こんにちは、ツバサです。
【ルシア】を紹介させていただきます。
今回は74話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

16番目の王女のため、誰からも奉仕されることなく宮殿の端で暮らしていた「ビビアン」は、12歳の頃から夢で未来を見るようになる。
18歳になった王女「ビビアン」は侍女を装い「ルシア」として毎週町に出掛け、自由な時間を過ごしていたが、一年後に欲深い伯爵に売り飛ばされ、悲惨な生活を送ることを夢にみてしまう…!
そんな自らの未来を変えるべく、冷静沈着で残酷“戦場の黒ライオン”と呼ばれるタラン公爵に契約結婚を提案する!
公爵を愛さないことを約束するルシアだったが…?!
ビビアン・ヘッセ(ルシア):主人公。16番目の王女。親しい相手からはルシアと呼ばれている。先の未来を夢の中で見ることが出来る。ヒューゴと契約結婚をする。
ヒューゴ・タラン:公爵。黒髪に赤い目。ルシアと契約結婚をする。
ジェローム:執事。ファビアンの兄。
ファビアン:補佐官。ファビアンの弟。
フィリップ:男爵。タラン家専属の主治医。タラン家の血筋を絶やさないことを目的としている。
ミシェル・コルジャン;伯爵夫人。社交界の教母として名高い。ルシアの指南役。
ケイト・ミルトン:ルシアの友人。コルジャン伯爵夫人は大叔母。
ノルマン:小説家。アイディアをルシアから提供してもらう。
クェイズ・ヘッセ:皇太子。
ソフィア・ローレンス:ヒューゴの元恋人。別れの印として、黄色のバラの花束を渡される。
ロイ・クロチン:タラン公爵の右腕。狂犬という異名を持つ。
ディーン・ヘバ:タラン公爵家の騎士。
ダミアン:ヒューゴの息子。現在8歳。
エリオット・カリス:騎士団長。
ファルコン:伯爵夫人。結婚前まではヒューゴの愛人だった。
バートン:伯爵。ルシアの夢の中での夫。

74話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ルシアの後悔
ルシアは中央の塔に⼊り、後ろを振り返る。
ついて来ていると思っていたダミアンは、どこにもいなかった。
メイドに彼を連れてくるように頼み、応接室に入る。
ソファに座り、彼女は目を閉じる。
頭痛が酷い。
(私は自分勝手だった。パーティーブレイクが起きるなんて・・・)
ルシアは女性のプライドを、軽く見ていた。
北部の雰囲気が⾸都の社交界の雰囲気とは明らかに異なっていたという事実に、警戒を怠った。
気づかない間に、公爵夫人という肩書きに自惚れていたのかもしれません。
初めて出会った時から、ウェールズ伯爵夫人が好きではなかった。
だからこそ、コーザン伯爵夫人に参加して欲しかったのですが・・・。
ルシアは陰謀を企てる事が得意ではありません。
逆に、そういう考えの持ち主の気持ちも、彼女には理解出来なかった。
⾮嫡出⼦が後継者に選ばれたのは、前例のないこと。
この問題を、もう少し真剣に考える必要があるようです。
「北部の雰囲気がこうならば、⾸都も⼿ごわいはず」
ダミアンを社交パーティーに連れていくのを、大した問題ではないと考えていた。
「ダミアンが爵位を引き継ぐことは、将来、別の流れの始まりかもしれません。それがおそらく⼈々が抵抗する理由」
ルシアはあまりにも急いでいた。
ダミアンがすぐにアカデミーに戻るかもしれないので、彼⼥はこのチャンスを逃したくなかったのです。
乗馬場で特に問題が発生しなかったので、今回も大丈夫だと思っていた。
それなのに・・・。
目を開けるが、ダミアンはいなかった。
「何故こんなに時間がかかるのですか?」
メイドはすぐに急いで⽴ち去り、しばらくして戻ってきました。
「奥様、坊っちゃまにお伝えしたのですが、反応がありませんでした」
「ダミアンは外で何をしているの?」
「何も・・・、⼈を⾒ているだけです」
「・・・分かりました」
彼女たちを見て、彼は何を考えているのでしょうか?
その答えは、本人に聞かないと分かりません。
ルシアは再び⽬を閉じた。
- お互いの反省
「ルシア」
気づけば、ケイトがルシアの隣に座って、彼女の⼿を握っていた。
ルシアは⽬を開けて、笑顔を浮かべる。
「今⽇はありがとう、ケイト」
「いいえ、私はまったく役に⽴ちませんでした。あまり怒ってはいけません。通過儀礼と考えてください」
ケイトは、親友がプライドを失ったのではないかと心配していました。
しかし、ルシアはそんな事を気にしていません。
「大丈夫よ。ケイト、ごめんなさい。今⽇は帰ってもらって宜しいですか?考えることが沢山あるので」
ケイトは「分かりました」と答え、部屋を去る。
ずっと待機していたジェロームに声をかけた。
「公爵様はオフィスにいますか?」
「いいえ。緊急のメッセージが届き、旦那様は出て行きました。今日中に戻ってくるかは分かりません」
少し悲しく、同時に安⼼した。
「今⽇のことは、私が彼に知らせます」
「はい、奥様」
「それと、アンナに連絡してくれませんか?」
頭痛が酷いので、薬を飲もうと思ったから。
ジェロームが出て⾏った後、ルシアはすべてのメイドを退出させる。
少し前に来たダミアンを⾒て、彼を⼿招きします。
「ダミアン、こっちに来て」
ダミアンはルシアの前に近づき、ひざまずきました。
ルシア慌てて⽴ち上がった。
「申し訳ありません。私のせいで・・・」
ダミアンは自分の事を気にしていなかった。
だけど、女性たちの不快な視線がルシアに向けられている事に、彼は罪悪感を覚えた。
怒り。
ダミアンは⾃分の弱さに怒りを感じた。
もし彼の⽗親があの場所にいたら、状況は完全に異なっていただろう。
「いいえ、ダミアン。なぜ謝るのですか?」
彼を抱きしめる。
「ごめんなさい、ダミアン。あなたのことを考えていませんでした。あなたが傷つく可能性があると考えていませんでした。⾃分のことしか考えていませんでした」
いい⾹りと柔らかな感触が好きだったので、ダミアンは息を⽌めてじっとしているように最善を尽くす。
少しでも動けば、ルシアは驚いて⽴ち去ると思ったから。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい・・・」
「私は・・・、大丈夫ですから」
ダミアンは本当に平気でした。
ルシアが「私の息⼦」と⾔った瞬間、⼥性たちの無意味な視線を完全に忘れていたから。
その⾔葉はまだ少年の頭の中で再⽣されていて、彼の⼼に触れました。
「あなたのせいではありません、ダミアン。あなたのせいではありません。⼤⼈が全員、賢いわけではありません」
ルシアの声は最後に震えた。
⼩さなすすり泣きの⾳に、ダミアンは固くなる。
『私のために泣かないで』
そう言おうとしますが、その言葉が出てこなかった。
少しずつ、彼は慎重に額をルシアの肩に置いた。
誰かが自分のために泣いたのは初めてでした。
ほんの少しだけ。
少年の⽬は濡れていた。
- 事件の原因
事件はヒューゴが心配していた事とは異なっていた。
流行り病ではなく、大規模な食中毒。
公爵の時間を無駄にした村長の表情は暗かった。
食中毒の原因は、備蓄していたキノコ。
流行り病を恐れて動揺した村⼈たちは、公爵の突然の出現に怯えていたが、彼が到着してから数時間以内に問題が解決すると、彼らの表情は畏敬の念に満ちていた。
今回の首謀者は、食料品店を経営する老人。
本人は無実と叫び、ヒューゴはすぐに調査を行うように命じた。
「公爵様、私は状況を判断するのを間違えました。そして、あなたに不必要なトラブルを引き起こしてしまいました」
村⻑が厳粛に謝罪する。
「いいえ、素早い反応は素晴らしかったです」
公爵の怒りを受ける準備をしていた村長の表情は明るくなった。
3時間の乗⾺は無駄に終わったが、ここでの状況は、流行り病が起こるよりもはるかに良かった。
ヒューゴと彼の騎⼠団はロームに向けて出発する。
おそらく、到着するのはかなり遅くなるでしょう。
ヒューゴはディーンを呼んで、自分が到着した時に、合図の笛を吹かないように伝達を命じた。
その後、ロームに到着します。
彼はすぐにオフィスに向かい、ジェロームがそれに続く。
「⼣⾷の準備はどうですか?」
「ほぼ準備が出来ています」
書類を見ながら、独り言を呟く。
「ガーデンパーティーは上手くいきましたか?」
お城の雰囲気は⼀⽇中暗かった。
ジェロームは、奥様が直接何も⾔わないように⾔った⾔葉を思い出して、こう答えた。
「はい」
「⼣⾷の準備が出来たら、教えてください」
彼はそのまま⽂書を読み始めました。
- ルシアの涙
ルシアが⽬覚めたとき、彼女はソファに横になり続けていた。
寝る前に薬を飲んだが、それでも頭痛は和らぎません。
「え?彼が戻ってきたの?」
メイドに鏡を持ってくるように頼みました、予想通り、彼⼥の⽬は腫れていた。
「冷たいおしぼりを持ってきてください。」
時間は少ししかありません。
「どうですか?少しは良くなりましたか?」
「以前よりもずっと落ち着きました。⼀⾒しただけでは分かりません」
⼣⾷の間に気づかなかったなら、大丈夫でしょう。
⼣⾷後、彼は⾃分のオフィスに戻るでしょうから。
⾃分が何も出来ずに泣いたことを、彼に知られたくなかった。
⾷堂に降りたとき、ダミアンはすでにそこにいました。
ヒューゴは少し遅れてやって来る。
彼の視線は、⾃然とルシアに向けられました。
その瞬間、彼の手が凍った。
スプーンをテーブルに叩きつけると、⾷堂の雰囲気が凍りつく。
ヒューゴはすぐにルシアの元に近づき、彼女の顎を持ちます。
赤くなった目が、明らかにされた。
「何があった?」
ルシアは周囲の視線を意識し、⾃然に頭を向け、視線を落とす。
こんな反応をされるとは思っていなかったから。
「先に食事を取りませんか?」
ヒューゴは注意深く、ルシアの目を見る。
彼⼥の澄んだ琥珀⾊の⽬は真っ⾚だった。
泣いた?
どうして?
「ジェローム!」
ジェロームは、主⼈が望む答えを与えました。
「ガーデンパーティーで、⼥性たちがパーティーブレイクを⾏いました。」
「パーティーブレイク?」
「多くの参加者が黙ることで、パーティーを⼈為的に終わらせる⾏為です」
「理由を」
「・・・ダミアン坊ちゃんです」
ヒューゴはこれ以上聞く必要はなく、状況を⼤まかに把握することが出来ました。
「彼らはあなたに何をしましたか?」
彼の優しい声の中に、暴⼒が混ざっている。
「いいえ・・・、何もしていません・・・」
泣いた理由は別の事。
ダミアンを気の毒に思い、泣いたのだから。
起こった出来事を冷静に説明しようとしたが、ヒューゴの⾔葉は彼⼥の涙を誘った。
涙が彼⼥の⽬を満たし始めるのを⾒て、ヒューゴの表情は固まる。
「⼣⾷を2階に移動します。ダミアン、食べた後は部屋に戻りなさい」
「はい」
ダミアンは、公爵がルシアを抱きしめて⾷堂から出ていった時、⼼配そうに⾒つめていました。
彼はルシアのことを⼼配していました。
彼の⼼は⼀⽇中不快に感じていました。
ダミアンは、明⽇が来るといつものように「⺟親」が笑顔になるのを⾒たいと思っていました。
ルシアの想像以上に、貴族の考えは厄介ですね・・・。
彼女もダミアンも悪くないはずなのに。
けれど、今回の出来事でダミアンのルシアに対する感情が深まったのではないでしょうか?
面と向かって、母と呼んで欲しいですね♪



