こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は115話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

115話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 聖女
ビアンカが慌てている間、感情を落ち着かせたフランシスがゆっくりと体を真っ直ぐに動かした。
彼の青灰色の目つきには丁寧さと畏敬の念がいっぱい込められている。
フランシスは慎重に尋ねた。
「今まで誰かに明らかにしたことはありますか?もしかしてアルノー伯爵には・・・」
「いいえ、ありません。誰にも・・・」
「では、あなたが見た未来は何ですか?」
「・・・」
ビアンカの口が固く閉ざされた。
そっと垂れ下がったまつ毛からは言いたいくない様子が歴然としている。
フランシスはすべてを理解しているかのようにうなずいた。
未来予知をする者が見る未来は神にとってあってはならない未来であると同時に、本人にとっては最悪の未来だったからだ。
言い換えれば、聖人の弱点そのもの。
フランシスは言葉を変えて再び質問する。
「それでは信徒様、いや、選ばれた聖女様。あなたが望む未来は何ですか?」
これまでずっと尊敬してきたが、ビアンカが聖人だということを認知した後の彼の態度はより一層丁寧になっていた。
自分を聖女と称するフランシスの呼称に、ようやく現実感が押し寄せてくる。
聖女だという事実に戸惑っている時ではなかった。
本当に重要なことは別にある。
ビアンカはフランシスの質問を噛み締めながらゆっくりと瞬きをした。
私が望む未来。
それはまさに・・・。
「・・・夫が」
ビアンカがやっと口を開けて話し始めるやいなや息が詰まりそうになった。
空気が消えたのか、喉に蛇が飛びかかったのかと思うほど見分けがつかない。
突然息が詰まると思うやいなや彼女の目元がぼやけていた。
彼女の息を詰まらせたのは燃え上がる涙だった。
彼女の裾に涙が滴り落ちる。
夕立はそのまま暴雨となった。
思いもよらなかった瞬間、降り注ぐ嗚咽にビアンカは感情を抑えられず、そのまま流されていく。
ゴロゴロという鳴き声に発音がすっかり潰されてしまった。
しかし、ビアンカの瞳の中の意志はハッキリしている。
露を含んだ草の葉のように水で曇った薄緑色の瞳が揺らぐことなくフランシスを見つめた。
ビアンカは一言、一言やっと言い出していく。
「夫が死なない未来です」
ザカリーの死を口にするやいなや、鮮明な恐怖が沸き起こった。
彼の死が現実になるかもしれないと思うと、全身に悪寒がする。
ゾッとするような鳥肌に耐えられなかったビアンカは、大きく震えた。
(あまり不安に思わないで。私が聖人になったのだから、教団の聖騎士団の助けを受けることができるはず。そうすれば彼を死なないようにすることができる・・・)
以前の無力な伯爵夫人ではなく、聖人ビアンカとしてザカリーを守ることができるだろう。
当然のことながら、なぜもっと不安になるのか理由が分からなかった。
ビアンカは一歩遅れて不安の理由に気づく。
それは、まさにザカリーの死を容易に止められないという、予定されていた苦難のためだった。
ザカリーの死は、神がビアンカを聖人にし、未来を見せるまでしながら変えようとした未来。
それはすなわち、変えなければならないことであると同時に、こうでもしなければならないほど現実で起きる可能性が高い未来という言葉と同じだった。
未来を変えられるのは聖人のビアンカが唯一。
それなら、ビアンカが間違った選択をすれば誰もザカリーの死を防ぐことができないという話に他ならない・・・。
バラバラになった破片をかき集めた末、ついに真実が分かった。
しかし、明らかになった真実は未来を変えようとする彼女の行動に確信を与えるどころか、むしろ足を引っ張っている。
泥沼に陥って身動きできない境遇、それが全てを知ったビアンカの現実だった。
ビアンカの顔に影が落ちる。
深い沼よりも深く暗い影だった。
聖女であると分かったと同時に、これまで以上に自分の行動に責任を持たざるを得ない境遇。
教団を頼ることが正解なのかどうか分かりませんし、これまで以上に慎重になってしまいますね・・・。





