こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は99話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

99話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ぎこちない笑顔
「まだ日が昇っています」
「もうすぐ暗くなる」
「でもまだ明るいですよ。もう少し後で・・・」
「太陽と共に見守っている女神も理解してくれるはずだ」
ビアンカの声に混じった微弱な興奮を読んだザカリーは引き下がらなかった。
拒絶を内包するビアンカの言葉にきちんと答える彼の声は断固としている。
ザカリーはビアンカが本当に嫌なことを断るとき、どのように表現するのかよく知っていた。
まず頬を殴り、歯を食いしばって自分を睨みながら、一字一字噛みちぎるように話すだろう。
それに比べると今のビアンカは断っているが、同時に断っていないも同然だった。
けれど、これもまた自分の欲望による錯覚かもしれない・・・。
疑惑が芽生えると、これまでの確信はすぐに崩れた。
先ほどまで強く主張していたのが嘘であるかのように、ザカリーの肩がすくまる。
「ビアンカ・・・、もしあなたが本当に嫌なら・・・」
ザカリーはビアンカの顔色を伺って慎重に話し始める。
その時、ビアンカが爆笑する。
ニッコリと微笑むのが喜びの全てであるほど大きな感情表現をしない彼女が声を出して笑うと、ザカリーは頬でも殴られたように呆然としてビアンカをぼんやりと眺めた。
何が面白いのか、ビアンカの笑いは止まらない。
ザカリーは全く分からず、パチパチと目を覚ました。
しばらく笑っていたビアンカが、目についた涙を指で拭きながら口を開く。
「旦那様、私があなたがさっきのようにじっと見つめることに弱いということを知っていますか?」
「・・・好きじゃないことは知っています」
ザカリーが呟くように答える。
ビアンカが子供の頃、自分が彼女をじっと見つめれば泣き出したものだ。
いや、敢えてじっと見つめていなくても泣いていた気がする。
ただ彼が視界に触れるだけで泣いているようで、ビアンカに足を止めたこともあった。
ザカリーがどれだけ幼い頃まで回想しているのか分からなかったビアンカは、ただここ数年の間のことを思い出しているのだろうと思い込んでいた。
特にその時点が重要なわけではない。
ビアンカは真剣な口調で言った。
「旦那様、いつもそんなに無愛想に睨んでいるからです。もう少し笑ってみてください」
「・・・こんな風に?」
ザカリーはビアンカの言葉通りに、にこやかに笑った。
普段上がっていた高さよりもっと高く上がった口元が痛い。
頬骨は震え、目は閉じているのか笑っているのか区別がつかなかった。
威厳のある鉄血の騎士アルノー伯爵らしくない滑稽な表情だったが、ザカリーはしばらく口角を上げたり下げたりを繰り返しながら、ぎこちない笑顔を練習する。
その姿を見守っていたビアンカが失笑した。
その上、首を横に振るまですると、彼女がもしかしてガッカリしたのかと不安になったザカリーの口元が再び硬くなる。
ビアンカはザカリーの頬に手を伸ばした。
まだピクピクする頬骨を、指でリュート弦を叩くように軽く触った彼女は、すぐに手のひらで彼の頬を包み込んだ。
ビアンカの手のひらは少し冷たいが、涼しい秋風のように心地よい温度だった。
彼女が風のように囁く。
「でも以前よりはマシです。ただ脅威的でもありませんし、唇も綺麗ですし」
「・・・?」
訳が分からなかったザカリーがぼんやりとビアンカを見ると、彼女の薄い唇が不満そうに捻れる。
もどかしそうな表情で、ビアンカは子供に計算を教える先生のように静かに口を開いた。
「ですから、旦那様の唇が綺麗ですよ。私がこう褒めると、あなたも目を閉じて唇を出します」
ザカリーはビアンカの言うとおりにする。
両目を閉じると視界が遮られ、稲妻のような炎が彼の視界に充満した。
ザカリーは優れた武人だ。
目を閉じても、前にいるビアンカの動きの流れがまるで見えるかのように生々しく感じられた。
しかし、ビアンカが今どんな表情なのかだけは全く分からない彼の心臓はドキドキしている。
彼の手に冷や汗が染み込んだ。
果たしてこれはビアンカが自分をからかっているのだろうか?
それとも・・・。
幸い、ザカリーの葛藤は長続きしなかった。
ビアンカがそのまま彼の首を引っ張ってキスをしたから。
唇が触れる感触は、散乱する炎の間でもとりわけ生き生きとして熱い。
窓枠の間から差し込む明るい日差しの下で、二人の体がもう一度絡まった。
今回はもう少し長く、そして淫らに。
ひたすらにイチャイチャ回でした。
ビアンカがザカリーに対して積極的なのが良いですね。
ザカリーもビアンカのことになると奥手ですから。





