こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は69話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

69話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 苦言
ビアンカは大きなため息をつく。
何も言えないまま頭を下げたアントから視線を離したビアンカは、セリーヌに視線を向けた。
「彼女は私の夫になれもできない欲を抱き、私を蔑視する暴言を吐いて追い出されたのです。令嬢は、その事実をご存知で?」
「あ、いいえ・・・」
セリーヌは吃る。
いつの間にか彼女が前に出した女中は可憐な被害者ではなく、夫を狙う毒蛇になっていた。
さらに、ザカリーの反応がビアンカの言葉を後押しする。
彼は沈黙していたが、アントを無表情に睨む冷たい剣のような視線からは、今にもアントを切り裂くような殺伐とした雰囲気が出ていた。
状況がどのように回っているのかを悟った彼らのヒソヒソ話が高まる。
アントを可哀想に思っていた男たちは知らないふりをして視線をそらし、女たちは皆鋭く目を輝かせた。
一歩遅れて事態の深刻さに気づいたセリーヌの顔色が真っ青に。
ここままではビアンカではなく自分の評判がめちゃくちゃになるだろう。
ビアンカが望む通りに世論が流れる。
でも簡単に喜びを表さないまま、彼女は静かに話し続けた。
「過去に起きた領地に関する内部事情を他所に軽々と語り歩く・・・。そんな軽率な人を側近として置いているのは、あまり賢明な判断には見えませんね、ダボビル伯爵夫人」
ビアンカはセリーヌを無視してカトリーヌに告げる。
彼女に対して悪感情はない。
ただ、人を見る目がなく、アントのような、自分の想像力の高さを知らない人間を侍女にしただけでは足りず、子爵令嬢や男爵夫人のような人たちの盾として利用されている姿がもどかしいだけだ。
ビアンカ自身も人選に長けているわけではないので、あれこれアドバイスをするつもりはない。
率直に言って、彼女にはメイドを雇うことにそれほど才能がなかったから。
けれど、自分以外にダボビル伯爵夫人に苦言を呈してくれる人がいるのだろうか?
自分が旗を背負うことに決めたビアンカは、躊躇わずに苦言を呈する。
「良い女中を雇うためには、彼女が何の理由で以前の職場から出てきたのかを確認することが重要です。それも、傍に置く侍女なら尚更です。付き合う人々の品格も一度は考慮してみてはいかがでしょうか?噂に振り回される軽挙妄動な人たちと付き合って、あなたの評価を落とさないでほしいのです。ダボビル伯爵夫人が思慮深い方だということは、私もよく知っていますから」
ビアンカの乾燥した言葉が続くたびに、カトリーヌの頭が深く下がっていく。
彼女の顔は赤髪と同じくらい赤くなっていた。
ビアンカは、カトリーヌの隣に座っているダボビル伯爵をチラリと見る。
黒髪を綺麗に掃き下ろし、顔には楽しさが滲み出ていた。
彼の曲がる目つきは、内心で今この状況を満足しているように思える。
それは確かに変だった。
妻が宴会場で他の女性に言われたことは、ある意味家門の名誉とも関連している。
それでもあんなに喜ぶなんて・・・。
ビアンカの眉間が少しひそめる。
しかし、それはダボビル伯爵夫妻の間のこと。
彼らの間が平凡ではないということは、ビアンカとザカリー、二人の関係ほど有名だった。
他人事に関心のないビアンカが知っているほどに。
伯爵は、ダボビル家の婿養子だった。
ダボビル家は名望が高く、ブランシュフォール家に匹敵するほどの名家。
女性もまた、家門を継ぐことができないわけではないが、一人娘のカトリーヌは小心者で、そんな彼女がダボビル家を受け継いだら、すぐに家門が破綻するだろう。
そのため、先代ダボビル伯爵が選んだ婿が、まさに今のダボビル伯爵だ。
先代ダボビル伯爵の眼目は間違っていないようで、彼は自分の役割を十分に果たしていた。
ペン先より剣の方が強力な時代であるにもかかわらず。彼は文官として第一王子派のもう一つの大黒柱になるほど強力な影響権を行使した。
ザカリーは鉄血の騎士なら、ダボビル伯爵は毒蛇の舌と呼ばれるほど鋭い毒舌で有名だ。
そんな彼と戦いたくないだけに、ビアンカはダボビル伯爵がこの状況を喜んでいることを幸いだと思って引き渡した。
ダボビル伯爵は、ビアンカを見ながら首を横に振る。
これくらいで終わらせてくれて感謝するように。
「片付けろ」
ダボビル伯爵は後ろの騎士に手招きをする。
ダボビル家の騎士たちがどっと押し寄せ、宴会場にぼんやりと立っているアントを引き出した。
強制的に引きずられていくアントの顔は真っ赤になったが、彼女は自分に降りかかる鋭い視線に何の反論もできない。
アントを眺めるダボビル伯爵の視線が鋭い。
カトリーヌが途方に暮れて戦々恐々としているのとは対照的だった。
カトリーヌは自分のせいでアントが酷い目に遭ってしまうと思っているのか、引きずられる彼女に向かって残念な視線を向けている。
ダボビル伯爵は、そんなカトリーヌを抱きしめたまま、小さく何かを囁いた。
彼女を慰めるその態度は優しく甘く、先ほどの笑顔と簡単にマッチさせることができなかった。
そういえば毒蛇の舌という言葉とは違い、ダボビル伯爵は伯爵夫人にだけは何でも聞いてあげる人だという噂がある。
貴族たちには心臓を低めるような毒舌を吐きながらも、伯爵夫人には戸惑いを隠せないという要旨の内容だ。
婿養子として迎えられたため、そうするにはダボビル伯爵の能力があまりにも優れており、伯爵夫人に夢中になったというには、彼女がそれほどに魅力のある女性なのではないかというのが世論の評価だった。
ビアンカに話を伝えたイボンヌをはじめ、皆がその噂を信憑性のない話として退けたが。
しかし今、ビアンカはその信憑性のない噂が事実かもしれないと考えた。
アントの処分はダボビル伯爵が処理することでしょう。
今後もダボビル伯爵の登場はあるのでしょうか?
カトリーヌとビアンカが親交関係になる可能性も?




