こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は62話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

62話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 祝杯
ザカリーとビアンカが先頭に、アルノー家が宴会場に入る。
ザカリーの歩みは躊躇なく、威風堂々とした彼の登場に皆の注目が集まった。
セブラン王家の人々は宴会場の真ん中に並んで座っていて、その右側にはセブランの貴族たちが、左側にはカスティヤからの使節団が座っている。
アルノー家の紋章が描かれたタペストリーは、王家のテーブルの最も近い位置に配置されていた。
最高序列の貴族だけが座れる席だが、伯爵で戦争の英雄、そして今回のトーナメントの優勝者だからこそ当然の席配置だろう。
ザカリーの異母兄弟であるウィグ子爵はテーブルの端、入り口近くに座っていた。
ある意味宴会に招待されるほどではあったが、主流社会に加わるには弱い。
ザカリーが中央に行く姿を見るウィグ子爵の瞳は赤く燃えていた。
続々と人々が到着し、一番最後にセブラン王が宴会場のドアを閉めて入ってくる。
王が入場すると宴会場の皆が席を立って王を迎えた。
老いた王は派手な玉座に座り、座中を見回す。
老衰したが揺るぎない威厳が感じられる視線。
皆が静かに息を殺して彼の続く言葉を待った。
「今日の宴会はトーナメントの勝者を称え、私の孫アルベルとカスティヤの王、ガルシアの娘ナバラ王女の婚約による両国の同盟を祝うためなのだから、皆がグラスを持ってこの喜びを分かち合おう」
王の言葉が終わるや否や、ワインを担当する侍従がテーブルを行き来しながら、人々の空のグラスにワインを注いでいく。
皆のグラスにワインが入ると、老いた王はグラスを持ち上げて叫んだ。
「セブランとカスティヤの永遠の友情のために!」
「「ために!」」
皆が祝杯を一緒に叫び、ワインで喉を潤した。
祝杯が終わるやいなや楽士たちが歌を演奏し、侍従たちが次々と食べ物が入った盆を持って宴会場に入ってくる。
パーティーの料理は素晴らしかった。
数多くの食べ物の中で一番際立っているのは、羽毛で飾った白鳥の肉。
真っ白な羽毛で飾られ、まるで生きているように見えたが、くちばしと足に金粉が塗ってあり、その華やかさは凄かった。
些細な場所にも全て金をかけており、食卓の上は煌びやかだ。
海上王国のカスティヤにも貴重な特産物が多く存在するだろうが、金はセブランの特産物。
これほど豪華な式は初めてなのか、カスティヤの使節団は呆気に取られている。
王の食卓の世話を総管理する侍従長が料理を紹介するたびに人々は歓呼した。
宴会が盛り上がるにつれ、楽士たちの演奏もピークに達した。
宴会場の真ん中では、道化師たちが芸を披露し、マジックで雰囲気を盛り上げている。
フェルナンも宴会場にいたが、彼は楽士ではなくマジシャンとしてだ。
特に驚くべきことではなかった。
彼は女性を誘惑する時、マジックのようなもので関心を買い、それはビアンカも同様だったから。
彼はコインを腕から隠して耳から取り出すなどのマジックを披露した。
口に飲み込んだ石の代わりにバラの花を取り出すと、皆が不思議さに歓声を上げる。
ビアンカはただ雰囲気を整えるために手を叩いただけだった。
その姿を見て彼女が本当にマジックを不思議に思っていると勘違いしたザカリーが、ビアンカの耳に囁く。
「マジックに興味があるなら、あなたが退屈な時、私たちの領地に魔術師を呼びましょうか?」
「いいえ、あまり興味がありません」
ビアンカはキッパリと言い切った。
かつての彼女だったら目の前で繰り広げられるマジックに大いに励まされただろうが、今の彼女はマジックが苦手だった。
ビアンカは顔を顰めながら首を傾げる。
そんなビアンカの本音をどう察したのか、フェルナンがマジックで取り出したバラの花を彼女に渡した。
皆がビアンカを羨ましがったが、彼女はただうんざりするだけ。
仕方なくバラを受け取るビアンカにフェルナンが密かにキスを投げた。
ビアンカの表情がギクシャク歪む。
一歩遅れてイメージ管理のために顔に浮かんだ嫌悪を消そうと努力したが、既に手遅れだった。
彼女はイライラしながら、受け取ったバラをテーブルの隅に投げ捨てる。
人々の考えはどうであれ、ザカリーはそんなビアンカの姿を満足そうに見守った。
フェルナンがビアンカにバラを渡しに近づいてきた瞬間から、ザカリーの表情は固くなっていた。
幸いなことに、そもそも無愛想な表情のおかげで、彼の不快感は露骨に現れていないのだが。
しかし、ビアンカが受け取ったバラを投げ捨てるやいなや、ザカリーの口元にそっと微笑が染み込み、結局彼がフェルナンの接近を不快に思ったという本音がそのまま明らかになった。
表情管理が苦手なのは夫婦で似ている。
フェルナンは、その後もビアンカをチラリと見続けていた。
ビアンカがバラを投げたのは照れ隠し、あるいはザカリーの顔色を伺っていると誤解しているのが表情に表れていた。
(一体どんな思考回路をしているの?私が今、夫をそばに置いて、胡散臭い吟遊詩人に関心を持っていると、本当に本気で思っているのかしら?)
ビアンカは舌打ちする。
昨夜、自分を抱きしめたザカリーの硬い体を思い出すと、顔が熱くなった。
もちろん前世の彼女はザカリーを置いて胡散臭い吟遊詩人に関心を与えたが、あの時のことを誰よりも後悔しているのは彼女自身だった。
ビアンカはフェルナンのいる宴会場の真ん中に視線を向けないために、食卓に顔を突っ込んだまま食べ物を口に押し込んだ。
表情管理の苦手な夫婦(笑)
フェルナンのポジティブ思考が凄まじいですね。
自分が嫌われるはずがないという自信があるのでしょう。




