こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は90話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

90話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セリーヌ
ビアンカがセリーヌを通り過ぎてから、セリーヌはこっそりと頭を上げる。
台風が襲ってもびくともしないかのように、一点も揺らぐことなく真っ直ぐなビアンカの背中が訳もなく恨めしかった。
最初はビアンカを憎んでいた。
自分がしたことは考えもしないまま、ビアンカのせいで全てが歪んだと恨んだ。
ボルネ子爵が怒って頬を叩いたのもビアンカのせいであり、彼女が婚礼が詰まったのもビアンカのせい。
そして、オデリー王女のもとで働くことになったのもビアンカのせいだと。
オデリー王女は性格の悪さで有名な女性。
あらゆる求婚者が彼女に集まっても暖かい一言もまともに渡さず、むしろ皮肉を言いながら侮辱を与えることが日常だと聞いていた。
しかも、オデリー王女はゴティエ王子の唯一の同母兄妹。
彼女がゴティエの右腕と呼ばれるアルノー家と確執のある自分を気に入らないのは目に見えていた。
オデリー王女の下でどれだけ苦労することになるだろうか。
彼女の人生は終わりだった。
その日、宿舎に帰ってどれだけ泣いたのか、翌日目が浮腫んでいた。
しかし、いざオデリー王女の下に行ってみると、セリーヌが心配した出来事は起きなかった。
単調な視線でセリーヌをチラリと見た王女が一言付け加える。
「アルノー伯爵夫人に感謝しなさい。あなたには少なくとも選択肢がもう一つできたんじゃない?」
セリーヌはオデリー王女の言ったことを何度も噛み締めた。
当時はすぐにどういう意味なのか分からなかったが、数日経ってからオデリー王女の下で生活していたらぼんやりと分かるような気がした。
セリーヌは、今までオデリー王女が男たちを断るのは彼女の相手になるほどの身分と財力の男がいないからだと思った。
その一方で、毎日年を取るから、焦る気持ちを隠そうと結婚に関心がないふりをする演技に過ぎないと・・・。
しかし、オデリー王女は本当に結婚に興味がなかったのだ。
彼女の自由な生活を見ると、男や恋愛を気にする様子は全くなかった。
それはセリーヌにとって思いもよらなかった選択肢。
結婚に興味がない人がいるなんて!
それもオデリー王女のように、望める男性と結婚しようとすればいつでもできる女性が・・・。
オデリー王女が毎日を過ごす姿はとても楽しそうだった。
男に媚びることなく、完全に自分の生活に集中する自由な生活。
オデリー王女の世話をしながら彼女のそばで日常を過ごしながら、セリーヌは思わずそんなオデリー王女の生活を羨望するようになった。
王家の侍女には別に女中までついている。
王家の侍女とはいえ、セリーヌの生活はボルネ子爵家での日常とは比べ物にならないほど良かった。
そうなると、最初にビアンカに抱いていた敵対感と不満、憎悪はいつの間にか徐々に姿を消した。
その上、感謝の気持ちさえはっきりと浮かんでくる。
しかし、その事実を認めたくなかったセリーヌは首を横に振った。
だからといって和らいだ否定的感情を呼び起こすほど意欲が燃え上がるわけでもない。
正直、もうビアンカと関わりたくなかった。
それが良い関係であろうとなかろうと・・・。
セリーヌは王女の部屋に消えたビアンカの後ろ姿から顔を背け、王女に頼まれたお使いに足を踏み入れた。
ビアンカが王女の部屋に入ると、オデリー王女が椅子に座ったまま彼女を歓迎した。
「いらっしゃいませ、アルノー伯爵夫人」
「お元気でしたか、王女殿下」
ビアンカは礼儀正しく挨拶をする。
徹底的に改まった所作。
オデリー王女は彼女の向かいにある椅子を指差して、かなり気楽に話しかけた。
「私は遊んで食べるだけなので、当然健康でした。そういうアルノー伯爵夫人こそ体の調子が良くなかったそうですが・・・。領地に早く帰らなければならないほどだと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「それほど大きな病気ではありません。生まれつき体力がないので」
ビアンカはニコニコ笑いながらぎこちなく言葉を濁す。
まるで自分で病弱な人だと主張しているようで、顔が真っ赤に。
そこまで体が弱いわけではないのだが・・・。
ビアンカの健康を口実にアルノー領地に戻るのだから仕方なかった。
むしろ、その言い訳がぎこちないのではないかと心配になってしまう。
しかし、ビアンカの後ろでじっと聞いていたイボンヌは、当然のように頷いた。
これまでイボンヌが見たビアンカは、いつもベッドで席を保全しなければならない、風が吹けば飛んでていくタンポポの胞子のように弱い体だった。
早くアルノー領地に戻らなければならない状況は、イボンヌにとってそれほど不思議ではなかったのだ。
オデリー王女が見るビアンカの姿も、イボンヌの考えとあまり変わらない。
ビアンカを療養状態と断定した彼女は苦笑いした。
「確かに、ここは良い療養所ではないですよね。うるさいし、頻雑で・・・」
オデリーの視線が窓の外を向く。
ざわざわとした音が窓から流れ込んだ。
「前回の宴会と同じように、噂の温床地でもありますし。噂の主人公としては疲れますよね」
ため息をつく彼女の表情には生き生きとした面倒が感じられた。
確かに、噂に苦しむことからすると王族の彼女も関係する。
王族であることを超えて羨望の的であるだけに、彼女の一挙手一投足が毎日人の話題に上がるはず・・・。
それにどう耐えているのか、ビアンカは凄いと感じるだけだった。
セリーヌは、オデリーの侍女になれて良かったですね。
彼女とビアンカが関わることはないと思いますが、セリーヌのその後も少し気になるところです。
あまり描かれなかったオデリー王女がどんな人物なのか気になるところです。




