こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は74話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

74話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 今日の主人公
「そういえば、さっきレースについてお聞きになりましたよね?」
「それはレースと言うのですか?」
レース、レースか。
誰もがレースという言葉を噛み締める。
どうすればレースの品物を手に入れることができるのだろうか?
ハンカチも欲しくなったが、伯爵夫人の背中を包んでいるローブは本当に芸術に他ならなかった。
皆が思わず口を開けてビアンカのローブを眺めるほどに。
先ほどまでビアンカが貴族の男性を逃げ場なく追い立てた姿は忘れて久しい。
そんな女性たちを見て、ビアンカは謙虚に頭を下げながら言った。
照れ臭そうな笑顔が自然だ。
「はい、私はそう呼んでいます。恥ずかしながら、私が作ったものなのです」
「あら、伯爵夫人が直接ですか?」
「編み物や刺繍が趣味と聞きましたが、手先が器用なのですね。本当に素晴らしいです」
「これほどの品なら、売り物として出されてもおかしくないです」
「そんなに貴重なものに見えたなんて、少し自信がつきました。ありがとうございます」
ビックリした人たちがビアンカの言葉に大騒ぎした。
高い褒め言葉にもかかわらず、ビアンカは静かに目を伏せている。
望む答えが出てこないと、皆が熱い視線を送ってきた。
彼らが望むことは明白だ。
あのレースが欲しい!
ビアンカのレースの前では、金糸で刺繍されたシルクのハンカチも色褪せている。
どこで手に入るのか分かれば億万金を払ってでも買ったのに、ビアンカが直接編んだと言うのだから、彼女に良い印象を与えるしかなかった。
どうかビアンカがレースを売ってくれることを願う皆が、先を争って彼女の腕前を称賛する。
セリーヌと一緒にビアンカを罵っていたギルダード男爵夫人たちは呆気に取られていた。
庭で出会った時、彼らと一言も交わそうとしなかった傲慢なビアンカと、今の周辺の人々と和気藹々と話すビアンカが同じ人だとは信じられなかったのだ。
彼らの頭の中が複雑になる。
アルノー伯爵夫人が素晴らしい俳優であれ、あの時彼らが見たものが偏見に満ちた錯覚であれ・・・。
彼らも会話に割り込みたいと思ったが、どうしても口を開けずに躊躇っていた。
そうして宴会場は再び活気を帯びた。
和気藹々とした雰囲気に王様も満足そうに見え、楽士たちは音楽を奏でていた。
人々の言葉にニッコリ笑って、一つ一つ答えていたビアンカは、心の中で舌打ちをしている。
(大体、これくらいで整理できたらいいな。本当に商売を一度やってみるためにここまでしないといけないのね・・・)
その時、ビアンカの背中を掃くようにすれ違う手が感じられた。
腰に滑る手は、まるで自分のものを扱うように慣れている。
ビアンカは手の持ち主、ザカリーをそっと振り返った。
ビアンカの頭が彼に向かうやいなや、彼女に向かって頭を下げたザカリーが静かに彼女の耳元で囁く。
「収穫は無事に終わりましたか?」
収穫は熟した時にするものだと言った自分の言葉が思い浮かんだビアンカは、ただ笑って頷く。
「とても豊作です」
笑みを浮かべたビアンカの言葉に、ザカリーも満足そうに頷いた。
ザカリーはビアンカを抱きしめるほど近くに腰を近づけたまま囁く。
ザカリーの唇がビアンカの頬に掠れるほどに。
「良かった。少し外に行ってきます。あなたは席にいてください」
「分かりました。行ってらっしゃい」
ザカリーが何のために宴会場を空けるのか気になったが、何か理由があるのだろうと考えて聞かなかった。
ビアンカはザカリーを見送るように彼の方へ首を向ける。
彼女の頬を手の甲で注意深く撫で下ろしたザカリーは席から立ち上がった。
ザカリーが動くやいなや騒ぎ立てようとする者たちを、手を上げて制止した彼は静かに外に出ていく。
ビアンカに向かうザカリーの優しい手一つ一つを見守っていた貴族の女性たちは深く嘆いた。
今まで無愛想な男だと思っていたが、トーナメントでもそうだし、妻にとっては誰よりもロマンチックだ。
しかし羨ましがっても無駄なこと。
あんな男が二人以上いるわけではないだろうし、自分の夫はもちろん恋人さえもザカリーに比べるには不足していたためだった。
それでもジャコブ王子はザカリーに匹敵するのだろうか・・・。
けれど、ジャコブ王子が女性に関心がないのは有名な話だ。
もしかして彼が女性に関心を向けなかったのは、以前からビアンカに多大な関心を向けていたからなのだろうか?
あちこちで女性たちの羨望に満ちたため息が噴き出す。
今回のトーナメントと宴会は、あくまでアルベル皇太子とナバラ王女の婚約を祝うために開かれた行事だったが、実際の主人公はビアンカだということに皆異議がなかった。
皆がビアンカを羨ましがっていたが、当事者である彼女は過度な関心に疲れている。
普段だったら嫌な顔でもしたはずなのに、今日だけはできない。
ボルネ子爵との不和のためにイメージを管理しなければならず、それだけでなくレースを売ってアルノー家の財政に役立つためには好感を維持しなければならなかった。
ビアンカは思いっきり口元を上げて笑う。
(もう少しだけ耐えてみて、本当に大変なら私も少し席を外さないと)
そう考える彼女の口元は痙攣していた。
ビアンカは素早く頭の中で席を外す言い訳を考える。
そんな彼女の考えを全く知らない彼らは、ビアンカに好意に満ちた質問をした。
続けて、絶えず。
ようやくレースを宣伝することができたビアンカ。
これからアルノー伯爵領も忙しくなることでしょう。
ザカリーが席を外した理由が気になりますね。




