こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は130話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

130話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 肯定的な未来
「わ、私がですか?」
ヴァンサンは唾をごくりと飲み込んだ。
ビアンカは本来の好みがややこしく、服を見る目が高かった。
少しでもダサいとか安っぽく見えたら容赦なく投げつける。
それに比べて、ヴァンサンは服を選ぶ感覚とは程遠い人。
同じ男性のザカリーの服を選ぶのにも、いつも似たり寄ったりで、不器用な服だけを選んできた。
そんな彼が今まで一度も自分の服を他人に任せたことのないビアンカの服を選ぶ?
ヴァンサンは、突然下された青天の霹靂のような任務に気が狂いそうになる。
万聖節を首都で開かれる収穫祭ほどの規模に育てるよりも、ビアンカの服を選ぶ方がより難度の高い問題だった。
ヴァンサンはビアンカが命令を撤回することを望んだが、彼女はびくともしない。
それなら、ビアンカの好みを見抜いているイボンヌの助けを受けるしかなかった。
ヴァンサンは切実な目でビアンカの世話をしていたイボンヌを見つめる。
イボンヌはぎこちなく笑いながら小さく頷いた。
ビアンカは興味のない表情で、テーブルに置かれたヌガーを指でポンと触った。
ヌガーが倒れ、ナッツやドライフルーツで華やかに飾られた面が上に現れる。
ヌガーは蜂蜜や卵、ナッツなどの高価な材料をふんだんに使った、ビアンカとザカリーだけが食べられる貴重なおやつ。
しかし、ヌガーはビアンカの口に入らないまま放置されるだけだった。
ビアンカは一切れも食べずにヴァンサンにそれとなく尋ねる。
「そういえば、今回の万聖節は特に大きく準備しているのね?」
「はい、伯爵様が大きく開催することを願っていました」
「伯爵様が・・・」
「ええ、最近アラゴンが大人しいじゃないですか。終戦の話も交わされていますし。このような時は、領地民の士気を高めることも兼ねて、奥様に見どころも作ってあげることも兼ねて、大きく開催するように命じられておりました」
ヴァンサンは胸を大きく開き、満足感をいっぱい込めて答えた。
伯爵様が奥様をこのように大事にしているので、奥様も喜ぶと信じて疑わない表情で。
しかし、ビアンカの顔にはむしろ影がさしていた。
「だけど、確かなことではないわ・・・。もし万聖節を行っている最中にアラゴンが国境を超えてきたら・・・」
「その時は伯爵様がすぐに出場しなければなりませんが、心配しないでください。いつものようにアルノー城まで侵すことはなく、伯爵様は勝利の知らせとともに戻ってきますから」
ヴァンサンはビアンカの懸念が傾くように、明るく答える。
むしろビアンカが領地の事情にこれほどまでに気を遣うと肯定的に受け止めさえした。
「それでも・・・、そういえば、我が領地の防御はどう進んでいるの?」
「まず築城当時、伯爵様が気を遣って建てたので、難攻不落とまでいかなくてもかなり丈夫です。食料備蓄も十分です。伯爵様が戦争を終えて帰ってくるまでは耐えられます。ですから、あまり心配しないでください」
「・・・」
ひたすらザカリーを待てって?
彼が帰ってくるまで?
彼が死んで帰ってくるかもしれないのに?
しかし、ヴァンサンをはじめとする誰もザカリーが戦争で死ぬと思っていないだろう。
しかもザカリー本人さえ。
だからビアンカが戦争にこんな敏感なのは理解されないのだろう。
ビアンカは沈黙した。
彼女はヴァンサンのように漠然と上手くいく肯定的な未来を夢見ることができなかった。
不幸で恐ろしい未来を見てきた生き証人なのだから。
ヴァンサンが安心する前提条件である「ザカリーの帰還」を確実視できない、最悪の未来を見てきた選ばれた者。
本来、領地夫人の役割は領地民を世話して管理することだけではなく、夫が不在時に領主である夫の役割も代わりにしなければならなかった。
しかし、過去のビアンカはそのようなことを疎かにし、領地の防衛に対しては一字無職に他ならなかった。
ザカリーが死んでから、アルノー領地を奪いにきたウィグ子爵にそのまま領地を明け渡してしまった。
フェルナンに対する否定が触媒剤になったとはいえ、もしビアンカが領地を防衛する考えがあったなら、それほど甘くはなかっただろう。
頭がヒリヒリする。
今だからと言って過去と大きく差があるわけではない。
相変わらずビアンカは自分の仕事をヴァンサンに延ばしていた。
もし・・・、とても念のために・・・。
ビアンカは今のように手放すことはできなかった。
ザカリーの代役だけはヴァンサンに任せられないから。
領主が捕虜として捕まったら、釈放金準備と教団から免罪符を発給されること全て妻が直接しなければならない。
それもザカリーが生きている前提の下でのこと。
(でも彼の死は・・・)
ビアンカは息を吸った。
戦争時の妻のもう一つの役割は、まさに領主が殺害された時に遺言を執行し、子供たちを後継者として育てること。
ビアンカ一人だけがザカリーの死を見ているので、今の現状は不安でしかないですよね。
もしもザカリーが死んでしまった場合、二人の子供が後継者となりますが、今のザカリーに子供を作る意志は見られません。
ザカリーの遺言状は、どんな内容なのでしょうか?





