こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は190話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

190話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 長く険しい冬の終わり
「本当に死んだと思ったじゃないですか・・・」
「すまない。何も弁解することができない」
ザカリーが重ねて謝罪する。
ビアンカはチラリと顔を上げ、彼を見上げた。
ビアンカは戦争をしたのは一ヶ月半だが、ザカリーは三ヶ月間戦場を転々としている。
荒れた頬と乱れた髪、そして疲れた目つき。
あなたも、私も大変だったんだね。
でも勝ち抜いて今この場にいるんだ・・・。
あれほど壮絶だったのに、いざ終わってみると湖心淡々な気分だった。
ビアンカは大したことのないかのように単調な声で呟く。
「死にそうでした」
「え?」
ザカリーの顔が一瞬で固まった。
彼は自分が聴き間違えたのだと考える。
ビアンカが死ぬなんて・・・、自分が戦場にあまりにも長くいて死ぬという言葉に慣れたに違いない。
それでこんな幻聴を聞いてしまうのだ・・・。
しかし、ビアンカはもう一度楔を刺した。
「あなたが死んだので・・・、私も死のうとしました」
「やめてください」
ザカリーは断固として言った。
ビアンカの自殺なんて、考えるだけでも恐ろしいことだ。
彼は切迫した表情でビアンカを説得する。
「二度とそんなことを考えないでください。分かりましたか?あなたがそんな考えをすれば、私は・・・」
彼はビアンカにそうしないと言う確答を受けてこそ安心できるように再度哀願した。
それほど彼は必死だったのだ。
ザカリーが焦っているのとは違って、ビアンカは余裕があった。
柔らかな笑みを浮かべた彼女は、ニコニコ笑って囁くように話す。
「だけど、あなたは私を死ぬこともできないようにしましたよね」
「?」
「妊娠しました」
ビアンカの顔が華やかに咲き誇る。
満開の花のように笑う彼女の顔のどこかに、ついにやり遂げたという勝利感さえ潜んでいた。
一方、ザカリーは青天の霹靂のような言葉に呆然となる。
彼にはあまりにも突然で衝撃的なことだった。
考えたこともない・・・。
ザカリーが簡単に考えを整理できていないように見えると、ビアンカは彼の理解を助けようとするかのように状況をもう少し詳しく覆した。
事実上、催促に近い。
「あの日、子供ができました」
「ああ・・・」
ザカリーは依然として現実を認識するのが難しかった。
あの日とは、自分が出場する直前の夜に違いない。
避妊していない唯一の日だったから。
実際に妊娠したのを見ると、言葉では言い表せられない気持ちに捕らえられる。
依然としてビアンカは小さく、幼くて自分が性急な決定をしたのではないかという後悔が彼を揺るがした。
反面、ビアンカと自分の子供だなんて、胸がドキドキしてくる。
息子か、娘か。
ビアンカに似てたらいいのに・・・。
楽しみだし、ビアンカの体が心配だし。
色々と混乱している時、ザカリーはビアンカの後ろで大人しくしているクリーム色の馬を見つけた。
それと同時に、さっきビアンカが馬に乗って走ってきた不安な姿も相次いで浮かび上がる。
顔が真っ青になったザカリーは慌てながら叫んだ。
「それじゃあ妊娠した体で馬に乗ったのか?何かあったらどうするんだ!」
「戦争にも耐えた子ですもの。これくらいは大丈夫です」
ビアンカは平然としていた。
本当に大丈夫だと信じているのか、そんな彼女の姿にザカリーの顔が真っ赤になる。
その時、遠くから遅れて走ってくるヴァンサンとガスパルの姿が見えた。
彼らの労苦を慰めることも大事だが、今は目の前の状況にしか集中できない。
ザカリーは首に青筋が立つほどカッと叫んだ。
「私が大丈夫じゃない。ヴァンサン!どうして夫人を馬に乗らせた!」
ザカリーの叱責に、罪のないヴァンサンの顔が泣きそうに笑うように奇妙に歪む。
しばらくして心を落ち着かせたザカリーは、ビアンカを眺めながら無愛想に話し出した。
「ありがとう」
固い口調とは違って、ビアンカに向かう彼の目つきと手は、優しさこの上なかった。
「死なずに生きてくれて。私を待っていてくれて」
「こちらこそありがとう」
ビアンカはザカリーの腰に腕を巻く。
鎧を着た固い腰は、ビアンカの腕で巻ききれないほど厚かった。
ザカリーの黒いマントが彼女の体を包み込む。
世の中のあらゆる波を取り払うように。
ビアンカはザカリーの胸に頭を傾けながら囁いた。
「死なずに生きてくれて。戻ってきてくれて」
二人の後ろで暗雲が散り、太陽が平野を照らしていく。
雪がだんだんと溶けて、露わになった土地をこじ開けて新芽が芽を出した。
長い冬が終わり、ついに春が到来する。
とりわけ長く険しい冬の終わりだった。
ザカリーが一番子供を溺愛しそうな気がします笑。
長かった戦争もようやく終わり、後は事後処理ですね。





