こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は84話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

84話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 異常な執念
「・・・は!」
ジャコブは呆然として苦笑いした。
ザカリーの言葉は王子に言うには傲慢すぎる。
だが、だからといって怒ることができないのは、ここまでして事を覆うのが正しい選択だったため。
訳もなく騒ぎが大きくなり、この話が王の耳に入ったら、ジャコブにとってあまり良いことではなかった。
ジャコブは深呼吸をする。
そうだね。
理性的に考えよう。
理性的に・・・。
しかし、ジャコブはビアンカと絡んでからは理性とは正反対の行動を続けていた。
ビアンカが視線にいなければいつも彼女のことを考えて、偶然でもビアンカと向き合うと分からない衝動が彼を彼女の前に追い出していく。
我慢しなければならないということは知っていたが、容易ではなかった。
そのように向き合ったビアンカは、自分に露骨な敵対感と拒否感を漂わせる。
今日もそうだ。
ジャコブもフェルナンのように振る舞う気はなかった。
思いがけない状況で驚いたビアンカを宥めてあげようとしただけ・・・。
だが、偶然見たザカリーの跡で彼の焦りに火がつき、自分を避ける彼女の態度にジャコブの頭がとても狂ってしまった。
そして、その結果がまさにこれだ。
自分を軽蔑するビアンカの視線・・・。
彼女の歓心を買おうとしたことが全て水の泡となった。
トーナメントも同じだ。
ジャコブが彼女に渡したバラは宴会での会話に過ぎない。
ビアンカは、自分が渡したバラをどれほど厄介に思ったかを聞かなくても目に見えた。
さらに、ザカリーが彼女に渡した黄金のバラと、ビアンカがザカリーに渡したレースのハンカチ。
それはジャコブの自尊心を打ち砕いた。
一体どうしてビアンカは自分を嫌うのだろうか?
私は本当に彼女をよくしてあげる自信があるのに・・・。
アルノー伯爵が与えられるものよりも、もっと大切なもので彼女を飾ってあげて、愛を囁けるのに。
いつも戦争に出ていて席を外す夫の何がそんなにいいの?
他の貴族の女性たちは、皆一人ずつ別の恋人を作っているのに・・・!
他の貴族女性たちのただの恋人に比べれば、ジャコブは身分もマナーも外見も一つ抜けている。
なぜビアンカは自分を受け入れてくれないのか、ジャコブは心から憤慨した。
誰よりも大切にしてくれるとはいえ、そもそもジャコブの考えは歪んでいた。
ジャコブにとってビアンカがすでに結婚している女性であり。その他の男に関心を持つことが不正なことだという自覚がなかったのだから。
彼が今日ビアンカにした行為は臆病者に他ならないという考えもない。
ジャコブはザカリーの胸に抱き込まれ、庭を抜けていくビアンカの後ろ姿を見ながら歯軋りをした。
「そうだね。どうせ短期間で出来ることじゃないって分かっていたじゃないか。今すぐ彼女が手に入らないからといって焦る必要はない。ゆっくり、注意深く・・・。最初から考えていた通りにすればいい。ザカリーを殺し、彼女の背景を崩して、彼女が私の手で私の胸に抱かれるように・・・」
ジャコブは欲しいものは必ず手に入れてこそ気が済む執拗な男。
傷ついた自尊心で光っていた青い瞳は、皆が消えた闇の中で静かに輝いていた。
ソヴールとロベルが状況を整理している間、ザカリーはビアンカを抱きしめたまま大股で歩いた。
焦っていた彼は、すぐにここを抜け出したかったのだ。
空気に不快に混ざっている、緑陰の下でも隠れないまま入り混じって現れる血の香りがザカリーの息を詰まらせた。
死んだばかりの死体、焦げた死体、古くなってウジが沸くほど腐った死体の匂いなど、嫌な匂いを戦場で嗅いできたザカリーにとって、フェルナンの血の匂いなどは特別な感興を呼び起こすことはない。
しかし、その空間にビアンカがいたという事実だけでも、彼の機嫌が悪くなるほど気になっていた。
イボンヌの悲鳴が聞こえた場所まで走るザカリーの心臓は恐ろしいほど鼓動していた。
もしかしてビアンカに何かあったのではないか。
彼女の身に危険が迫っているんじゃないか・・・。
地面が彼を飲み込むように揺れ、冷や汗がダラダラ流れた。
初めて剣を握り、自分の命を担保に戦争に出た時も、これよりは緊張感がなかった。
大切なものを失うかもしれないという不安感。
断言するが、それはザカリーが初めて感じること。
幸いにもビアンカは無事だったが、彼女がそのような状況に置かれたという事実自体を容認できなかった。
ザカリーは歯を食いしばる。
遠い未来に後患になるかもしれないボルネ子爵などを牽制するために、いざ一番重要な彼女を危険に陥れるところだった。
その間、彼女はどれほど不安だっただろうか。
ビアンカは平然とした表情でジャコブを叱咤したが、抱きしめた彼女の体はひどく震えていた。
彼女がどんなに怖かったかを考えると、ザカリーの心臓は引き裂かれる痛みでズキズキ痛んだ。
自分がもう少し早く到着していれば、ビアンカのあのような姿を見なくてもよかったのに。
彼女をこんな場所に少しも長く起きたくなかったザカリーの足取りが速くなる。
しかし、急ぎ過ぎたのだろうか。
彼の速度に合わせられなかったビアンカの足がもつれ、今にも倒れそうに揺れた。
あんなことを経験したのだから、足がもつれるのも当然だ。
彼女の危険な姿にザカリーは足を止め、堂々と立ってビアンカを抱きしめる。
誰もいない廊下でもザカリーに抱かれるのが恥ずかしいと拒否した以前とは異なり、ビアンカは素直にザカリーに身を任せた。
フェルナンとジャコブから抜け出すために何度も必死に抵抗しただけに、ビアンカの体力はすでにすり減っていた。
今まで彼女を支えてきたのは、意地と自尊心、そして怒り。
引き締まった糸のように張り詰めた緊張感は、ジャコブから抜け出すや否や一瞬で消えた。
他人の視線など気にする余裕がなかったビアンカは、だらりと垂れ下がったまま、ザカリーの首筋に頭を埋める。
ジャコブのビアンカに対する異常な執念。
彼の考える計画が怖いですね・・・。
ビアンカがザカリーに身を任せる姿は、彼女がザカリーをどれだけ信頼しているのかが分かります。




