こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

173話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 防衛戦③
侍女のために命をかける主人。
以前のビアンカが聞いていたら、「あり得ない」と鼻を鳴らしたはずだ。
彼女本人がこうするとは夢にも思わなかったから。
しかし、ビアンカはイボンヌの死をそのまま見過ごすわけにはいかなかった。
彼女は歪んだ表情で手を伸ばす。
少しでも引っ張ることができれば。
「イボンヌ!」
まだ状況を把握していないイボンヌがぼんやりと振り返った。
ビアンカは歯を食いしばってイボンヌの手を引っ張る。
彼女より指半分ほど大きいイボンヌの体がフラフラしながらビアンカに向かって傾く。
しかし遅すぎた。
空を眺めるビアンカの頬の上に小さな石片が飛んだ。
ゆっくりと飛んでくる石ころは、正確に彼らに向かっている。
いいや、ゆっくり見えるだけ。
まるで走馬灯のように。
ビアンカはそれを避けることができないことを本能的に悟った。
一歩遅れて状況に気づいたイボンヌが慌ててビアンカを抱きしめる。
そしてそのまま、彼女はビアンカを包んだまま床にうずくまった。
「イボンヌ!」
「きゃあ!」
イボンヌの悲鳴がビアンカの耳鳴りを響かせる。
彼女が頭から血を流す姿が鮮明に映る。
今は手で自分をしっかり固定しているが、やがて手の力が抜けてそのまま床に倒れることになるだろう。
恐ろしい未来が近づくことだけを無力に待たなければならない状況が悔しかった。
どれだけ唇をギュッと噛んだのか、ビアンカの唇から血が流れる。
しかし、イボンヌの手には依然として力が入っていた。
ビアンカの耳元をくすぐる彼女の荒い息遣いもそのままだ。
何かおかしいと感じたのは、まさにその瞬間だった。
「え・・・?」
ビアンカはそっと顔を上げ、その時になってようやく状況がどのように進んでいるかを理解した。
彼女とイボンヌの上を覆っている巨大な影。
銀色の鎧の後ろに映る日差しが目を刺し、相手の顔を覆う。
こんな大きい体が領地に二つあるはずがなかった。
「ガスパル!」
「大丈夫ですか、奥様・・・?」
飛んでくる石ころからビアンカとイボンヌを救ったのは、まさにガスパルだった。
イボンヌを救ったという安堵感も一瞬。
鎧を着ていたとはいえ、重い石をそのまま受け止めたのだから、大丈夫なはずがない。
ビアンカは慌てて尋ねた。
「私は大丈夫。あなたは?あなたは大丈夫なの?」
「どうぞお入りください、奥様。イボンヌ、奥様を急いで中に」
彼は眉一つ動かさず、いつもと変わらない表情でイボンヌを促す。
しかし、顔色は明らかに良くなかった。
イボンヌの目に涙が滲むように満ちてきたが、彼女は悲しみを吐き出す代わりにビアンカの腕を引っ張る。
「早く行きましょう、奥様」
「ガスパル卿、すぐに傷を確認する必要があります」
ビアンカは意地を張った。
ガスパルを一番心配しているのはイボンヌだと知っていたが、このような状況で彼に戦場の責任をそのまま負わせたまま一人で身を避けることなんてできない。
「私は城を守る騎士で、今は戦争中です。この程度の傷で戦線を離脱することはできません」
そこまで言ったガスパルは呻き声を飲み込む。
しかし、依然として顔は微動だにせず無愛想だった。
大きく息を吐いたガスパルはもう一度着実に、そして急いでビアンカを説得した。
「奥様が怪我をしたら、私は伯爵様に合わせる顔がありません。早く!」
見るに忍びないイボンヌが飛び起きる。
ビアンカの肩を抱きしめた彼女は、無理やり城の中に連れて行った。
「ガルパル卿の言う通りです。早く入りましょう、奥様」
涙を堪えて飲み込む声が細く震えている。
ビアンカは仕方なく足を運んだ。
このような状況で逃げることしかできない自分自身の無力さにうんざりした。
ガスパルはイボンヌがビアンカを連れて城内に入るのを見守った後、戦場に戻る。
振り返ってみると、彼の額に遅れて血が出てきた。
さっき二人の前で血が流れなくて良かった。
イボンヌに心配事を加えるのはもちろんのことだが、奥様が治療をしなければならないと、もっと意地を張ったはずだから。
ガスパルは安堵のため息をつく。
全身がズキズキしたが、やり遂げたことを考えると全く苦痛ではない。
今度は自分の手で救い出せたのだから。
ジャコブがイボンヌに危害を加えたことを思い出すと、今でもお腹の中で火が沸いた。
自分が両目を開けている限り、二度とイボンヌに怪我をさせることはないと誓っただけに、今彼の心は申し分ない満足感と充足感で満ちていた。
ガスパルは手の甲で額の血を拭い、兵士たちを鼓舞する。
「死体を混ぜて投げるのを見ると、彼らが投げられる石は全部無くなったようだ!もう少し頑張れ!」
ガスパル・・・!
ザカリーが彼に城を託したのは正解でしたね。
ですが、ガスパルの体が心配です。
彼を失えば、アルノー城は一気に崩壊するでしょう。





