してしまうのではないかと。アリアお嬢様が私を好きでないと言って逃げたらどうすればいいですか?私は国境を塞ぐべきなのでしょうか?」
まるで演技をしているように、アースは手を胸に当てて不安げな表情を浮かべる。
アリアは小さな笑い声を上げた。
「私も不安ですよ。あなたが私の前から消えるのを何度も夢で見てきましたから」
たった一人で多くの事を成し遂げたアリア。
例え、皇太子と結婚することがなくても、彼女は誇らしげに前を向いて生きていけるでしょう。
彼⼥に能⼒がなく、自分に頼ってくれた方が、アースにとっては良かったかもしれない。
しかし、それはあり得ない話。
そして、アースはそれを望んでもいない。
「もしも父親が今現れたら、私は彼の本当の意図を疑うでしょう」
「どういう意味でしょうか?」
「私が苦労していたとき、父親は姿すら見せてくれなかったのですよ?私が一人で自立しようとした時に現れたら、誰だって疑いませんか?」
過去の時代でも、アリアは実の父親に会っていない。
自分が処刑を待つ身となったにもかかわらず。
「そうですか。しかし、彼には何らかの理由があったとしたら?」
しばらく黙った後、アリアは再び首を横に振る。
「状況によりますが・・・、まぁ。断るでしょうね」
「・・・なぜ?」
「アースさんが嫌がるから」
(あなたがそんな弱音を吐いた後で、どうして私が行くと思ってるの?)
今の自分にはアースがいる。
いつも自分を支えてくれたのは父親ではない、他ならぬ彼だ。
今父親が現れて一緒に暮らそうと言われても、何の感銘も受けないでしょう。
馬車が揺れる。
それはピアスト侯爵の心を表したかのような揺れだった。
- ピアスト侯爵の頼み
「残念ながら、アリアお嬢様はピアスト侯爵の願いを受け⼊れませんでしたね」
そう話すアースの表情は明るかった。
「・・・はい。ご協⼒ありがとうございました」
アリアの意図を聞いた後、ピアスト侯爵はもはや彼⼥を連れて⾏くとは言えなかった。
満⾜のいく結果に、アースは彼に今後何をするか尋ねる。
「ピアスト侯爵、あなたは今後どうされるおつもりですか?」
「とりあえず・・・、伯爵夫⼈と話をします。アリア夫⼈がどれほど私たちを憎んでいたとしても、⾎縁関係は別の問題ですから」
「それは良い考えです、それと、アリアお嬢様には直接言わないように」
「はい、私よりも伯爵夫⼈から聞いたほうがいいと思いますので」
いずれにせよ、アリアはショックを受けるだろうが、祖⽗から話を聞くよりも、⺟親から話を聞くほうがいいでしょう。
「申し訳ありませんが・・・、もう⼀度⼿伝ってもらえますか?」
「何をですか?」
「私と伯爵夫⼈の席を設けていただけないでしょうか?別⼈として伯爵家の屋敷を訪ねたので、もう一度彼⼥を訪ねるのは難しいので・・・」
「それほど難しいことではありません。分かりました」
アースはピアスト侯爵の要求に同意する。
彼の要求は正当であり、それに関しては納得できるから。
その上、ピアスト侯爵の要求を受け⼊れたもう⼀つの理由が。
彼は伯爵夫⼈と侯爵の間の会話に出席するつもりだったから。
- 目的は?
伯爵夫⼈との会談は遅滞なく⾏われる。
彼⼥が購⼊した別荘に問題があると⼿紙を送り、指定の場所へ招待した。
「・・・皇太子殿下!?」
「お久しぶりです、マダム。どうぞお座りください」
役所からの手紙なのに、どうして皇太子がここに?
よく考えてみると、待ち合わせ場所はカフェであることが不思議だった。
もし問題があるとしたら、役所はオフィスに来るように言うのだから。
他の場所から独立した個室。
公務に相応しい場所ではない。
そして、皇太子の隣に座っているのは、前回屋敷を訪れた男性。
「お茶を注文しておいたのですが、マダムが気に入ってくれるかどうか」
「大丈夫です。ありがとうございます、殿下」
伯爵夫人は震える手で⾹りのよいジャスミン茶を⼀⼝飲み、⼼を落ち着かせた。
一体何の話をされるのだろうか?
彼女の心は不安に満ちていた。
そして予期せず話したのはピアスト侯爵。
「私があなたとお話ししたかったのです」
「・・・なぜ?」
「質問したいことがあるのです」
なぜ伯爵に助けてもらった男性が自分を?
何も考える事ができないまま、伯爵夫人は唾液を飲み込む。
しかし、彼の⼝からの⾔葉は予想外だった。
「クロエという男性を知っていますか?」
「・・・誰でしょうか?」
「クロエ。彼は17年前に⼀度だけあなたに会ったと⾔った。アリア夫⼈と似ている私の息子について聞いています」
伯爵夫⼈は眉をひそめる。
10年以上前に⼀度だけ会った男性。
そして17年前ということは・・・、彼⼥が売春婦として働いていた時。
かなり昔だったにもかかわらず、伯爵夫人はその男性を覚えていた。
「・・・なぜそんな事を尋ねるのですか?彼とは一度しか会っていません」
彼がアリアと似ていなければ、思い出すこともできなかったでしょう。
彼は男性とは思えないくらいに美しい姿だった。
そんな彼が自分の事を一目惚れしたと言ってくれた事を覚えている。
彼は名前や地位を教えてくれなかったが、それでも自分は幸せになれると信じていた。
しかし、クロエはたった一度の訪問以来、会いに来てくれなかった。
その事件は、しばらくの間伯爵夫人の心を凍りつかせることに。
(なぜ今更そんな事を?)
このタイミングで自分に会いにきた理由。
伯爵夫⼈は⼿を震わせ、こぼれたお茶が美しいドレスを少し濡らした。
考えて整理するのに時間が必要だった。
ピアスト侯爵とアースは彼⼥を⾒て静かに待つ。
そして、⻑い間苦しんでいた伯爵夫⼈は、まるで整理されたかのように、鋭く思慮深い表情で侯爵を見つめる。
「あなたは私の娘を口実に、私を脅すおつもりなのでしょうか?何が目的なのですか?お金ですか?」
改めて相思相愛を見せてくれたアリアとアース。
ピアスト侯爵はこのまま引き下がってくれるのでしょうか?
彼がロースチェント伯爵夫人と面会した理由は?




