こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は77話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

77話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- こっそり抜け出して
ザカリーが席を外して間もなく、ビアンカがこっそり周りの顔色を伺った。
折りしも対話の糸口はザカリーの3騎士、特にガスパルに向かっていたところだ。
ビアンカは自分から離れた関心にため息をつき、イボンヌの脇腹をつつく。
「イボンヌ」
「はい、奥様?」
ビアンカは答えず、あごの先を上げる。
出ようという合図だ。
イボンヌがどうすればいいのか戸惑っている間に、ビアンカはこっそり席から抜け出した。
イボンヌは静かにビアンカの後を追いかけながらも、ガスパルの方へ視線を向けている。
目が合ったガスパルの表情にも戸惑いが浮かんだ。
彼がビアンカの後を追いかけようとしたとき、そうするや否や王が声をかけてきた。
「やはり勇将の下に勇将がいると、私のアルノー伯爵の実力はよく知っていたが、ガスパル卿まであれほど立派な舞踏を見せるとは思わなかった」
「・・・褒めすぎです」
「私が会った相手の中でも、かなりの実力者でした。本当に凄かったです、ガスパル卿」
「それでも卿が勝ったじゃないですか」
「運が良かっただけです。私もアルノー卿との試合では圧倒されましたから」
ガスパルと準決勝で戦ったカスティヤの騎士も相槌を売って割り込んできたので、ガスパルとしては進退両難だった。
王と他国の騎士の間で簡単に会話を止めることができなかったガスパルは、そばにいたソヴールとロベルに向かって目を向ける。
しかし、彼らもまた、隣の人と会話をしていたところだったので、ガスパルの視線に気づいていない。
「確かにデルパンヌ草原の戦いはかなり難航しました。それで・・・、痛っ!」
「どうしたのですか、ロベル卿?」
「はは、何事もありません」
思わず悲鳴を上げたロベルは、ぎこちなく笑いながらガスパルに向かって目を向けた。
途方に暮れていたガスパルがロベルの太ももをつねったためだ。
ロベルの悲鳴にソヴールも彼らに視線を向ける。
ロベルは歯を食いしばって、ソッと囁いた。
「一体どうした?」
「奥様が・・・」
「それでガスパル卿、もし時間があれば卿と剣を突き合わせてみたいのですが・・・」
ガスパルが短く答えようとした瞬間、カスティヤの騎士が質問してきた。
彼がもう少し口下手でなかったらこのような状況でも堂々と対話の糸口を他に向けれただろうが、残念ながら彼は話術とは程遠い男だ。
沈重な呻き声を上げたガスパルは、カスティヤの騎士に答え、ロベルにビアンカが座っていた席をあごで指した。
ロベルとソヴールは、その時になってようやくビアンカが消えたことに気づく。
彼らの顔色が真っ青に。
奥様を一人で歩き回らせたのは、全て彼らのせいだった。
ザカリーがこの事実を知ったら、どれほど怒るだろうか!
人目の多いトーナメントでも交代で護衛を立てるほどだったのに。
王とカスティヤの騎士との対話に捕まっているガスパルの代わりに、足元に火がついた彼らは慌ててお互いの対話相手に了解を求めた後、ビアンカの後を追って出た。
しかし、彼らが廊下に抜け出した時、一拍子遅れた後。
ビアンカはとっくに姿を消していた。
彼らは茫然自失の表情で周辺を見回す。
彼らがそうしている間、イボンヌを連れてきたビアンカは建物の外を歩き回っていた。
訳も分からないままビアンカについてきたイボンヌは、彼女の後を追いかけながら尋ねる。
「奥様、一体どうしたのですか?」
「ちょっと風に当たりに出かけたくて」
「でも護衛もなく・・・。今からでも帰ってガスパル卿を連れて行ったらどうですか?」
「大丈夫よ。陛下が話しているのに、邪魔をするわけにはいかないじゃない」
心配そうなイボンヌの言葉にも、ビアンカは平然としていた。
「では、ロベル卿やソヴール卿でも・・・」
「ソヴールはうるさいし、ロベルはイライラするでしょ。今日だけで一週間以上の会話をした気がするわ。宴会場にこれ以上いたくないのよ」
ビアンカは考えたくないように手を振る。
ソヴールとロベルに対する評価はイボンヌも同じだったが、彼女は心配そうに残っている懸念を慎重に伝えた。
「伯爵様が好きではないと思いますが・・・」
「でも旦那様は今いないじゃない」
「もし何かあったら・・・」
「少しだけよ。宴会場の中がとても息苦しいから息抜きに出ただけ。あら?あそこに庭があるのね」
ビアンカはイボンヌの心配にもかかわらず、城から遠くないところにある庭園を指差した。
イボンヌはため息をつき、彼女の背中を追う。
ビアンカは良い主人だったが、彼女の頑固さだけは凄かった。
侍従長のヴァサン、いや、伯爵のザカリーさえもビアンカの主張を破った歴史はない。
だから自分が主人を説得するのは無理だろう。
ビアンカは王家の庭に足を踏み出し、大きく深呼吸をする。
彼女がつかれたのは宴会での仕事だけではなかった。
昨日、今日の間にあまりにも多くのことあったのだ。
体が疲れているのも当然だが、精神的疲労がピークに達している。
ザカリーとの関係はビアンカに安定と不安定、矛盾した感情を同時に与えた。
むしろ未来を知らなかったら、もっと楽にこの瞬間を楽しめていたのだろうか?
宴会場で話す人々もそうだ。
あの場所にいる知り合いが数年内に死ぬという事実を自覚するやいなや、ビアンカの息が詰まった。
だから逃げるように宴会場を抜け出したのだ。
面倒だと言い訳をしたが、実状はガスパルや他の人たちを待つ余裕さえないほど息が詰まっていたから。
王妃の庭園や王女の庭園とは異なり、王家の共用庭園は城を訪れるお客様は誰でも訪れることができるように開かれている場所。
ビアンカとしては静かな方が良かった。
鼻歌まで口ずさみながら歩いている途中、突然女性が飛び出してくる。
約35歳くらいだろうか。
急いで走ってきたのか、身なりが少し乱れている。
お互いに簡単に黙礼するだけで、ビアンカは変な気配を感じただけで、正確には何がおかしいのか詳しく感じられなかった。
その女性から気を引いたビアンカは散歩を続けた。
道の真ん中あたり、庭を照らす明かりがぼやけた空間。
イボンヌが勇敢にビアンカの前に立つ。
「前が見えませんから、危ないので私が先頭に立ちます」
「ありがとう」
四方にそびえる庭木から漂う草の匂いがビアンカの鼻先をくすぐる。
宴会場の賑やかな音が遠く感じられた。
先を行くイボンヌの背中が小さく震えている。
豪勢に乗り出したものの、暗いのが怖いようだ。
その姿に、ビアンカはくすくす笑う。
その時、後ろから何かがビアンカを強く引き寄せた。
急に後ろに引っ張られる感じに驚いたビアンカが声を出そうとしたが、口が塞がれる。
骨の節々が目立った男の手!
一体誰・・・?
引きずられないようにもがくビアンカの踵が土の底を掻いた。
しかし、何の役にも立たず、ただ無力なだけ。
少しリラックスしたかっただけなのに襲われた?ビアンカ。
外に出ている男性で心当たりのある人物はザカリーとジャコブ。
ザカリーがそんな強引な行動をするとは思えませんので、ビアンカを襲ったのはジャコブなのでしょうか?
それとも別の人物?




