こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は57話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

57話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 嫉妬と愛
ビアンカはザカリーの言葉を理解できなかった。
彼女の記憶の中の最初の行為は闇の中で行われたからだ。
そして今はあの時と違う。
蝋燭の微弱な光、少しでも交わす対話。
他人からは大したことではないと言える些細な違いだったが、ビアンカにはそのギャップがあまりにも大きかった。
一体彼に何の変化が生じたのだろうか。
考えてみれば、今までビアンカが誘ったにもかかわらず、聞いたふりもしなかったザカリーだ。
彼の背中を震わせたのは果たして何なのだろうか?
トーナメントの熱気?
ビアンカが渡したレースのハンカチ?
それはどちらも正解だった。
ザカリーの突発行動は、彼が今まで抑えてきた嫉妬が限界に達すると同時に、これ以上無視できないほど胸がいっぱいになった愛のため。
けれど、嫉妬と愛、その両方ともビアンカの予想の中には存在しなかった。
嫉妬と愛が、両方とも今のザカリーの心の中だけに渦巻いているわけではない。
ビアンカが戻る前のザカリーの心の中にも、それらは明らかに存在していたのだから。
しかし、回帰前のザカリーがビアンカに与えられたのは冷遇だけ。
まともに対話をしてもいないのでお互いの本音を知らなかったし、実際に対話をするとしても当時のビアンカが持つ根強い敵対感に弾け出されていただろう。
それでザカリーは口を固く閉じてビアンカの周辺をうろつき、仕方ない瞬間にだけ近づくことでビアンカに対する配慮に代わったのだ。
もちろん、ビアンカの拒絶が怖かったからでもあるのだが。
その時のザカリーはいないので、ビアンカがその事実を確認する方法はない。
ただ、ザカリーの本心を全く見当もつかないまま、空振りの推測を続けるだけだった。
率直に言って、ビアンカは本当にその答えを知るために推測しているわけではない。
わざわざ他の所に集中して今の状況の負担感を一瞬でも忘れるためだったが、ビアンカの考えはそんなに長く続かなかった。
ザカリーが動くたびに、彼女の感覚は全て彼に向けられたから。
結局、知らないふりをしようとした試みは水の泡に。
「ビアンカ、君は小鳥のようだ」
ベッドに上がったザカリーがビアンカの首筋の後ろを軽く握り、親指で彼女の頬を撫でた。
どれだけ力を入れてもいいのか把握できない生半可な手振りで。
「少しでも力を入れたら怪我をしそうだから」
ビアンカは布団をさらに引き寄せて胸元を覆い、呟くように答えた。
「・・・ガッカリするでしょう」
「そんなことはない」
ザカリーは厳しいほどキッパリと告げて、ビアンカに身を傾ける。
ビアンカの後ろ首を掴んだまま彼女をベッドの上で注意深く寝かし、その上に倒れるように重なった。
布団は動きに押されて消え、肉と肉が触れ合う。
最初は唇から始まった。
鳥が餌をつつくような軽いキスは、ビアンカの鎖骨を通って胸に向かう。
彼女は失望すると言ったが、白い桃のように綺麗な胸は失望とは程遠い。
「あ・・・」
ビアンカは思わずため息をついた。
ザカリーの手は絶えず動いている。
彼は正道に近いほど段階を踏んでいた。
過去にも彼は過度にビアンカに触れていたが、その時はナメクジが這うような気分で身震いしていたが・・・。
過去には鳥肌が立った感覚が、今は微妙な熱気になって彼女の体に痕跡を残している。
脊髄の先から痺れた気分になり、下腹部の深い部分が疼く。
熱くなる体をどうすればいいのか分からなかったビアンカは、焦りながら布団を握りしめた。
いつの間にか、ビアンカの足の片方がザカリーの太ももの上に乗せられていた。
彼の手が肌を吟味しように太ももを揉み、開いた足の隙間の狭いところに指を伸ばした。
「あ・・・!」
一度も入ってきたことのない部分に食い込む指は、まるで身を斬る刃のよう。
鋭い苦痛にビアンカがそっと悲鳴を上げると、食い込んできたザカリーの指が止まった。
彼はすぐにビアンカの内側から手を引いてベッドの下に降りる。
突拍子もない突然の彼の動きに慌てたビアンカが上半身を起こそうとしたが、そうするや否や、彼女の体が下にグッと引っ張られた。
ビアンカが事態を把握しようと首を傾げた時は、床に降りたザカリーが彼女の足の間に座った後のことだ。
「ち、ちょっと・・・。そんな所はダメよ・・・」
「ダメな理由がない」
「汚いじゃないですか!」
「あなたが汚いはずがない」
「いや、普通そんな所は・・・、あ、ちょっと・・・」
ザカリーは、ビアンカの反論が理解できないかのようにぼんやりとした表情で問い返した。
天然なのか、何が問題なのか理解できないザカリーの姿に慌てたビアンカが、彼を止めるために彼の顔に手を伸ばす。
けれど、ザカリーの行動の方が早かった。
「下女たちに教わったんじゃないのか?元々ここは男が舐める場所だって」
図々しいザカリーの言葉にビアンカは嘘だと叫びたかったが、彼女の口をこじ開けるのは濡れた鼻音だけ。
その姿を見ることができなかったビアンカは、手のひらで自分の顔を隠した。
けれど、視野が遮られて残ったのは耳元に響く乱雑な音だけ。
ザカリーは、一歩遅れてビアンカが顔を覆っていることに気づく。
彼は手を伸ばして彼女の手を引っ張った。
「隠さないで」
「恥ずかしいのです」
「恥ずかしがらないで」
「どうしてそうなるんですか」
この状況で恥ずかしがるなというザカリーの主張は、子供が駄々をこねることに近い。
駄々をこねるなんて!
ザカリーに全く似合わない表現だった。
自分が考え出した表現とザカリー本人の間のギャップがおかしかったビアンカは思わず笑い出してしまうが、すぐにそれは鋭い悲鳴に変わる。
ザカリーがそっと噛んだからだ。
彼の舌先が戯れるたびに、抑えきれない熱気がビアンカの全身に広がっていく。
ビアンカの体は、彼女より素直で純真だった。
魚のようにもがく。
これ以上耐えられなかった。
何から離れたいのかも分からない。
ただ、自分の体に波のように押し寄せる見知らぬ未知の感覚が怖いだけだった。
ビアンカは、これが快楽であることを本能的に悟った。
過去に一度も感じたことのない絶頂。
過去の最初の経験は、まるで獣に食われたような気分だった。
どんなに恐ろしかったのか、その時の記憶は未だにビアンカにとって悪夢として残っている。
しかし、今は別の意味でザカリーに食べられていた。
いくら相手によって反応が変わるとはいえ、ザカリーの心を開いたことが、これだけ違いのある意味を出すのだろうか?
信じられないほどのビアンカは、苦労しながら呻き声を抑える。
自分の体が不慣れだった。
勝手に反応する体と抑えきれない声。
まるで自分じゃないような・・・。
もう経験したし、十分覚悟もしたと思ったが、こんなのはおかしい。
ビアンカは、ザカリーとの行為で感じるのが怖かった。
このまま理性を捨ててしまったら、自分は果たしてどんな姿になってしまうのだろうか。
彼の前で醜態を見せてしまうのではないかと恥ずかしかったビアンカは、快楽から抜け出そうと必死にもがく。
しかし、ザカリーはびくともしなかった。
ビアンカがもがきながら彼の背中を叩いても変わらない。
「ああ・・・!」
強烈な刺激に結局、ビアンカは押し寄せる津波を前に無力に立っているように、避けられない快楽の波に溺れた。




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