こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は79話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

79話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 窮地
ビアンカが消えたことも知らず、先に進んでいたイボンヌが闇に対する恐怖を振り払うようにビアンカに話しかけた。
「王城だからか、確かに細心の管理ができています。ですよね、奥様?」
後ろから返事がないと、慌てたイボンヌはこっそりと後ろを振り返る。
当然そこにいると思っていたビアンカが席を外していた。
イボンヌの顔色が青ざめる。
彼女の頭の中であらゆる想像がよぎる。
イボンヌは声を上げてビアンカを呼ぶ。
「奥様?どこにいらっしゃいますか、奥様!?」
イボンヌの切ない呼びかけに答えるためにビアンカは口を開いたが、彼女の口をしっかりと塞いでいる手のせいで何も言えなかった。
暗闇の中なので相手の姿はよく見えない。
誰?
自分を脅かす人が誰なのか分からなかったビアンカの目つきが不安に揺れる。
「・・・静かにしてください」
彼女の耳元で囁かれる濡れた声。
一瞬で相手に気づいたビアンカはもがいた。
しかし、フェルナンがさらに彼女を抱きしめると、ビアンカは身動きもできない。
彼は喘ぎながらビアンカの耳に囁く。
「ふぅ・・・、私もここまでしたくなかたのです、奥様」
ビアンカからいい匂いがして、フェルナンは彼女を見つめながら舌なめずりする。
それにうんざりしたビアンカは歯を食いしばった。
そしてそのまま足を上げて、踵でフェルナンの足の甲をギュッと押す。
「あっ!」
まともに効いたのか、フェルナンの手から力が抜けた。
そうするや否や、ビアンカは彼女を縛り付けていた彼の腕を振り切って抜け出す。
フェルナンから抜け出したビアンカが逃げる出口を探したが、なかなか見つからない。
どこに逃げればいいのか分からないビアンカが戦々恐々としている間に、フェルナンが彼女の腕を掴んだ。
彼から腕を引くために必死に抵抗したが、彼の力を振り切ることができなかった。
ビアンカの薄緑色の目が光る。
ビアンカは捕まっていない手を上げ、フェルナンの頬を殴った。
ピシャリと、身と身がぶつかり合う音が鳴り響く。
ビアンカが自分を殴ったという事実を認知できなかったフェルナンが呆然とした表情をしている間に、ビアンカは彼から腕を引っ張りながら鋭く叫んだ。
「汚らわしい!」
以前も女心を遊ぶゴミだと思っていたが、これほどとは思わなかった。
床を這う虫を見るような軽蔑するビアンカの視線に、フェルナンの目つきが細くなる。
彼はビアンカに向かって一歩、一歩近づく。
「孤高のあなたが、いつまでそんなに高慢でいられるか見ものですね」
「はあ?アンタなんて犬の餌にするわよ!」
ビアンカは震える唇を抱きしめ、虚勢を張るようにあごの先を上げる。
怖い気持ちがバレないように声に力を入れたが、隠すことはできなかった。
ビアンカの視線が不安そうに左右を見回す。
イボンヌが、どうか自分の声を聞いてくれることを願って。
ガスパルは遅れて宴会場から出ることができた。
廊下を走り回っているソヴールとロベルを見つけた彼の顔が歪む。
依然として彼らのそばにはビアンカはいなかった。
ガスパルは急いで彼らに近づき、尋ねる。
「奥様は?」
「王家の侍従たちにも話して、兵士も解放した。だが全然見つからない・・・」
「中で宴会が行われているだけに、王宮の兵士たちを使えるのは限界がある・・・」
「宿舎に帰ったのでは?」
「宿舎にも一応人を行かせた」
「そうか・・・」
ガスパルは沈重な呻き声を上げる。
その時、廊下の片隅で見慣れた姿が。
彼らの主君、ザカリーだった。
彼は騒々しい廊下を見回して眉をひそめる。
廊下の真ん中に集まっている3人を見つけたザカリーは、すぐに彼らに近づき尋ねた。
「何の騒ぎだ?みんな宴会場から出て。・・・ビアンカは?」
「・・・すみません。奥様が一人で抜け出してしまって・・・。今探しているところです」
「え?」
ザカリーの声が硬くなる。
3人はザカリーの顔色を伺いながら、さっと頭を下げた。
しかし、ザカリーの沸き立つ怒りを冷やすことはできない。
彼の声に剣が立つ。
「私はビアンカを一人にするなと言ったはずだが?」
「弁解の余地はありません、伯爵様。罰を与えてください」
王が話しかけていた刹那であっただけに、ビアンカをすぐに追いかけられなかったのも当然だが、ガスパルはビアンカの護衛だった。
当然、そんな状況でもビアンカに気を使わなければならない。
ガスパルは言い訳をせず、自分の過ちを認め、黙々と罪を認めた。
そのようなガスパルの事情もザカリーは察知する。
ガスパルは小細工をするとか油断することとは程遠い男。
彼がビアンカを追いかけられなかったのには理由があるに違いないと。
しかし、だからといって今回のことを簡単に見過ごすことはできない。
ジャコブが宴会場の外をうろついている最中だ。
もしビアンカがジャコブに出くわしたら・・・。
ザカリーの歯が食いしばられた。
「ガスパルがビアンカに追いつけなかったのには理由があるのだろう。お前は命令を生真面目に守る男なのだから。しかし、それならロベルとソヴール、君達だけでも気を使うべきだったんじゃないか?私は本当に君たちへ失望した」
戦争をする渦中にも簡単に声を荒げないザカリーが怒りを吐く姿に、3部族長は顔を上げることができない。
特に、ビアンカが抜け出すことも知らずにいたロベルとソヴールは。
そんな中、そんなに遠くない場所で女性の悲鳴が轟音と空を鳴らした。
「きゃあ!」
「・・・この声は!」
女性の悲鳴に4人の体がビクッと緊張しながら、獲物を発見した犬のように音が聞こえた方向に顔を上げる。
声の主に気づいたガスパルの目つきが一瞬凶暴に輝いた。
「イボンヌの声です」
「王室の庭の方から聞こえたに違いありません!」
ソヴールは声が聞こえた方に指差す。
ザカリーの顔が冷たく固まった。
なぜイボンヌが悲鳴をあげるのか。
ビアンカに何かあったのではないか・・・。
そう考えるやいなや、ザカリーの心臓が果てしない地獄の恐怖の中に堕落するように揺れる。
ザカリーは性急に足を運んで命令した。
「王室の庭に行く!」
フェルナンに天誅を!
ビアンカもピンチですが、イボンヌの悲鳴の意味は?
手遅れになる前に、ザカリーには間に合って欲しいです。




