こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は58話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

58話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 心地よい拘束感
ビアンカが小さく呼吸をする。
一度彼女の体を襲った快楽の余震に震えながら、ビアンカは当惑して尋ねた。
「・・・こんなものですか?」
違う。
ビアンカが知っている関係は「こんなもの」ではなかった。
もっと荒れて、乾燥して、目的に忠実な・・・。
そもそもザカリーがここまで情事に詳しいのも意外だ。
舐めるなんて、過去だったら考えられないことだった。
ここまで上手ではなかったと思うが・・・、もしかしたら過去にはビアンカの拒否に試みることさえ考えられなかったのかもしれない。
「正直に言ってもいいですよ。他の女性としたことがあると聞いても怒りませんから」
怒らないと言ったが、怒らないという意味ではない。
情婦の存在に対してゾッとした過去とは違って、今やザカリーが他の女性と絡まっている姿など考えたくもなかった。
人はずる賢い。
変わらぬ彼の過去が、心一つだけで気にならないことから許せないことになってしまうとは。
その一方で、好奇心を殺すことができず、とうとう聞いてしまう自分がおかしかった。
ビアンカも男女関係でこういうことを聞いてはいけないということを知っていたが、本当に信じられなかったのか、思わず質問が飛び出したしまったのだ。
「ビアンカ、私には君しかいない」
ビアンカの質問があまり気に入らなかったのか、ザカリーの眉間に皺が生まれる。
席を立ったザカリーは、ベッドの端にいるビアンカを持ち上げてベッドの真ん中に移動させた。
ビアンカは、さっきより安定的に彼の腕にもたれかかる。
「ただ、戦場を転々としながら多くの話を拾ったんだ。浅はかな知識ではあるが役に立ったようで幸いだ。私の年があなたより少し上なので、あなたに良い経験を感じさせてあげたかったのです」
ビアンカの目が細くなる。
息を切らしながらも見ているビアンカの視線に照らされたザカリーが慎重に付け加えた。
「・・・考えてみると少しではないね」
自ら過ちを認めるザカリーの姿は滑稽だ。
ビアンカは思わず静かに微笑む。
ザカリーは、そのようなビアンカの後ろに並んで横になって彼女を抱きしめた。
固い腕が彼女を身動きできないように締め付ける。
ビアンカを抱きしめた左手が彼女の胸を握りしめた。
ザカリーはビアンカの体香を吸うように首筋に鼻を突っ込み、深く息を吸う。
「他の男たちが女を抱く姿を見て、私はいつも成長したあなたを抱く想像をしました。あなたのここを用心深く開けて・・・、私の淫欲にまだ幼いあなたを投影するなんて、醜悪と言っても構いません。血気溢れる若い頃のことだという理由で了解してくれとも言いません」
ビアンカの体に重なるように置かれた右手が太ももの下に這い込んだ。
さっきは痛かったが、今度は簡単に飲み込まれていく。
「うん・・・」
「ふぅ・・・、ビアンカ。今まであなたが夫であった戦争の英雄という煌びやかな皮をかぶった男の本質はこの程度でしかありません。ガッカリしましたか?不快ですか?しかし、それでもあなたは私の妻です。私はもうあなたを手放すことができない・・・」
「あ、あ、うぅ・・・!」
ザカリーは少し焦って興奮した声で呟いた。
けれど、ビアンカにとっては、不明な騒音のように聞こえるだけ。
余韻が消える前に訪ねてきた、彼女の敏感な部分を彷徨う暴力的な快楽に耐えるだけでも大変だったのだ。
ビアンカが息を吸うたびに、彼女のバラの香りと、ザカリーの肌から漂う蛇の香り、そして生臭い情事の匂いが鼻を刺した。
匂いも、音も、体を巻く悦楽も。
刺激はすべて不明瞭に入り混じって彼女を揺さぶった。
耳元で鳴るザカリーの呻き声と、体から聞こえる淫乱な音にビアンカは体を捻ったが、体が身動きできないように締め付けられ、どこにも逃げられなかった。
「ビアンカ」
ザカリーがビアンカの耳元で囁く。
整えられていない荒い木目のように掠れた声が聞こえるや否や、ビアンカの下腹部が締め付けられるような気がした。
「ごめんなさい。私はもう我慢できないようだ」
そう話すザカリーの表情は、一見平然と見える。
だが、彼女を見つめる瞳にはまだ隠すことができなかった欲望が漂っていて、ビアンカは小さく震えた。
恥ずかしくて逃げたかったが、同時に好奇心が彼女を引き寄せた。
果たして今回も以前のように苦しいのだろうか。
それとも未知の快楽をプレゼントしてくれるのだろうか。
ビアンカの心臓が激しく鼓動し、お腹の奥深くまで震えてきた。
ザカリーのものを受け入れるのは大変だった。
狭い部分に入り込んでくる彼のものに、ビアンカは自ずと苦痛に満ちた呻き声を上げる。
「ああ・・・!」
体が半分に割れるようだった。
月並みの痛みがビアンカを食い荒らしていく。
冷や汗が布団まで濡らした。
「くぅ・・・」
その苦痛は、ザカリーも同様だ。
自分がこのように苦しいのなら、受け取るビアンカはもっと痛いに違いない。
ビアンカを慰めようとするかのように、彼の唇が彼女の両頬と額、まぶた、鼻先、唇を順に行き来した。
「・・・痛くはないですか?」
「あ、いいえ。大丈夫です。ただ・・・」
ビアンカの唇が震えていた。
全然大丈夫ではない様子だ。
その事実を彼女も分かっているのか、面目ない言い訳を付け加える。
「もう少しゆっくり・・・」
ビアンカの要請にザカリーは限界まで耐え、ゆっくりと体を動かした。
しかし、それでもビアンカの苦痛は消えない。
彼女は思わず首を横に振った。
そして下唇を噛み締める。
口を開けば泣き出しそうだったから。
だからといって止めてとは言えなかった。
いつかはしなければならないことであり、この苦痛は今日ではなく明日、来週、来月、来年になるとしても同じなのだから。
一度道を開けておけば、それでも少し耐えられるほどの苦痛になるので、今日だけ我慢すればいい。
ビアンカはそのように自分自身に言い聞かせた。
「ビアンカ、本当にいいのですか?」
ビアンカがまだ苦しんでいる間、ザカリーは体を完全に止めたまま尋ねる。
そんな彼の行動は、ビアンカの望みとは程遠いものだった。
こんな風に私の意思を一つ一つ全て聞くつもりなら、早く終わらせてほしい!
ビアンカは叫びたい気持ちを抑えながら神経質にうなずく。
「でも、ビアンカ・・・」
気の利かないザカリーは、ビアンカの本音を全く見当もつかないまま心配そうに話を続けた。
それを聞きたくなかったビアンカは、腕を広げてザカリーを抱きしめる。
衝動的な行動だったが、結果は満足だった。
彼の強靭な首にしがみつくように抱きしめると、ザカリーの体が硬くなり口が閉ざされたためだ。
ビアンカはその瞬間を逃さなかった。
彼女の小さな唇がザカリーの唇に触れる。
ザカリーは思わず口を開けて、ビアンカの弱い口の中を欲しがった。
「はあ、うん・・・」
舌と舌が行き来し、粘膜が粘膜に擦れるギリギリで、微妙な感じ。
二人は気を取り合って互いを渇望するようにキスをする。
痛みが和らいだことで、二人はますます互いの唇を求めていく。
以前の初めての関係とは比べ物にならなかった。
同じ人だとは信じられないほど、ザカリーの行動は執拗でしつこい。
そしてビアンカは着々と、その手に溶け込んでいく。
「ああ、ああ。ねえ、旦那様・・・」
「ビアンカ」
「し、死にそう・・・。ザカリー・・・」
ビアンカは自分が何と言っているのかも知らないまま、無意識に「旦那様」と「ザカリー」と呼んだ。
その度にザカリーの動きがさらに激しくなり、そうするとビアンカは何も考えられなかった。
黙っていなければならないということも忘れたビアンカの口が荒々しく開く。
おそらく、普段のビアンカがこのような自分を見ればだらしない姿だと非難しただろうが、今の彼女は頭は真っ白な状態だ。
ザカリーはあごを流れる唾液が甘露水のように舐めた。
酔いそうだった。
彼も理性を維持するのが大変だったのだ。
嫉妬も、欲情も。
全てを剥き出しにすれば、ビアンカが怖がって避けられるかもしれない。
しかし、種馬のように勝手に暴れる欲望を自制するのは容易なことではなかった。
頭にピカピカと花火が飛び、全身が火鉢に投げ込まれた石ころのように燃え上がる。
「くぅ・・・!」
ザカリーは歯を食いしばって呻き声を上げた。
ビアンカの体をしっかりと掴んで、彼女にあらゆる欲情を注ぐ。
ザカリーは彼女の体を抱きしめた。
強くて固い体に抱かれると身動きが取れなかった。
心地よい拘束感。
他人と素肌を、それも汗びっしょりになった素肌を合わせるのが気持ちいいと思ったこともないのに。
今更の事実に気づいたビアンカは、焦点がぼやけた目をゆっくりと瞬かせた。
痛かったのではないかと聞かれたら首を横に振っただろうが、覚悟したほどではない。
過去には身震いした記憶。
けれど、今や彼らの関係は後継者を獲得するための不可欠な行為ではなかった。
少なくともビアンカにとっては。




