こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は63話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

63話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 滑稽で低劣な思考
いつもより食べすぎるビアンカの姿に、ザカリーは心配そうに引き止めた。
「ビアンカ、ゆっくり食べなさい。すまない、ワインをもっと満たしてくれ」
ザカリーは自分で給仕を呼び、ビアンカのグラスにワインを注がせる。
そんな彼らの姿を見守っていた貴族の一人が感嘆とともに、口を開く。
「アルノー伯爵がこんなに優しい夫だとは想像もできませんでした。伯爵夫人にとても優しいのですね」
「そうですね。トーナメントでも、とてもロマンチックでした。伯爵があのようなロマンを知っている方だとは想像もできませんでした」
「伯爵夫人が美しいからでしょうか。今までアルノー伯爵が領地にしっかり隠して置いたのが理解できますね」
皆、誰かが糸口を掴むのを待っていたかのように、ビアンカが話題になると、対話の流れが早くなる。
ビアンカは今回のパーティーで一番注目される人物だったが、当の本人はこの状況が全く嬉しくなかった。
自分の外見が彼らの言葉と違って、特に煌びやかではないことをよく知っているだけに、苦役同然だったのだ。
自分の外見は自分の方がよく知っている。
彼らが自分を褒めたのは、自分が首都に初めて顔を出したからだけではない。
ただ賛辞の言い訳をしているだけ。
なぜかって?
ビアンカを持ち出すことで、オデリー王女を貶すため!
「結婚した時は、かなりの年の差があったはずなのに」
「アルノー伯爵も、こんな光景を見れるとは思わなかったでしょう」
「そうですよね。今までセブランのバラと呼ばれたオデリー王女の称号を譲り受けなければならないようですね」
つまらない会話。
オデリー王女を大事にする王の顔色を伺い、露骨に王女を貶すことはできなかったが、その意図は明白だった。
面白くもない話だ。
誰が見ても、自分よりもオデリー王女の方がはるかに美しかった。
蜂蜜が流れるような金髪、深い目元の下で輝く青い瞳、肌のキメはクリームのようだ。
今後数十年が経っても、オデリー王女はセブランのバラという称号に不足はないはず。
しかし、彼女は男たちに興味がなく、高慢で、少しの隙間も与えなかった。
彼女に求愛して冷静に打ち負かされたことで恨みを抱いている人は多い。
男たちがオデリー王女より若く気品のある淑女としてビアンカを持ち上げる裏面には、オデリー王女の評判が低くなれば少しでも手が届くのではないかという、滑稽で低劣な思考が潜んでいた。
ビアンカは自分について騒いでいる人々の間で無表情に座っていた。
彼女が知っているオデリー王女は、このようなくだらない会話を口実にビアンカに敵対感を抱いたりするような人物ではないが、ビアンカ自身がこれ以上聞くことができなかった。
過熱した雰囲気の中で何が飛び出すか分からないだけに、この辺で対話を止める必要があるだろう。
そんなビアンカを嘲笑うように彼女が口を開く前、割り込む瞬間もなく話が流れた。
全然嬉しくない方向へ。
「あの道化師もアルノー伯爵夫人の輝かしい美貌に気づいたので、このようにバラを渡したのではないでしょうか」
「ああ、バラと言ったら、ジャコブ王子もトーナメントでアルノー伯爵夫人にバラを渡されていましたね。以前からお知り合いだったのでしょうか?」
そう言った男はまさにウィグ子爵だった。
遠くにいたウィグ子爵がどれほど大きな声で話したのか、ビアンカに関する話題に関心がなかった彼らの視線も全てビアンカに向けられる。
皆の関心を集めたウィグ子爵は、ビアンカをチラリと見ながら意味深長な笑みを浮かべた。
脊椎に乗って鳥肌が立つ陰険な笑みで。
ビアンカがウィグ子爵の質問に混じった悪意を見違えるはずがない。
(何を企んでいるの?)
ビアンカは眉間に皺を寄せて反論しようとしたが、ジャコブが無邪気に割り込んだ。
「はは、ただ私が崇拝しているだけだがね。伯爵夫人の美しさが、私の心を盗んだのさ」
ウィグ子爵の言葉を返すジャコブの顔は滑らかだった。
まるで自分に矢が戻ってくることを知っていたかのように。
もちろん、ジャコブ王子がビアンカにバラを渡したことは大したことではないので十分に予測可能な話題だったが、ビアンカは本能的にジャコブがこの対話の流れを主導したことに気づいた。
知り合いのウィグ子爵に会話をこちらに駆り立てたに違いない。
ビアンカは心の中でジャコブを嘲笑った。
彼がヒソヒソ話をすることには何か魂胆があるに違いない。
彼が自分を好きなふりをして得る利益は何だろうか?
けれど、自分が理性をしっかりと掴んでいる限り、ジャコブの思惑通りにはいかないだろう。
ジャコブが自分を好きになるとは思ってもいないだけに、ハンサムな王子の甘い告白にもビアンカの理性は冷めていた。
むしろ自分を執拗に舐めるように眺める視線にゾッとなる。
図々しいジャコブの言葉に皆がはははと声を出して笑う。
しかし、ただ何も考えずに笑うわけにはいかない。
いくら宮廷恋愛が流行とはいえ、ビアンカの夫、ザカリーが堂々と彼女の隣に座っている状況だ。
ザカリーの顔色を伺う彼らの笑いの片隅がゾッとした。
そんな中で、ザカリーは嵐の雪のように静かにこの事態を見守っている。
何を考えているのか分からない彼の無表情に軽率に口を開いた彼らは、自分が何か失言をしたのではないかと恐れ、口をギュッと閉じた。
少し考えのある人たちは、ジャコブを引き止めるように祈ったりもしている。
「でも王子様、これからは宮廷恋愛より後事を残す結婚に関心をお持ちになってはいかがですか?」
「結婚なんて」
「ですが」
「みんな大人の関係なのに、何が問題なんだい?彼女さえよかったら、私は楽しむだけでもいいね」
ジャコブはむしろ声を高めた。
宮廷恋愛がいくら公然としているとはいえ、このような宴会席で大声で話す言葉ではない。
しかも、30歳を超えた未婚の王族の男なら尚更だ。
老いた国王の眉間がうごめく。
王は言葉に慎重でなければならない。
謝って割り込んでは英雄であるザカリーの心を逆撫でしたり、カスティヤに弱点を掴まれる恐れがある。
王は訳もなく噂話をする次男を不満そうに眺めた。
ビアンカも綺麗だと思うのですが、本人の自己評価が低いようです。
ウィグ子爵とジャコブが好き放題に話している中、ザカリーは何を考えているのでしょうか?




