こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は98話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

98話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 綺麗な唇
「すまない」
「何がですか?嫉妬に対してですか?」
「・・・全部」
ビアンカの唇が捻った。
ザカリーは、思ったより自分の感情に鈍い男だ。
嫉妬することも知らないってあり得る?
ジャコブを利用してザカリーの嫉妬を呼び起こそうとしたのが呆れるほどだった。
自分がどれほど愚かな考えをしたのか反省し、ビアンカは心の中で胸を撫で下ろす。
ザカリーはビアンカをじっと見つめた。
以前は自分の前で肩を固めたまま緊張していたのとは違って、今は他のことを考えて何を呟いている。
今の生き生きとした姿の方が遥かに良い。
ビアンカの赤くて厚手の唇がもぐもぐする姿をぼんやりと見守っていたザカリーは、思わずビアンカの唇に向かって手を伸ばした。
彼女の滑らかな唇にザカリーの指先が触れる直前になって自分の行動に気づいたザカリーが手を止める。
ビアンカは突然のザカリーの行動を不審そうに眺めた。
「・・・どうしました?」
「・・・唇が」
「唇が?」
「・・・」
思わず口を開いたザカリーは言葉を続けることができなかった。
本人でさえ何の考えで彼女に手を伸ばしたのか分かっていないからだ。
唇を触りたいと思った。
どうして?
彼女が唇をピクピクさせているのが可愛く見えて・・・、自分でも無意識のうちに・・・。
しかし、果たしてこの答えがビアンカの心にどう思われるだろうか?
幼稚すぎる答えだと思われないだろうか?
むしろ唇に何かが付いていると言うのは?
レディーの身なりに文句を言っていると誤解されないだろうか?
ザカリーは流暢な話し方に自信がなかった。
これまでザカリーがビアンカの前で口を閉じて沈黙していたのは、もしかして自分が余計な言葉でビアンカを傷つけてしまうのではないかと心配だったためだ。
実際、以前何度か、そのせいで彼女を怒らせたこともある。
今はビアンカの腰に気兼ねなく手を置くほど距離が近づいたが、依然としてこのような突発的状況には弱かった。
ザカリーが口をギュッと閉じて良い返事を考えようと頭を絞っていた瞬間、ビアンカがニッコリ笑って軽く答えた。
「旦那様、そういう時は唇が綺麗だと言ってください。すると、私は恥ずかしそうに目を閉じて、あなたが褒めてくれた唇をそっと自慢しますから」
ビアンカの目が閉じられ、ザカリーがあれほど魂を失っていた彼女の唇が開き、白い歯が赤い唇の間から静かに姿を見せる。
彼女の望みは明白で露骨だった。
鈍いザカリーもこれ以上勘違いできないほどに。
「そしたら、旦那様は・・・、んん」
ビアンカの言葉が終わる前に、椅子に座っている彼女にザカリーが近づく。
彼女の上にザカリーの影が垂れ下がって、彼の唇がビアンカの唇に触れた。
小さく開いた唇の間を舌が行き来すると唇が少しずつ広がっていく。
ビアンカは目をギュッと閉じて、ザカリーの唇が重なっているのを感じた。
彼はいつも焦っていて、余裕がない。
「はっ、うん・・・」
ザカリーの舌がビアンカの敏感な箇所を、あちこちを掠めて通り過ぎる。
歯茎の内側、舌根、口天井を・・・。
だんだん足の力が抜けて太ももが小さく痙攣した。
無意識にビアンカがザカリーに手を伸ばす。
しかし、ザカリーの手が椅子の肘掛けにかかったビアンカの腕を束縛するように握った。
他の男に強圧的に腕を掴まれるのはうんざりするほど恐ろしかったのに対し、ザカリーに束縛される感覚は悪くない。
いいや、むしろ身動きが取れなくて完全に彼に抱かれるような気がして、お腹の奥の深い部分がゾクゾクした。
このままビアンカを頭の先からつま先まで塗って食べるかのように、貧欲に彼女に酔ったザカリーは、しばらくの間唇を離した。
息を呑む彼の目つきには欲望が赤裸々に映っている。
「ビアンカ・・・、あなたには本当に敵わない」
これはザカリーにとってあまりにも過分な補償だった。
ザカリーの黒い瞳にビアンカの顔が映る。
まだ息を整えることができなかったビアンカは、息を切らしながら明るく笑った。
羊毛のように真っ白だった顔は熱気で熱くなっていたが、その姿がザカリーの短い忍耐心に火をつける。
二人の間にしばらくの沈黙と共に妙な雰囲気が流れた。
その雰囲気を破って先に動いたのはザカリーだ。
ビアンカの足元に片膝をついて座っていたザカリーの手がどもりながら、ビアンカの背後に近づく。
彼女の服紐を指先の感覚に頼って一つ一つ解きほぐす彼の頭上に日差しが降り注ぐ。
まだ窓の外から日が明けていた。
真昼に行為を行った経験が全くないわけではない。
主にフェルナンとの情事だが。
彼らの密会はいつも切羽詰まっていて、余裕がなかった。
真昼も夜も区別するほど余裕がなかっただけに、ビアンカは愛の前にメンツを捨てていたのだ。
フェルナンにも許可したのだから、ザカリーにも許可しない理由がなかった。
しかし、どうしても許可できないのは、ザカリーとの情事だと自分が理性を掴めないまま滅茶苦茶に乱れるからだ。
自分じゃないように・・・、まるで獣のように。
娼婦の女もあれほど淫らに乱れることはないだろう。
そのような姿を明るい昼間に生々しく見せると思うと、顔が真っ赤になった。
静粛でない姿にザカリーが失望してしまったらどうしよう。
不安で恥ずかしくなったビアンカは唇を浅く噛んで、モゾモゾしながら抵抗した。
さすがに鈍いザカリーも気付きましたね。
お互いの気持ちが通じ合っているのが良いですね!





