こんにちは、ツバサです。
【ルシア】を紹介させていただきます。
今回は136話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

16番目の王女のため、誰からも奉仕されることなく宮殿の端で暮らしていた「ビビアン」は、12歳の頃から夢で未来を見るようになる。
18歳になった王女「ビビアン」は侍女を装い「ルシア」として毎週町に出掛け、自由な時間を過ごしていたが、一年後に欲深い伯爵に売り飛ばされ、悲惨な生活を送ることを夢にみてしまう…!
そんな自らの未来を変えるべく、冷静沈着で残酷“戦場の黒ライオン”と呼ばれるタラン公爵に契約結婚を提案する!
公爵を愛さないことを約束するルシアだったが…?!
ビビアン・ヘッセ(ルシア):主人公。16番目の王女。親しい相手からはルシアと呼ばれている。先の未来を夢の中で見ることが出来る。ヒューゴと契約結婚をする。
ヒューゴ・タラン:公爵。黒髪に赤い目。ルシアと契約結婚をする。
ジェローム:執事。ファビアンの兄。
ファビアン:補佐官。ファビアンの弟。
フィリップ:男爵。タラン家専属の主治医。タラン家の血筋を絶やさないことを目的としている。
ミシェル・コルジャン;伯爵夫人。社交界の教母として名高い。ルシアの指南役。
ケイト・ミルトン:ルシアの友人。コルジャン伯爵夫人は大叔母。
ノルマン:小説家。アイディアをルシアから提供してもらう。
クェイズ・ヘッセ:皇太子。
ソフィア・ローレンス:ヒューゴの元恋人。別れの印として、黄色のバラの花束を渡される。
ロイ・クロチン:タラン公爵の右腕。狂犬という異名を持つ。
ディーン・ヘバ:タラン公爵家の騎士。
ダミアン:ヒューゴの息子。現在8歳。
エリオット・カリス:騎士団長。
ファルコン:伯爵夫人。結婚前まではヒューゴの愛人だった。
バートン:伯爵。ルシアの夢の中での夫。

136話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 最初の失恋
ルシアは突然ヒューゴに会いたくなり、歩くスピードを早めた。
状況を彼に説明できなくても、自分の喜びを彼と共有したかったのだ。
(あの男は、夢の中と同じように惨めに死ぬでしょう)
そう考えると、ルシアの歩みは遅くなる。
(・・・いいえ、彼は死ぬことはないかもしれない。未来は変わりつつあるのだから)
マートン伯爵と結婚してから5年⽬の頃。
それまで国王は自身に反対する⼈々を黙って⾒守っていたが、ついに彼の剣を抜いたのだった。
後に、⾎の100⽇として知られる試練の始まり。
臆病なマートン伯爵は、本気で反乱を起こす気はなかった。
彼には根性も能⼒もなかったのだから。
彼の意図は、何らかの形で権⼒者に縋り付くこと。
反対勢⼒はまた、マートン伯爵の意図を理解していた。
彼らの関係は、お互いを利用した関係。
そのような関係では、弱い側は⾷べ尽くされるしかない。
マートン伯爵は、積極的に参加したかのように巻き込まれ、後戻りできない状況に追いやられる。
国王の⽴場からすると、⼀緒に根絶されても⾒逃せない残骸。
そして、マートン伯爵が信じていた権⼒のある⼈々は皆、⾸を失っていく。
深い歴史を持つマートン家は⼀夜にして絶滅したのだ。
マートン伯爵は兵⼠たちに捕まり、適切な裁判なしに⾸を切り落とされることに。
家族全員が連行されて、間もなく彼らは斬⾸刑を宣告された。
しばらくして、アカデミーにいた末っ⼦のブルーノが別の国に逃げたと聞いている。
ルシアは夢の記憶を思い出し、体を震わせた。
兵⼠たちがやってきた夜の記憶は、それ⾃体が恐怖だったから。
当時、100⽇間の⾎の先頭に⽴ったのはタラン公爵だと聞いていた。
(もし私があの夜に捕まったら、おそらく彼の⼿で死んでいたかもしれない・・・)
タラン公爵がマートン伯爵への攻撃に参加していたかどうか分からないが。
ルシアにとって、あの夜は抑圧と解放を象徴していた。
恐怖の夜ではあったが、彼女は⾃由を⼿に入れることが出来たのだから。
マートン伯爵夫⼈の「ビビアン」を捨てることで「ルシア」に戻ることができた。
天は彼⼥を助けてくれた。
あの事件がなかったら、ルシアは夢の中で⼀⽣を過ごし、マートン伯爵夫⼈として死ぬまで苦しんでいただろう。
(忘れよう。あの男が死ぬかどうかにかかわらず、もう私とは何の関係もないのだから)
ゴミを思い出し続ける必要はない。
価値がないのだから。
(・・・それでも、彼が死んだらいいのに。⾮常に惨めに)
無実の伯爵夫⼈や他の家族が紛争に巻き込まれて死ぬことを望んではいないが、ルシアの暗い⼼は夢の中で⾒たようにマートン伯爵の死が起こることを望んでいた。
「タラン公爵夫⼈」
明るい笑顔で道を塞いでいる男を⾒るやいなや、ルシアはイライラが急上昇するのを感じた。
これは3番⽬の歓迎されない顔。
最初はファルコン伯爵夫⼈、次にマートン伯爵、そして彼。
だから彼⼥は、大勢の⼈が集まるパーティーを嫌っていた。
「私を覚えていますか?先⽇ご挨拶しました。ラミス公爵家のデビッド・ラミス伯爵です」
ルシアは固い表情で頭を頷くだけ。
しかし、デビッドの⽬は彼⼥の不快な表情を⾒ていなかった。
彼にとっては、ルシアが恥ずかしがっているようにしか見えていない。
「私は公爵夫⼈の美しさを詩にしました。ご覧いただければ幸いです」
バラ園の⽇から、デビッドはいつもラブレターを持っていた。
あの⽇の幻想的な最初の会合の後、彼女を思い出すたびに、デビッドの目は煌めいていた。
ビビアン。
なんて⾼貴で美しい名前なのだろうか。
それは彼⼥のために⽣まれた名前。
結婚しているから諦めろ?
男性と⼥性が⼼を共有している場合、そのような機能的な状態は意味を成さない。
今のところ、彼はあまり執着しないように決めていた。
公爵夫⼈と⼿紙を交換しながら、お互いを少し知りたかっただけ。
ルシアは手紙を⾒つめる。
結婚しているかどうかに関係なく、ラブレターの交換は単純な出来事として扱われた。
けれど、いくつかのルールはある。
男性が⼥性に渡しても⼤丈夫だったが、逆の場合は問題になるのだ。
そして、男性からラブレターを受け取るとき、⼥性はそれを直接受け取るべきではなく、メイドに受け取らせなければいけない。
メイドはルシアの表情を見て「受け⼊れるべきか」と尋ねるように⾒た。
ルシアはその⾒返りに⾸を横に振る。
「ラミス伯爵様。手紙を受け取ることはできません。私はすでに、夫と⼀緒に年をとることを誓いましたから」
デビッドは不意を突かれた。
ラブレターは貴婦⼈の外的魅⼒の尺度を表しているため、拒絶されるケースはほとんどないのだ。
貴族にとっては、妻や恋⼈がそのようなものを受け取ったからといって、気分を害することは威厳が下がるだけ。
それどころか、それを誇りに思うのが常識だった。
「公爵夫⼈。・・・誤解されたのであれば⾔っておきますが、ほんの数節しか書いていません。夫人としてのあなたの美徳を傷つけることはありません」
「受け取らないからといって、罪ではありませんよね?」
「・・・それはそうですが・・・」
「夫の付き添いでない限り、私はプライベートな会話をしたくありませんので」
ルシアは機嫌が悪かったので率直に話した。
デビッドにとって残念なことは、タイミングが悪かっただけなのだ。
ルシアが別れを告げてデビッドを通り過ぎたとき、彼の視線は彼女に続いていた。
顔は屈辱で⾚くなり、拳を握りしめ、手紙を握り潰す。
いつも彼を追いかけている追随者たちは、数歩離れたところから⾒守っていたが、彼らはぎこちなく⽺のような表情で視線をそらした。
⼈間関係が複雑な貴族社会では、常に⾔葉や⾏動に気を配り、敵を作らないように努めなければならない。
ルシアのように屈辱的なほど率直に他⼈を拒むことは滅多にないのだ。
「なぜあのような⼥性がタラン公と結婚をしたのだ?」
デビッドの胃は嫉妬で捻れていた。
夫への忠実さを保ちたいという彼⼥の⼼でさえ、ルシアをこれまで以上に気⾼く⾒せた。
今回、デビッドはパーティーに遅れて到着した。
タラン夫婦はすでに到着していて、別々に他の⼈々と話していた。
デビッドは公爵夫⼈を⾒るやいなや、ひらひらと舞う⼼をコントロールすることが出来なかった。
彼女は、バラ園で⾒たときよりも美しかったから。
当時の彼⼥が妖精のようだったとしたら、今度は⼥神のよう。
姉が近づかないように視線で訴えてきたが、デビッドは彼女の警告を無視した。
公爵夫人と二人きりになれた時、彼は世界の頂点にいるように幸せを感じた。
しかし今、彼はすべてを失った廃墟の国の王のような気分に。
屈辱と悲しみの両⽅。
それはデビッドの最初の失恋。
アニタは遠くからその様子を⾒て、冷たい笑顔を⾒せる。
良い考えが彼⼥の頭に浮かんだのだ。
「公爵夫⼈を取り巻くスキャンダル・・・」
⾃分の⽴場が確立できていない場合、噂は制御不能になる可能性がある。
タラン公爵夫人が社会界を揺るがすスキャンダルの中⼼にいたとしたら、タラン公爵はどのように反応するだろうか?
必要に応じて⼥性を連れて捨てた公爵なのだから、彼は妻を捨てるに違いない。
アニタはデビッドを⾒て、含みのある笑顔を⾒せる。
いずれにせよ、ラミス公爵の相続⼈を利⽤するチャンスがあるのだから。
清々しいほどにデビッドを一蹴するルシア。
この場にヒューゴがいれば、今度こそデビッドは終わっていたでしょう・・・。
ファルコン伯爵夫人(アニタ)の企みも失敗しそうですね。
もう少し別の策があると期待していたのですが。
ヒューゴの心の変化が理解できていない限り、それは難しいのかもしれません。


https://sub.tsubasa-cham.com/the-secret-of-the-hourglass-matome/

