こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は80話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近
80話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 絶体絶命
「はあ?アンタなんて犬の餌にするわよ!」
「犬の餌だなんて、言い過ぎじゃないかな」
フェルナンはくすくす笑ってビアンカに近づいた。
彼の目に浮かぶ汚い淫欲に、彼女は震える。
あまりにも鳥肌が立ち、気持ち悪かった。
このような男があんなに好きでブランシュフォール家まで握らせてあげようと思った過去の自分があまりにも情けない。
イボンヌが自分の居場所に気づけばいいが、ここは一見密かな密会のための隠された場所のようだ。
それなら、おそらくイボンヌには難しいだろう。
むしろ人を呼んだ方が・・・。
しかし、それで変な噂でも出るようになったら・・・。
そう考えてビアンカはニヤリと笑う。
すでに様々な噂が自分には流れている。
今更心配する自分に笑ってしまったのだ。
「笑うほどの余裕があるようですね。それとも、内心こんな状況を望んでいたのでしょうか?」
「こんな状況?犬の餌などと会話をしているこの状況を?」
ビアンカが嘲笑する。
彼女はあれほど怖がっていた夫のザカリーの前でも、強張りながら頭を上げた女性だ。
絶対に頭を下げることはない。
このような陰険な狼のような者に弱点を見せれば、そのまま振り回されるだけだということがよく分かった。
自分がこの状況を恐れていることを知ったら、フェルナンは同情を持つどころか、勝手に利用する者だ。
ビアンカの挑発にフェルナンの顔が歪む。
彼の声は依然として静かだったが、彼を表す姿からビアンカを脅迫しようとする意思がハッキリ見えた。
「私を刺激して良いことはないと思いますが」
「へえ」
フェルナンの脅迫に対する答えはビアンカではなく、フェルナンの後方から聞こえてきた。
見知らぬ男の声。
フェルナンは驚いて後ろを振り返り、ビアンカも闇の中で徐々に姿を現す男の正体を把握するために眉間を狭める。
暗闇の中でも鮮明な金髪と華やかな美貌の美男子が青い目を輝かせていた。
「王城で面白いことをしているんだね」
「お、王子様・・・!」
相手の外見を見て、フェルナンはすぐにうつ伏せになった。
彼の体がブルブル震えている。
ザカリーではないのが幸いだったが、だからといってジャコブの登場を喜ぶ状況でもない。
王城の庭園で吟遊詩人が貴族の女性を戯弄したという醜聞が回ることは、王宮の名誉を失墜させるも同然だ。
そのため、ジャコブが王子として敏感に反応することは明らかだった。
さらに、ジャコブはビアンカに関心が高いではないか。
フェルナンの顔が凄惨に歪む。
ビアンカは苛立ちげに顔をしかめる。
フェルナンもジャコブも嬉しくない登場だ。
前世でフェルナンがフィグ子爵の駒として使われたことがあり、それでビアンカの人生を完全に打ち砕いた。
そしてフィグ子爵は第二王子派なので、フェルナンとジャコブの間に関係がある可能性は十分にある。
ジャコブの登場は偶然であり、彼とフェルナンは今初めて対面したが、ビアンカはその事実を知らない。
彼女の目は疑いに満ちていた。
ビアンカは、この状況をどのように切り抜けるべきか悩んだ。
その時、一歩遅れて第二王子の後ろにイボンヌが現れる。
顔が真っ青になっているイボンヌはビアンカを発見するやいなや素早く彼女の元に駆けつけ、ビアンカとフェルナンの間を遮った。
「大丈夫ですか、奥様?」
「ええ、心配しないで」
ビアンカはフェルナンに捕まっていた手首を撫でながら話す。
イボンヌはビアンカを落ち着かせるために彼女の背中を撫で下ろしたが、むしろそのようなイボンヌの手が震えている。
どれほど戦々恐々としながらビアンカを心配したのか感じられるイボンヌの姿に、ビアンカの心が落ち着いた。
そんな中、フェルナンはジャコブに言い訳をしている。
ビアンカは、そんな彼の姿が面白かった。
(ジャコブに祈ってどうするのよ?過ちを犯したのは私に対してなのだから、当然私に祈るべきじゃないの?)
ビアンカはフェルナンを噛み砕くように睨みつけたが、彼は必死にジャコブを見上げ、足元で祈るのに忙しかった。
「私の話を聞いてください、王子様。も、もちろん今この、この状況は、あ、怪しいと思うかもしれませんが・・・!」
フェルナンは泣いてさえいた。
リュートを奏でる彼の細長い指がジャコブの裾を掴めず、空中で震えている。
さっきまではビアンカを脅かそうとした無頼漢のようではない、憎らしい哀れな姿。
もし事情を知らない女性たちが見ていたら、いいや、もしかしたら事情を知っていても心が和らいでしまうような気の毒さ。
しかし、ジャコブはあっという間にフェルナンの肩を足で押さえつけた。
顔が地面に擦りついた状況でも、フェルナンは祈り続ける。
けれど、彼の声はジャコブに一言も聞こえていないようだ。
その時、暗闇の中で何かが煌めくのが見えた。
ビアンカはその時になってようやくジャコブが剣を抜いていた状態であることを知る。
そして、フェルナンがなぜあんなに必死にジャコブに祈っているのかも。
ビアンカが推測したのとは異なり、ややもすれば首が落ちることもありうる絶体絶命の状況だったのだ。
フェルナンに話しかけるジャコブの声は穏やかだった。
寝る前の挨拶を囁くかのように。
「たかが吟遊詩人のくせに貴族を陵辱するなんてね」
「ど、どうか殿下・・・!」
「死んでも返せない罪だ」
ジャコブの声が落ちるやいなや剣が振り下ろされる。
闇の中に三日月のような残像が残った。
鋭い刃がそのままフェルナンの首を叩く。
「ぎゃっ・・・!」
骨が切れる鮮明な音がビアンカの耳に響いた。
フェルナンの首から出血した血がジャコブの胸まで飛んだ。
彼の裾が血で赤く染まり、フェルナンの頭が地面に転がる。
その光景を見てイボンヌは悲鳴を上げた。
「きゃあ!」
衝撃の結果・・・。
助けに来たのがジャコブだったのですね。
フェルナンには相応しい罰でしたが、ビアンカの過去のトラウマがこのような形で払拭されるとは。
この後のジャコブの行動に注目ですね!
https://sub.tsubasa-cham.com/returners-magic-should-be-specia-matome/