こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は49話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

49話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 省略された優しさ
ザカリーとジャコブの結果は凄惨だった。
相手が王子だという事実も忘れたのか、ザカリーがジャコブを地面に叩きつけたためだ。
2度試合する必要もない、目に見える完璧な敗北。
いくらゴティエとり大切ではないといえ、ジャコブも王の子だ。
息子が堂々と翻弄されたという事実に、王の機嫌が少し悪くなる。
息子の体面だけでなく、自分の体面も地面に叩きつけられる行為だった。
もし、ザカリーが王の体面を考えていたのなら、少しでも穏便な方法で勝利したはずなのに・・・。
王は不満そうに、舌打ちをした。
王のそばにいたゴティエは、王の不快感にすぐに気づく。
ゴティエは王をなだめるようにザカリーを持ち上げて味方した。
「やっぱりアルノー伯爵は凄い騎士ですね。彼がいたらカスティーヤとの試合は決して負けるはずがないでしょう」
「しかし、あえてああまで叩きつける必要があるのか?ジャコブも王子だ。王族を蔑視することは、すなわち私を見くびったことではないだろうか?」
「騎士たちの戦いです。むしろアルノー伯爵がああまでしたということは、アルノー伯爵がジャコブを認めたからではないのですか?元々、猛獣は相手を選り分けながら相手をする者ですから」
「ふむ・・・」
王は沈重に呻き声を上げる。
ゴティエの言葉はもっともらしいが、すぐに寂しさを和らげることはできなかった。
ゴティエは何度もザカリーを庇う。
「アルノー伯爵がどれほど忠誠を尽くしているかご存じではないですか。父方の命なら、どんな険しい戦場にも出て勝利をもたらしたそうです」
「そうだな。今回は私が参加しろと命じたので参加したが、もともとトーナメントなどには関心を持つ人でもない。ゴティエ、アルノー伯爵は君の人だからすぐに気遣うのだね」
「私の人だなんて。彼は父の忠実な家臣です」
大事にしている長男が口の中の舌のように振る舞ってくれると、悪い気分もスルスルと解けた。
説得された国王はニッコリ笑い、一瞬鋭かった雰囲気も崩れていく。
勝利したザカリーがビアンカに近づいた。
ソヴールはニッコリと笑いながら、こっそりと席を外す。
近くでビアンカをじっと眺めていたザカリーが心配そうに話しかけてきた。
「疲れて見えるけど」
「昨日寝返りを打ったからです」
「本当に?」
「・・・悪夢を見て」
ビアンカは辛うじて答える。
どこかから飛んできた矢によって、今彼女の目の前にいるザカリーの体が今にも崩れそうだった。
意味のない夢だ。
ザカリーが弓に当たって死んだという悲報を受けたが、それが本当なのかビアンカは知らない。
遺体を確認しなかったからだ。
少しでも彼に関心を持っていればよかったのに。
ビアンカは笑いながら不安を隠した。
「不安だったようです」
嘘ではなかったにもかかわらず、まるで嘘のように感じられた。
不審なことが多い答えだったはずなのに、ザカリーは問い詰めない。
代わりにバラを渡しながら軽く話しかける。
「私もすぐに勝利して帰るから、もう少し我慢してくれ」
そう言ったザカリーは、ビアンカがバラを受け取った手を引き締める前に馬の頭を向けた。
ビアンカは、ぼんやりとザカリーの後ろ姿を眺める。
気を遣ってくれたのかな?
普通の人が言う優しさと比べると、ザカリーの優しさは多くが省略された感じだった。
優しい声も、優しい態度も、明るい笑顔も。
ビアンカが回帰するまで、ザカリーが自分に好意を寄せていることを自覚することもできないほどに。
年を取って周りをもっと広く見て、初めて彼の本心が分かった。
隠された彼の優しい態度は果たして私にとって毒なのか、それとも蜜なのか・・・。
回帰前よりもう少し広く見られるようになったが、だからといって遠くまで見られるわけではない。
蓄積された偏見。
生半可に分かってしまった現実。
そのため、ザカリーの無愛想な優しさが、自分の未来に肯定的なのか否定的なのか分からないということを恐れ、目を閉じて耳を塞いだまま、その場に座り込んだ。
足を踏み入れたとき、自分が崖の下に落ちないという確信はどこにあるのだろうか?
未知の未来に対する好奇心の代わりに占めたのは、まだに恐怖だった。
17歳で抱えるには、過度に厭世的で希望のない事故。
それとは別に、時は流れていく。
最後の試合が始まったのだ。
戦闘の興奮に捉われた女性たちは皆、大声でザカリーの名前を叫んだ。
耳元で鳴る鋭い夫の名前に、ビアンカの気持ちはすぐに冷めてしまう。
どれほど多くの歓声に狂気が乗っているのか、そばにいたソヴールが舌を巻くほどだった。
「やっぱりうちの伯爵様は、人気が高いのですね」
「・・・」
「でも伯爵様は全く気にしていないんですよ。とにかく生真面目ですから」
ソヴールはそう言って舌打ちする。
こんなにうるさい中でもザカリーは静かだった。
おそらく、周りの喧騒などは彼に何の関わりもなく届かない声だろう。
でも、もしここでビアンカがザカリーを呼んだとしたら・・・?
ソヴールはニッコリ笑いながら囁く。
「ご存じですか、奥様?一昨年だったかな?私たちが伯爵様に情婦でも買って心の慰めを得てくださいと言ったんですよ。正直そうじゃないですか。伯爵様は真っ最中のお年頃で、奥様は幼い上に・・・」
意地悪ですから。
ソヴールが飲み込んだ後の言葉が、まるで口から出てきたかのように生々しく聞こえた。
突然のソヴールの言葉にビアンカは驚いていない。
ビアンカも当然、ザカリーに情婦がいると推測していたのだから。
ただ、ソヴールがどんな意図でこのような話を切り出したのか気になった。
彼の言葉はかなり無神経だろう。
そんなビアンカの態度に、ソヴールは苦笑いする。
「奥様は驚かないのですね。期待していなかったからでしょうか?それとも・・・」
「・・・」
「・・・まあ、結果だけ言えば・・・、伯爵様は私たちの提案を断りました。そして、狂ったことを言うのは止めろと怒られました。その時、伯爵様は本当に殺伐としていて。むしろ戦場に戻りたい気持ちでした」
ザカリーに情婦がいないことは、既に彼から直接聞いていた。
しかし、周辺の人々が丈夫を提案したにもかかわらず、そうしなかったことは意外だ。
その話を聞いた瞬間、ビアンカの胸から何かがドッと溢れ出るような気がして、ぐつぐつとした塊が生まれた。
血の塊のようにしつこい感覚が心臓から離れない。
ビアンカとソヴールの目が合う。
彼は動揺することなくビアンカを凝視した。
彼女は思わず呆然としていたが、後になって気がつく。
部下の彼が自分の気に障るような話をあえて持ち出したのには理由があるのだろう。
ソヴールは、一体何のためにこんな話をしたのだろうか?
けれど、ビアンカはどうしても聞けなかった。




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