こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は203話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

203話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 神の意思③
ビアンカが胎教しながら悠々自適な時間を過ごしていた渦中、法王庁から書簡が送られてきた。
そういえばフランシスが枢機卿になったと聞いている。
平凡な挨拶だと思っていたビアンカは手紙を手にした。
しかし、手紙を封印した印章は法王の印章。
ビックリしたビアンカは印章を2回、3回確認したが、法王の印章はそのままだ。
ビアンカは慎重に手紙を開ける。
手紙の内容に集中するビアンカの眉間が少しずつ顰めっ面になっていく。
ザカリーはビアンカのそばに座った。
彼女の顔をもう一度でも多く見るために手紙を口実に、ヴァンサンの代わりに訪ねてきたところだ。
ビアンカの雰囲気が尋常でないと知り、ザカリーはそれとなく尋ねる。
「なんと書いてありますか?」
「アルノー領地を大司教区に任命するという内容で、大司教を派遣するそうです。別に供物の量が変わるわけでもなく、領地に干渉することもないのですが・・・」
「それなら両手を挙げて歓迎だ」
ザカリーは肩をすくめた。
大司教区でありながら供物の責任がないということは、アルノー領地にとって大変お得な提案だ。
しかし、ビアンカの表情は簡単には解けなかった。
それだけではない。
手紙が破れるほど彼女の視線は一つに釘付けになっており、手紙を握った手は震えていた。
ザカリーは手紙の内容が大司教区に関するものだけではないことに気づく。
法王が一体何と言ったのか・・・、彼はもう一度慎重に尋ねた。
「ビアンカ、あなたの心に逆らう内容が書いてあるのですか?」
「神の意思が叶うと・・・、奇跡が起こると・・・。あなたが生きているから、どんな奇跡が起こったのかと」
ビアンカは吃りながら言った。
彼女は酷くショックを受けた表情だ。
それもそのはず、ビアンカは奇跡のようなものは見たこともなかったからだ。
強いて言えば今度の戦争で彼女の周りの人たちが大きな怪我をしなかったことくらいが奇跡というか・・・。
ジャコブを殺して戦争に勝ち、ザカリーは助かった。
すべてが解決したと思ったが、そうではないということを知ると目の前が真っ暗になる。
ザカリーも状況を理解し、彼の顔もまた戸惑いに染まった。
「奇跡はなかったじゃないですか」
「はい、ありませんでした。別に、何も・・・」
「それじゃあ、まだ神の意思が叶っていないという意味でしょうか?」
「どうしましょう?」
ビアンカの顔が泣きべそに歪む。
妊娠後、無理にでも食べるようになったおかげで、血色よく上がってきた頬が冷たくなった。
ビアンカは途方に暮れて戦々恐々とする。
「ザカリー。もし、あなたにまた命の脅威が生じるのなら・・・」
ビアンカの頭の中にあらゆる不安な想像が浮かんだ。
胎教するために最大限肯定的な考えだけを努力しようとしたが、ザカリーが突然王に呼ばれた時もそうだし、心を楽にすることはなかなか容易ではない。
「再びアラゴンが侵略するのでしょうか?それとも内戦でも起こるのではないでしょうか?」
「ビアンカ、ビアンカ、落ち着け」
ザカリーは急いで席から立ち上がり、ビアンカのそばに近づいた。
彼女の顔は青褪めていて、あごが震えるほど怯えていた。
ザカリーはビアンカの肩を引き寄せ、腕の中に抱いた。
彼の大きな手はビアンカの肩と背中を撫で続け、彼女を落ち着かせようとする。
「そんなはずがない。心配しないでください」
「でも・・・」
「私はあなたが子供を産むまで領地を一歩も出ない。それで何も起きないはずです。あまり心配しないでください」
叙任式をはじめとする急用は大体すべて処理されたので、他の細かい仕事は部族長たちを送って処理すればいいだろう。
辺境の侵略問題は問題ではあるが・・・。
続く戦争の後遺症でアラゴンでも損害が甚大であり、彼らと内通していたジャコブも死んだ。
アラゴンも近日中に気軽に軍隊を立ち上げることはできないだろう。
たとえ自分が参加しなければならない大変なことが起きたとしても、領地を離れないという決心は同じだった。
領地が侵略され、妊娠したビアンカが危険な状況の中にそのまま投げ出されたら・・・。
今回の戦争で胸がドキドキしたのはビアンカだけではない。
ザカリーは断固たる口調で彼女を説得した。
「聖人の義務や神の啓示は、子供を産むまでしばらく忘れてください。もし今子供に何かあれば、あなたはまた大変なことになる。私にはそれほど恐ろしいことはありません」
気苦労で体に負担があれば大変だ。
ザカリーはビアンカに何か起こるのではないかと戦々恐々と彼女を慰めた。
その慰めはほとんど哀願に近い。
「もうすぐイボンヌの結婚式です。めでたくて良いことばかり考えましょう。ね?」
「分かりました。約束を守ってくださいね」
「私だけを信じてください。ザカリー・ド・アルノーは、一度口にした言葉は必ず守る男ではないですか」
「何ですか、それ」
らしくないように声を上げて大言壮語するのが相当焦っていると思い、ビアンカはニヤリと笑う。
ザカリーと話しながら興奮もだいぶ収まったし、頭も落ち着いた。
まさか神様がザカリーの命をビアンカ一人で守ることを望んでいるのではなく、何か違うものを望んでいるのではないかと思った。
それが何なのか全然分からないけど。
既に夢の中の人生とは多くのことが変わった。
このまま行けば、神の意思に達する日が来るかもしれない。
ただし、それがいつなのか分からないだけだ。
その時だけを首を長くして待ちながら些細なこと一つ一つに一喜一憂するよりは、ただのんびり過ごす方が遥かに良い。
以前より余裕ができたビアンカは、ゆっくりと頷いた。
「そうですね。私たちは、良いことばかり考えましょう」
戦争に勝利して、周りの大切な人たちが死ななかっただけでも奇跡だと思うのですが・・・。
思ったよりも深刻にビアンカが思いつめなくてホッとしました。





