こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は82話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

82話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 鮮明な悲喜
「あなたの夫に抱かれるのは、なかなか楽しかったようだね」
「何を・・・!」
無礼な言葉にビアンカが怒る前に、ジャコブが彼女を引き寄せる。
燃えるジャコブの目は狂人に他ならなかった。
「しかし、それだけでは足りなかったようだ。吟遊詩人などと交わるなんて、そんなものは君の格に合わない。血統も、外見も・・・。もし君が新しい経験をしたいなら、君に似合うのは私だけだ。そう思わないか?」
ジャコブの目が曲がって華やかな笑みが広がる。
毒のある花の方が華やかだと、彼の笑顔からは近づいてはいけない脅威が感じられた。
ビアンカの顔が思索に青ざめる。
これまでのところ、ジャコブが自分に囁くのはザカリーを挑発するためだけとか、政治的な構図で利用しようとするための企みのためだと思っていた。
そうでなければジャコブが自分を気に入る理由がないのだから。
彼の周りには美男、美女しかおらず、本人も華麗な男だ。
一方、ビアンカは外見は悪くなかったが、オデリー王女のように目立つほどの美人ではなく、性格も悪い上、優しくなかった。
その上、ジャコブの目の敵であるザカリーの妻であるため、ジャコブの奇異な接近はむしろ不満に苦しめようとする気持ちになってそうする方が自然だ。
しかし、今のジャコブの姿は・・・。
ビアンカは恐怖を飲み込み、自分を見抜くように燃え上がる視線を避けた。
依然としてビアンカは、ジャコブが心から自分のことが好きで、このような行動をするとは信じていない。
これは愛ではなく、執着と狂気に過ぎなかった。
「ビアンカ。どうか、私にもあなたの優しい肌を感じられる機会をください」
ジャコブの唇が近づいてくる。
白い頬に飛んだ血、そして月明かりを受けて青白く曇った唇が幽霊のようで鳥肌が立つ。
ゾッとしたビアンカは逃げようと体を捻ったが、彼の手の中でしっかりと捕まえられていて立ち往生していた。
その時、遠くからビアンカを叫ぶ声が聞こえた。
ザカリーの声だ。
だんだん近づいてくる声は、彼がそんなに遠くないところにいることを知らせてくれた。
「ビアンカ!ビアンカ!」
「ここです!」
ジャコブがビアンカの口を塞ぐ前に、彼女は精一杯叫ぶ。
生涯でこれほど必死に叫んだことはないだろう。
ビアンカのお腹はひょっとしてザカリーが自分の位置を把握できないかと思い、もう一度叫んだ。
「旦那様!私はここにいます!」
その瞬間、ジャコブの顔が絶望で歪む。
パッと見開いた目には充血で滲んでいた。
先ほどの余裕はどこに消えたのか、手のひらを返すような態度にビアンカの心臓がガタガタと音を立てる。
イボンヌを殴ったようにビアンカを叩きつけそうな勢いに彼女は目を閉じた。
しかし、ジャコブの手はビアンカをギュッと握っているだけで痛みはない。
ジャコブは恋人に裏切られたかのように惨めに叫んだ。
「どうして!?」
それはビアンカが聞きたかった。
「どうして私にこんなことをするの?」と。
ジャコブの行動は見当がつかない。
自分に向けられる切ない視線がどれほど可憐なのか、思わず自分が間違ったのではないかという罪悪感を感じるほどに。
誰かが見れば、二人の間が切なる恋の関係だと思ってしまうだろう。
もし今来ているザカリーにそのような姿を見せる演技だとしたら、ジャコブは生まれつきの俳優と言っても過言ではない。
低く囁く彼の目元には、微かに涙が浮かんでいた。
「逃げようともがくほど、私がそんなに嫌なのか?」
よく分かっているじゃない。
こんなことをする人を誰が好きになるの?
ビアンカが口を開いた瞬間、ジャコブの背後の生い茂った庭木の間をかき分けたザカリーが登場した。
ビアンカを発見したザカリーの顔に、一瞬だけ鮮明な悲喜が交差する。
「ビアンカ!」
ビアンカを呼ぶザカリーの声には焦りが漂っていた。
道でないところに道を作って入ってきたようで、彼の服の所々が破れていて、乱れた銀色の髪には木の葉がついている。
「旦那様!」
ビアンカはザカリーを切なく呼び、再びジャコブから抜け出そうとした。
夫のザカリーが登場したにもかかわらず、ジャコブは彼女を縛りつけた手を緩めない。
気が狂いそうだ。
驚愕に満ちたビアンカは口を大きく開けてジャコブを睨む。
ジャコブと彼女の間が一見親密だと勘違いされるかもしれないと思ったが、自分は悪いことをしていないので頭を下げることもない。
縮こまると訳もなく怪しく見えるだけだと、ビアンカは堂々とすることにした。
けれど、ビアンカは思わず息を吸ったままザカリーの顔色を伺う。
ザカリーをずいぶん長い間知ってきたが、ビアンカは彼があんな顔をしたのを初めて見た。
今までビアンカがザカリーの無愛想な顔を見て怒ったと勘違いしたのが笑えるほど、今の彼は殺意に満ちていたのだ。
口をギュッと閉じてジャコブを睨むザカリーの黒い瞳が凶暴だった。
一点も隠すつもりのない不快な感情。
今のザカリーにとって、ジャコブは王子ではなく、自分の妻を欲しがる痛々しい無頼漢に過ぎない。
すぐザカリーの後を追ってガスパルとロベルが庭木をかき分けて入ってきた。
中の状況が尋常でないことに気づいたソヴールは、外で兵士と侍従を統制している。
庭の中で起きた殺人、そしてそれにまつわる第二王子と英雄の妻・・・。
噂が広がって決して良いことのない組み合わせだ。
様子を見ていたガスパルは庭の片隅に倒れたまま体をまともに支えられていないイボンヌを発見した。
石を削って作った仮面のように変わらないガスパルの顔が絶望に包まれる。
ガスパルは、ザカリーの命令を待つことも忘れてイボンヌに駆けつけた。
「うぅ・・・、奥様・・・」
気を失っているのか、イボンヌは目さえまともに開けられないまま不明な呻き声を上げている。
彼女が死んだのかもしれないと心配していたガスパルは安堵のため息をついた。
しかし、彼女が生きているからといって、ひたすら安心できるわけではない。
イボンヌをこのようにしたと推測される男の一人は死んだが、もう一人は生きている。
ガスパルはイボンヌを抱きしめ、ジャコブを睨んだ。
ジャコブの愛がストーカーのように見えてきました。
危機一髪で間に合ったザカリー。
ザカリーが二人の関係を疑うことはないと思いますが、この後どうなるのでしょうか?




