こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は179話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

179話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 正しい道③
ビアンカは熱に苦しんだ。
一晩中苦しさで寝返りを打つが、むしろこの苦痛が嬉しかった。
体が苦しい中では何も考えられないから。
少なくとも心だけは安らかだった。
ビアンカが完全に目を覚ましたのは真夜中。
彼女の耳元で聞こえてくる騒ぎが、まだ戦争中であることを悟らせる。
部屋の中には彼女一人だけ。
ベッドから起き上がりたいが、指一本動かせないほど体が重たい。
ビアンカはぼんやりと天井を見上げる。
十数年間見てきた部屋の天井が、今日に限って見慣れないものだった。
ビアンカの部屋に月明かりが吹き込む。
理性が水面に浮上するやいなや、数えきれないほど多くの感情の波紋が津波のように押し寄せてきた。
ビアンカはまだ信じられなかった。
ザカリーが死んだなんて・・・。
私は聖人じゃなかったの?
私が何を間違えたから彼が死んだの?
私はもっと何をすべきだったの?
ビアンカは自分が今までしてきたことを噛み締め、また噛み締めた。
そのように努力したが、結局自分はジャコブの魔手からザカリーを救い出せなかった。
聖騎士団も王族との縁も、全て無駄な足掻きだった。
虚脱な無気力が彼女を侵食していく。
「もう私は・・・、何をすればいいんだろう」
ビアンカはぼんやりと天井を見つめながら考えた。
ジャコブは自分の安全を約束したが、それに従うつもりはない。
そもそも考慮の対象でもなかった。
かえって彼の首を切ることができれば、悪魔に魂を売ることもできるだろう。
彼女が見た未来とは裏腹に、今は彼女をアルノーの領地から追い出す名分がない。
執事であるヴァンサンもビアンカを裏切るつもりはなく、ザカリーの遺言状の存在も知っている。
まだ父親とジョアサンも生きており、王女のオデリーとも親交がある。
心を開くようになった友人カトリーヌもいるから、たとえアルノー領地から追い出されたとしても、以前のように修道院で冷たい寒さの中で震えるような悲惨な人生を送らなくてもいいだろう・・・。
ビアンカは前向きに考えようと努力した。
しかし、彼女が逃してしまったザカリーとの未来がしきりに思い出される。
ザカリーと彼の子供を育てながら一緒に生きていく人生は幸せだったのだろう。
いつからだっただろうか、彼女が描いた未来にはいつもザカリーが共にしていた。
「はあ、はは・・・」
ビアンカは笑う。
噴き出す笑いは、笑いというよりは乾燥した涙に近い。
胸が締め付けられるほどの苦痛。
ビアンカは今にも声を出して嗚咽したい気持ちを歯を食いしばって堪えた。
もう疲れた。
すべてを手放したい。
未来も何も、何の意味もないのだから・・・。
しかし、ビアンカにはまだやるべきことが残っていた。
戦争はまだ進行中であり、ザカリーが死んだので、ジャコブはさらに戦争を諦めないだろう。
長くて退屈な戦争になるはず。
しかし、ビアンカは戦わなければならず、勝たなければならなかった。
そうして持ち堪えてザカリーの葬儀を行わなければならない。
領主の葬儀を行うのは領主夫人の義務。
彼女でなければザカリーの葬儀さえまともに行うことができないままセブランのどこかで葬られることになるだろう。
彼の勇敢な戦績を讃える碑石さえなく、寂しく・・・。
夢の中で見たザカリーは死んだ後どうなったのだろうか。
その時になってようやくビアンカは、自分が過去にザカリーの死体がどうなったのかさえ知らなかったという事実に気づいた。
過去の彼女はそんなに残酷で無関心な女性だった。
今世ではそんなことはできない。
『あなたはいつも私の妻でした、ビアンカ。私が愛することができる相手はあなただけで、私が愛した相手もあなただけだ。私があなたを愛しているのでなければ、誰も愛を知らないでしょう』
「私も同じです、ザカリー・・・。私はいつもあなたの妻でした。それはこれからも変わりません」
ビアンカは小さく微笑んで独り言を呟く。
薄緑色の瞳は生気を失って死んでいたが、今は最後の発現でもあるかのように輝いている。
今度だけは恥ずかしい人にはならない。
堂々と、堂々と・・・。
そのように、自分がやり遂げなければならない最後の任務と義務、すべてを終えたら・・・。
ビアンカは微笑んだ。
今世はきちんと結婚商売をしてみようと思う。
持参金もきちんと返してもらえないまま追い出されるのではなく、ザカリーが死んだ後も何とか持参金をたくさん持って再婚しようと。
あるいは立派なアルノー家の後継者を産んで自分の権利をすべて享受しようと。
前のように悲惨で悲しい最後を過ごすのではなく、利己的で贅沢に生きようと・・・。
しかし、彼にこれほど夢中になってしまうとは思わなかった。
手中に残っているもの全てを捨ててしまいたいほどに。
「ああ、今世の結婚商売はすっかり滅びてしまったわ」
ビアンカは自嘲した。
すぐにでもヒラヒラと飛んでザカリーのところへ行きそうな、痛々しい笑みで。
絶望に陥っていたビアンカですが、何とか持ち直しました。
ザカリーが本当に死んだのか確証がありませんので、ビアンカには頑張って欲しいです!





