こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は42話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

42話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ザカリー・ド・アルノー②
馬の頭を向けたジャコブが競技場を抜けていく途中、ザカリーと目が合う。
ジャコブの兜は開いていて、そのおかげでザカリーは彼の顔に浮かんだ感情をそのまま読むことができた。
喜悦感、優越感、そして防げるのならば防いでみろという挑発。
ジャコブは肩をすくめるように低く笑い、ザカリーの反対側に馬を走らせて消えた。
ザカリーは静かに、彼が姿を消した後ろ姿をじっと見つめる。
さっきのビアンカが観客席に戻る時とは違って、好意が一切ない敵対感と怒りに満ちた視線で。
しかし、ジャコブが最後ではなかった。
ジャコブが消え、習慣的に視線をビアンカに移したザカリーが見たのは、彼女の周辺をうろつく吟遊詩人の姿。
兜の中のザカリーの表情は、言葉では言い表せないほど歪んでいた。
(あれは誰だ?)
キラキラした外見。
上気した顔でビアンカの顔色を伺う男の意図は明らかだ。
メスに求婚する馬のように、自分の妻に向かって大げさな身振りをする男が潔白に見えるはずがない。
直前にザカリーの心の中にジャコブが大きな火種を投げつけただけに、彼の心はとても燃え上がっていた。
ザカリーはビアンカと男たちの間を誤解しているわけではない。
夫である自分の口で話すと傷をつけるようだが、率直に言ってビアンカは表情を隠すのに長けた人ではない。
好き嫌いにおいては特に。
それを直接経験しているので誰よりもよく知っている。
彼女が今まで出会った男たちを不快に思っていることは、彼女の顔にハッキリと表れていた。
しかし、だからと言って彼女の周りをうろついている小蝿がザカリーの気に障らないという訳ではない。
さらに、小蝿は1匹、2匹と増えているのだから!
今すぐ目の前に見えるハエが面倒でイライラしたが、本当に自分を焦らせるのは少し遠い未来のことだろう。
今はビアンカが男に関心がなくて彼らを敬遠しているが、いつまでそうするのかは分からない。
後日、ビアンカが義務的な夫である自分よりもっと好みの合う、会話ができる他の男と恋愛したいなら・・・。
ザカリーは首が絞められるような気分になり、意図的に考えを止めた。
ビアンカに貰ったハンカチで、失われた自信が取り戻され、モヤモヤしていた感情があっという間に消えていく。
「お待ちいただきありがとうございます、皆さま。今日のトーナメントの最後!セブランの英雄、鉄血の伯爵、戦場の狼、ザカリー・ド・アルノー伯爵です!」
観衆は息を殺してザカリーに集中した。
しばらく感情の起伏が激しく上下する瞬間、大衆の視線に露出される。
四方から取り囲む鎧の硬さにもかかわらず、ザカリーは自分が道化師になった気分だった。
空を黒く埋めた矢雨のような無数の視線の中で、ビアンカのまっすぐな視線が点火する炎矢のように、空の啓示を伝える神の伝令のようにザカリーに突き刺さる。
ビアンカは隣の男から自分を救ってというように、哀れな表情で自分を見つめていた・・・。
その瞬間、ザカリーの心が恐ろしく沸き起こる。
騎士道も何もかもすぐに目の前の騎士をそのまま床に叩きつけた後、ビアンカに駆けつけたい心情だったが、彼は努めて平静を保ちながら深呼吸をした。
ザカリーが手を伸ばすと、数年間共にしてきた従者たちがすぐの槍を持たせる。
従者2人が辛うじて持ち運んでいた槍がザカリーの手に渡ると、まるで木の枝のように軽く見えた。
ザカリーは士気を高めるための戦場の習慣に従って、空を突くように高く槍を持ち上げる。
観客全員が歓呼し、ザカリーの相手であるカスティヤの騎士は緊張と恐怖に唾をごくりと飲み込んだ。
だが、彼はアルノー卿の相手になれる光栄を捨てたくなかった。
決意に満ちた彼は槍をしっかりと握りしめる。
一切の揺るぎない安定感は、槍とザカリー、そして馬まで渾然一体となっていた。
トーナメントに参戦する2人の騎士は徐々に馬を駆り、分離帯の両端に立つ。
300メートルの距離を一気に走破した彼らの槍が交錯した。
木が折れる音がひときわ激しく響き渡る。
勝者は当然のことながらザカリーだった。
力がどれほど強かったのか、一気に盾を壊しただけでは足りず、相手の騎士がそのまま地面に落ちるほどだ。
圧倒的な実力差に、場内がしんと静まる。
しかし、まもなく人々がアルノーを連呼し始めた。
カスティーヤの騎士に対して完璧な勝利を収めたことがどんなに嬉しかったのか、老いた王は年齢も忘れたまま飛び上がって手を叩いている。
耳鳴りがしそうな歓呼の中で、ザカリーは胸元のバラを渡す唯一の相手に向かって淡々と馬を走らせた。
乾燥するほど節度のある行動は、禁欲的に感じられるほどで貴婦人たちの心臓をドキドキさせたが、ザカリーの頭の中は真っ白だった。




