こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は65話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

65話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ボルネ子爵令嬢、セリーヌ
ビアンカの意図を知らなかったザカリーは、依然として納得していないように見えたが、ビアンカの言う通り大人しく口をつぐんだ。
ビアンカに対する噂は当事者たちが黙っているだけでに、すぐに冷めてしまった。
ザカリーが殺伐とした視線で宴会場を見回したためでもある。
ビアンカがじっとしてと言ったが、目を光らせるなと言っただけに、ザカリーは鋭い視線で宴席に座った人々を一人一人眺めていく。
その目にうんざりした彼らは一人二人と口を閉じ、まもなく彼らに対する話題は音楽と違う喋りに埋もれていった。
そのように宴会を続ける中、男たちの間で狩りに関する話が出た。
狩りは貴族の男たちが好んでする遊戯。
馬を使って獲物を追う時だけは男たちの胸の中に英雄的充足感が湧き上がり、鷹を育てて狩猟に参加する貴族女性たちも神話の中の女戦士になったような気分を感じたりもした。
たとえ彼らの戦績が理想には及ばないとしても。
狩猟に熱狂した貴族たちは、自分の戦績を誇張して説明していた。
「もうすぐ夏になると殿下が狩猟大会を開くのではないでしょうか。楽しみですね。今度は必ずオオカミを捕まえるつもりです」
「はは。子爵の自信は天を突くのですね。私も負けるわけにはいきません。オオカミは私のものですよ」
しかし、彼らがどれだけ誇張しても、ザカリーの相手にはならなかった。
「私たちがオオカミをどれだけ捕まえても、今回の狩りでアルノー伯爵が熊を捕まえれば終わりではないですか」
「そうですね。前回の狩りでアルノー伯爵はなんと熊を捕まえましたから。伯爵が捧げた熊の皮がまだ殿下の寝室を飾っているという噂を聞きましたが・・・」
会話は自然にザカリーに流れる。
ザカリーが獲物を全て掃くのではないかと心配する人たちの笑いが虚しかった。
「はは。アルノー伯爵がある程度大目に見てくれるでしょう」
「ああ、今回のトーナメントを見てください。伯爵夫人と一緒に来たからといって、情け容赦なく相手を倒しませんでしたか」
再び会話がビアンカに流れた。
さっきの鋭い雰囲気を忘れていないのか、男たちは浮立った雰囲気の中でもザカリーの顔色を伺っている。
しかし、それは男たちに限られた話。
これまで会話からこっそり抜けていた女性たちが一人二人とビアンカに話しかけた。
「伯爵夫人は狩りをしたことがありますか?」
「いいえ、乗馬を習ったばかりなので」
「あら、乗馬は教養じゃないですか?」
女性の一人がビアンカの返事に大げさに驚いたように声を高めた。
ビアンカは彼女が誰だったか覚えていないが、ビアンカの侍女イボンヌは彼女をはっきりと覚えていた。
かつてアントと向き合った時にいた貴族の一人だ。
彼女はボルネ子爵令嬢、セリーヌ。
一緒にいた他の貴族の女性たちが結婚したのとは違って、まだ未婚だった彼女は良い男とのロマンスを夢見て首都に上がってきたのだ。
しかし、男たちの関心はすべてアルノー伯爵夫人に向けられた。
ビアンカがオデリー王女のように美しかったら、気分が悪くなることはなかっただろう。
セリーヌの目にはビアンカには特別な点が見当たらなかった。
ただ第二王子が関心を向けているだけで、彼女が凄い女性のように感じた男たちが慣性のように惹かれているだけ。
彼女の贅沢な身なりも羨ましかった。
ビアンカと向き合うたびにセリーヌの自尊心がぐんと削られていく。
そしてビアンカに反発心を持ったのはセリーヌだけではない。
セリーヌが開けた水路を他の女性たちが受け取った。
「それでは鷹も育っていないのでしょう」
「乗馬もまともに出来ないのであれば鞭も無理でしょうね」
「あらまあ、私たちだけで時々鷹狩りに行ったりしますが、残念ながらアルノー伯爵夫人は一緒にできませんね」
彼らはビアンカが鷹を飼うほどの心得も無いかのように笑い出す。
みんなが笑いながらビアンカの反応を見る。
このような侮辱にどう反応するのか気になっていた。
顔を大きく歪めたまま怒りで睨んでくるのだろうか?
それとも恥ずかしさで頭を下げてか弱いふりを?
しかし、どちらも違った。
ビアンカはワインを飲んでいる。
薄緑色の瞳はどれほど無関心なのか、彼らの会話を聞いていないように見えるほどだ。
むしろ夫のザカリーの首が怒りで赤くなっていた。
女性たちの会話に男が介入して怒鳴りつけるのが礼儀ではなかっただけに、どうすればビアンカの迷惑にならずに彼女を弁護できるか悩んだ。
しかし、適当な方法がない。
彼の冷酷な顔の下で歯を食いしばったのが感じられた。
ビアンカはワイングラスを持っていない手をテーブルの下に下ろし、ザカリーの太ももを撫で下ろす。
興奮した犬の頭を撫でるような感覚に、ザカリーに引き締まった太ももが少し緩んだ。
ビアンカがこれといった反応を示さないでいると、ビアンカを煽った人たちが慌て出す。
セリーヌの目尻が酷く上がった。
彼女はビアンカの隙を狙うハイエナのように執拗に尋ねる。
「伯爵夫人の趣味は何ですか?」
「恥ずかしいですが、特にありません」
「まさか。貴族の女性なら趣味が一つや二つくらいはあるべきじゃないですか?」
回帰前のビアンカだったら、女性たちの煽りに怒り狂っていたことでしょう。
壮絶な過去を経験したからこそ今の冷静なビアンカがいるのですね。
もちろん、このまま黙って終わるとは思いませんが。




