こんにちは、ツバサです。
【結婚商売】を紹介させていただきます。
今回は111話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

贅沢な悪妻、ビアンカ・ド・アルノー。
人々に見捨てられ死にかけていたその時、ビアンカは奇跡的に18歳に回帰する。
絶縁したも同然の実家、アルノー伯爵令の人々も私を嫌っている。
孤立した私の立場を見つけるには、後継者が必要だ…。
「あなたの子供を産む準備ができました」
「…その話はあとにしよう」
「私たちの結婚はいくらだったでしょうか。 その代をすると言っているのです」
夫の子供を産まなければ。夫を誘惑してでも、説得してでも。
ビアンカ・ド・アルノー:主人公
ザカリー・ド・アルノー:ビアンカの夫。
イボンヌ:ビアンカの専属使用人。
ソヴール:ザカリーの側近。
ロベル:ザカリーの側近。
ガスパル:ザカリーの側近

111話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 回帰について
大司教がそこまで言うと、ガスパルもこれ以上声を上げることができなかった。
いくらザカリーの命令が厳しいとはいえ、ここは教会であり、相手は大司教。
そして、何よりもビアンカが心を変えるつもりがない。
躊躇っているガスパルを見て、フランシスは彼にかなり寛大な提案をした。
「本当に心配でしたら、ドアの前に立ってはいかがですか?そこなら会話の音は聞こえませんが、少し大きな音はそのまま聞こえるから大丈夫だと思います」
フランシスの提案が最善だった。
その提案を受け入れるしかないガスパルがうなずく。
ガスパルをはじめとする護衛隊が大司教室を出て、イボンヌは不安そうにビアンカの方をチラチラしながらもその後に続く。
ヨハネも部屋を出てドアを閉めたら、大司教室にはビアンカとフランシスの二人だけが残った。
事情があるとしても大司教にもなる人を不漢扱いしたのは、後で言いがかりをつけられてもおかしくない。
ビアンカはすぐに頭を下げて謝罪した。
「申し訳ありません。大司教様を侮辱するつもりはありませんでした。ただ、最近不穏な人たちとの争いがあって・・・」
「忠誠心は多少生真面目でなければならないものです。宗教に対する信実さもまた結局神に対する忠誠心ですので、あの騎士の気持ちも十分理解できます」
フランシスは大したことのないように首を横に振る。
このことについて何も言わない彼の態度に、あまりにも簡単に釣れて多少見下していたビアンカの彼への印象が変わる。
(・・・思ったほど見当がつく相手じゃないわ)
フランシスは口髭を手で触りながらビアンカを真っ直ぐ見た。
青灰色の瞳がビアンカの深淵を除くように静かだ。
「さあ、信徒様。私に聞きたいことは何ですか?」
ビアンカは唾をごくりと飲み込んだ。
彼女の指先が緊張感で冷たく痺れる。
「奇跡の中で回帰に関して記録された事例はありますか?」
「回帰ですか?」
「はい。神の軌跡として回帰に関して記録された事例と、どのような理由で回帰が起きるのか・・・。その起こる理由は何か。そういうことが気になります」
声は小さく震えたが、ビアンカは手探りせずに気になることを吐き出した。
この質問をしたことだけでも疑わしいだろう。
平凡な人たちが気になる内容ではないのだから。
それについて弁解することは全くなかった。
ビアンカとしては疑われることになっても、貴重な蝋燭を渡しても回帰に関することを一度指摘する必要があったのだ。
今後行動することに躊躇しないため、確信を持つため、揺らぐことなくこれからもずっと走って行くために・・・。
「ふむ・・・」
ビアンカの質問にフランシスは呻き声を上げた。
彼の沈黙が長くなるにつれて、彼が吐き出す言葉の反響が大きくなっていく。
ビアンカの心臓の音が彼女の耳をつんざくように埋めた。
そんな中、フランシスの朗々とした声が重い沈黙を分ける大司教室を鳴らした。
「はっきり申し上げると、回帰はありません。信徒様」
「回帰が・・・、ないのですか?」
晴天の霹靂のような言葉に、ビアンカの瞳が揺れた。
回帰がない?
じゃあ、私が過去に戻ったものは何?
頭をハンマーで殴られたような衝撃にビアンカの体が揺れる。
辛うじて体を落ち着かせた彼女のまつ毛がゆっくりと点滅した。
ぼんやりとした目つきは焦点がぼやけていた。
表情管理をすることすら考えられなかったビアンカの様子に、フランシスは怪しんだ。
何がそんなに衝撃的なのか分からなかったのだ。
不思議な点は一つや二つではないが、フランシスはひとまずビアンカの質問に素直に答えることに。
「はい。似たような現象がありますが、本教団では回帰ではなく未来予知と区分します」
「未来予知・・・」
甘い唇で繰り返しても現実感がなかった。
相変わらず彼女には、前世の記憶が昨日のことのように生き生きしているのだから。
「その二つを区分するのが最初はとても曖昧でした。実際、未来を予知した聖人たちは自分が回帰したと主張することもありました。しかし、私たちはそれをもう少し細かく具体的な、ただ一人の個人だけに行われるミクロ的な未来予知だと思っています」
「・・・どうしてですか?」
「証拠がないからです」
「証拠ですか?」
「はい。回帰の証拠です。ひたすら聖人たちの頭の中に残っているだけですから」
フランシスの言葉は反論できないように断固としていた。
自分が経験したすべてが夢に過ぎないというフランシスの宣告に、ビアンカの頭が痛くなる。
ズキズキする頭痛が彼女の思考を混乱させた。
どこから現実であれ夢であれ過去であれ未来だったのか、あちこち入り混じって混乱した。
ビアンカの過去はそれほど無念で、悔しかったのだ。
その生々しい感情が虚像だったなんて。
ただ未来だったかもしれない破片に自分は苦しめられたの?
虚無感が波打って彼女を食い荒らしていく。
しかし同時に「未来予知」という言葉がビアンカを不安にさせた。
自分が未来を予知したのなら・・・、その夢のように未来が流れていく?
すでに多くのことが変わったように?
まさかの答え。
回帰が存在せずに未来予知として扱われているのですね。
ビアンカの過去の記憶は未来だったのでしょうか?





