こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は143話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

143話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 揺れ動く心
「それでは陛下に申し上げて、アルベール王子をより安全な場所に移すように進言します」
「そうすれば私の心が楽になりそうですね」
ビアンカは元気なくそっと笑う。
心が楽になるとはいえ、心配なことが依然として多く見える姿だ。
ビアンカは独り言のように呟く。
「これからの首都は戦争に他ならないでしょう。王位を巡る戦争が・・・」
そんなビアンカをじっと見つめるザカリーの片隅が痛かった。
久しぶりに見る彼女の笑みだったが、あんなに元気がないのを見るとなかなか気分が良くならない。
王家の複雑な事情など気にしなくてもいいのに。
ブランシュフォールとアルノー、どちらも絡んでいることなので心配が多いようだった。
それは全部自分が足りないせいだ。
信じて任せるほど頼りにならないからだろう。
自責のためザカリーの顔色が暗くなる。
ザカリーが想念で複雑になった心を治めている渦中、ビアンカが突然口を開いた。
「だから私とした約束、忘れないでください」
ザカリーは突拍子もないビアンカの言葉にびっくりし、もし自分が気を取られて逃したことがるのか頭の中を探ってみた。
でも約束だなんて、なかなか見当がつかなかった。
ザカリーは、これまでのビアンカとの約束をすべて振り返る。
ビアンカと馬に乗って領地を回ることにしたこと、余裕があれば一緒に川に船を浮かせて水遊びをすることにしたこと、寒がりの彼女が冬を暖かく過ごすため南部に別荘を作ってあげることにしたこと。
そして・・・。
ようやく記憶を思い出したザカリーが固い顔でビアンカを眺めた。
彼女もザカリーと向き合う。
彼女の煌めく瞳は、乾いた葉を燃やすように燃えていた。
『戦争で彼に会ったら、殺してください』
「・・・そうだった。私がそれを忘れるはずがない」
ザカリーの唇が上がり、歯が剥き出しになる。
思わず発せられた殺気のこもった表情で。
戦争と殺意に慣れていない人には恐ろしい笑みだが、むしろビアンカはそれに安堵した。
「可能性がある時、必ずですよ」
ビアンカはザカリーに頼み込んだ。
首都で第二王子のジャコブを公然と殺害することはできないが、実際にその大胆なことをジャコブはやり遂げたではないか!
キツネを捕まえるにはキツネと同じくらい狡猾になる必要がある。
ただ残念なことに、ザカリーはそのような陰謀術と水面下の工作にはあまり才能がないという事実。
彼だけを一人で過ごさせるのは不安だった。
しかし、彼についていける状況ではない。
ジャコブが引き続きビアンカ、彼女の存在を利用しようと虎視眈々と機会を狙うので、ビアンカとしては身動きが取れず領地にいる方がザカリーを助けることができるかもしれない。
ビアンカは揺れ動く心を抑えようとした。
「それじゃあ行ってくる」
「見送りに行きます」
「大丈夫。あなたの見送りを受けると、馬の蹄が重くなって首都に行けなくなるから。ビアンカ、あなたはここで私が行く姿を見守ってください。それだけでも私は嬉しい」
「でも・・・」
ビアンカが躊躇う姿に、ザカリーはそっと笑いながら首を横に振る。
じっとビアンカを見つめていた彼は、彼女の頬に手を伸ばした。
ザカリーの唇がビアンカの唇に触れて、落ちた。
お互いの息遣いを感じる時間さえなかった軽いキスは、さらに深い物足りなさを残す。
1ヶ月間無駄に自尊心を立てるために離れていたのが残念なほど、二人の体は熱く盛り上がり互いを渇望していた。
ゴティエ王子の死に気を遣ったことが嘘のように消え、今この瞬間だけを享受したかった。
ザカリーとビアンカの目が合う。
二人とも口下手な上に表情管理が苦手なので、言葉より露骨に現れる目つきを通じて本音が流れ出た。
あえて言わなくても、相手が望むことが自分と同じ考えだと感じることができたのだ。
いつの間にかザカリーはビアンカの腰を曲げていた。
距離を置こうとする上半身とは違って、相手にピッタリくっついていた下半身。
思わず出てしまった本能的な行動だ。
しかし、そのような状況ではない。
ザカリーは苦笑いし、ビアンカの腰から手を離した。
「そろそろ向かおうとしよう」
「早く戻ってきてください」
「ああ、君も体調には気をつけてくれ」
離れたザカリーの指先に残った悔しさに、ビアンカは部屋を出る彼の背中を長い間見守っていた。
彼が消えた空間をしばらく眺めていたビアンカは、振り向いて窓の外を眺める。
戦争中にジャコブを殺すと約束したザカリー。
そのチャンスは本当に訪れるのでしょうか?
ようやく仲直りした二人なのに、すぐに離れ離れになるのは寂しいですね。





