こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は68話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

68話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 証人
子爵令嬢が伯爵夫人に命令するような態度に、周りの人たちは眉をひそめた。
しかし今、ビアンカを窮地に追い込んだと思っているセリーヌの目には何も見えていない。
アントを呼ぶように言われ、カトリーヌは躊躇った。
アルノー伯爵夫人は何も悪いことはしていない。
これはセリーヌが彼女の評判を落とす利己主義に過ぎないのだから。
セリーヌが内心でアルノー伯爵夫人に嫉妬していることは知っていた。
しかし、ここまで騒ぎを大きくするなんて。
カトリーヌは当惑して瞬きするが、暴れる馬のように激しいセリーヌの勢いに反論する自信はなかった。
セリーヌは目を三角形にしてカトリーヌを急かす。
「早く」
気の弱いカトリーヌは嫌という言葉をどうしても言えなかった。
結局、彼女はアントを呼ぶことに。
「・・・アント、ダボビル子爵令嬢があなたを探しているわ。こっちに出てきなさい」
カトリーヌの世話をしながら一歩後ろに下がっていたアントは歯を食いしばった。
情けない奥様は自分の侍女もまともに守ってあげられない。
今までそんなカトリーヌの優柔不断さを利用して自分の利益を満たしていたが、今はただ恨めしいだけだ。
ビアンカについて良くない話をする時は、こんなことは考えもしなかった。
ただビアンカのせいで人生が拗れたので、適当に困らせるつもりだけだったのだ。
やはり、あまりにも知っているべきではなかったのか。
王子妃の庭で出会った時、ビアンカが自分のことを知らなかったことに訳もなく腹が立ち、衝動的に事を犯してしまったのが問題だった。
アントは震える目でビアンカをチラリと見る。
蝋人形のように血気のない真っ白な顔は微動だにせず自分を眺めていた。
自分の手を鞭で何度も叩いた時と同じ表情。
蛇のような、悪魔のような女・・・。
アントの頭の中が複雑になる。
確かなことは、ビアンカは絶対に自分を放っておかないという事だ。
彼女の体に鳥肌が立つ。
彼女は首輪を縛られたまま屑殺場に連れて行かれる豚のように、躊躇いながら前に出た。
セリーヌは、そのようなアントの心情は知ったことではなかった。
あの侍女は彼女の意図通り、他人の前でビアンカの弱点を並べればよかったのだ。
セリーヌは意気揚々とアントを促す。
「さあ、言ってみなさい。アルノー伯爵夫人が領地ではどうだったかと」
「そ、それは・・・」
アントは中々口を開けられず、躊躇いながらビアンカの顔色を伺った。
いくら周辺にビアンカの醜聞を流して彼女を貶したりはしたが、その大半が嘘だということを彼女自身も知っている。
しかし、自分は何も知らないと言ったら、自分をここに立てたセリーヌの名誉に泥を塗るのだから、セリーヌが黙ってはいないだろう。
アントの主人はカトリーヌだったが、彼女には期待していない。
もし周りの人たちが自分の処罰を強く望むなら、カトリーヌは保護できないだろう。
こうなる前にもっと早くダボビル伯爵を誘惑して自分の味方にしなければならなかったのに。
首都にいる間に機会を探したがままならなかった。
今度の宴会はいい機会だと思っていたのに、余計なことばかり被ることに。
セリーヌとビアンカの間で、アントは唾をごくりと飲み込んだ。
「あの・・・」
宴会のみんながアントに注目する。
一体この侍女がなぜ呼び出されたのか推論する彼らの瞳がアントとビアンカ、セリーヌの間を行き来した。
さっきセリーヌが言った、真冬に殴られたまま裸で追い出された女中が、まさにこの女中なのだろうか?
美人の多い首都でも、アントは客観的に綺麗な方だ。
そんなアントが貴族の女性たちの顔色を伺う凄然とした姿に、男たちは残念がっていた。
アントに同情するようにざわめく雰囲気にもかかわらず、ビアンカは気にしていなかった。
彼女は戸惑っているアントを見ながら淡々と話しかける。
「久しぶりね。この結果は、あなたの口が軽かったと思ってもいいのかしら?」
ビアンカはピクピク上がろうとした口元を抑える。
嬉しくないはずがなかった。
彼女が狙った、そのままの状況なのだから。
ビアンカがこれまでセリーヌの挑発を適当に受け止め、煽ったのは、まさに今のため。
噂の根源地であるアントを、全員の前に持ち出すためだ!
大半の人々は、ビアンカがどのような汚名を着せられているかに関心がない。
彼らにとっては、ただお茶と一緒に添える些細な会話のネタくらいだったのだろう。
おそらくビアンカが自らの口を借りて釈明する程度では誰も気にせず、聞き手のいないこだまに終わったはずだ。
それで状況を大きくした。
人々が関心を持てるように。
そして、これまでの騒ぎを謝罪する、彼女の敵を想定するために。
特にセリーヌやアントに恨みがあるわけではない。
ただビアンカには、彼女の尻尾にぶら下がっている噂をそのまま吸収してくれる他の人物が必要だったのだ。
噂を一番効果的になくす方法は、他人にそのまま押し付けることなのだから。
正直、ビアンカは自分にかけられた噂については何も考えていなかった。
もう慣れているのだから。
ビアンカは、皆が自分に好意的ではないという事実を誰よりもよく知っていたし、他人の悪口に特に傷ついてもいなかった。
しかし、自分に加えられた噂のために、アルノー伯爵とブランシェポル家の名前にまで染み込ませることはできない。
ここまでの全てがビアンカの計画だったとは。
自分に関心を向けたビアンカの目的は、やっぱりアレですよね!




