目覚めたら怪物皇太子の妻でした【１０４話】ネタバレ

自分の部屋に戻って本を開いたが、まったく集中できない。

私が７年間不在だった間、ブレイクはお祭りに参加することなく、ずっとアモリア宮殿で過ごしていた。

『アンシア、呪いが解かれ、迷子にならないくらい背が高くなったら、私と一緒にお祭りに行きましょう』

『はいブレイク、絶対に一緒にお祭りに行きましょう』

あの約束のせいで・・・。

私のせいだ。

こんなことが起きると知っていれば、私はあのような約束をしなかったでしょう。

チェルシーによると、ブレイクは重要なイベントでない限り、宴会に参加しないらしい。

それでも、彼はただ顔を見せてすぐに去っていく。

他の女性と踊ったことはないらしい。

それも私のせいだ。

私たちの最初のダンスやフェスティバルに意味を与えるべきではなかった・・・。

呪いが解けたら、ブレイクは楽しんで幸せだったはずなのに。

彼はお祭りに参加し、パーティーを楽しみ、そして幸せな生活を送るべきだったのに・・・。

涙が私の顔を転がり落ち、視界をぼやけさせる。

本の中の言葉が分からなかったが、それが涙の原因ではない。

目眩がする。

この体は、あとどれくらい保つのでしょうか？

ブレイクにこれ以上の悲しみをもたらす前に私は消えなければならないのに、私にはその勇気がまだ築けていなかった。

宮殿の外で一人で生き残る自信はある。

日本でも同じだったから。

祖母が亡くなった後、私は一人で暮らしてきた。

一度経験したことがあるので、どうにかしてお金を稼ぐ方法は見つかるはず。

しかし、私が今去ったら、私はブレイクに二度と会うことはないでしょう。

その勇気がまだ持てない。

私はまだブレイクから離れる準備ができていなかった。

「ローズ」

ドアをノックした後、ブレイクの声が聞こえた。

急いで涙をぬぐったが、ブレイクはそれを見つけてしまう。

「ローズ、何があった？どうしたのですか？」

声だけで、ブレイクがどれほど心配していたかが分かってしまう。

私はすぐにノートに走り書きした。

『この本の話は悲しいです』

「本当にそれが原因？」

ブレイクがハンカチを出して涙をぬぐったとき、私はうなずいた。

「それはとても悲しいに違いないですね」

私は再びうなずく。

「ローズ、外に出て気分転換をしませんか？」

彼の提案に、私は驚いて彼を見た。

ブレイクが外に出る？

彼は混沌の谷に行く以外、滅多に外出しないと聞いていたのに。

私が行かないと言ったら、ブレイクも行かないでしょう。

彼が私たちの約束を忘れて、私の痕跡が全てなくなることを願っています。

私がうなずいたとき、ブレイクは明るく微笑んだ。

「ローズ、実は私はこれを用意しました」

ブレイクは私に白い箱をくれた。

中には銀製のシンプルな仮面が。

その仮面は、ブレイクが過去に使っていたのと同じ形。

「私は気にしていませんが、あなたが望むなら、これを試してみてください」

彼は私が傷つくのを恐れているかのように慎重に話す。

ブレイクはかつて呪われていた。

彼はまた、当時の怪物であることを軽蔑し、嫌っていたので、私の外見に反発することはない。

同じことを経験した人として、彼は私にとても思いやりがあった。

『ありがとうございます』

黙って感謝の気持ちを表す。

創業日のお祝いがまだ始まっていなくても、広場はすでにお祭り気分で賑わっていた。

地元のさまざまな食べ物を売る屋台がたくさんあり、いつもより多くの人々が。

いいえ、いつもより多いか分からない。

私が覚えていたのは、何年も前の広場だけなのだから。

とにかく、広場は７年前よりもはるかに多くの人で賑わっていた。

『たくさんの人がいますね』

「ええ。お祭りはまだ始まっていませんが、もうたくさんの人がいます。ローズ、大丈夫？」

ブレイクの問いに、私はうなずいた。

仮面と白い手袋をはめていたので、傷跡は見えない。

それに、お祭りのせいで個性的な衣装を着ている人も多かったので、誰も私の仮面に注意を向けなかった。

「私のローズ、私はあなたが迷子にならないようにしなければなりません」

彼は私の手をしっかりと握った。

「・・・」

前に言ったことのせいですか？

７年前の光の祭典で、私はかつて広場で迷子になるのではないかと言った。

ブレイクはまだ私がアンシアだと信じているのでしょうか？

それとも人が多いから？

「ローズ、本当に大丈夫ですか？人が多くて怖いのか教えてください」

彼は何度も何度も私の状態を気にしている。

彼は私を子供として見ているのかと思うほど過保護だ。

『大丈夫です。人が多くてビックリしただけですから』

「それなら良かった」

ブレイクは安心したように微笑む。

「ローズ、私は広場が怖かった。もちろん、今はそうではありませんが、若い頃は本当に怖いところだと思いました。私は呪われて宮殿から出ることができませんでしたから」

彼は落ち着いた声で私に打ち明けた。

「それで私は本から世界について学びました。私が小説を読むたびに、広場ではいつも問題が起こっていました。だから私はそれが混沌の谷よりもはるかに危険だと思っていたのです。馬鹿げていますよね」

『いいえ、そんなことはありません』

私は微笑んで首を横に振った。

「妻が広場に行ったとき、私はとても怖くて落ち着きがありませんでした」

「・・・」

「こんな風に一緒に出かけていれば良かったのに」

ブレイクが私を見つめる。

彼の目は悲しみと後悔に満ちていた。

私は彼と向き合うことができず、頭を逸らしてしまう。

彼がこんな風に私を見つめ続けると、本当に泣きそうになってしまうから。

私たちはお互いの手を握りしめて歩く。

まだ正式には始まっていないけど、見どころがたくさんあった。

ユニークな食べ物がたくさんあり、多くの人が通りを埋め尽くして歌や踊りを披露している。

こんなに自由に笑うのはいつぶりでしょうか？

朝目が覚めるとすぐに、ブレイクの呪いが広がっているかどうか、彼が熱を持っているかどうか、彼が病気であるかどうかを常にチェックしていた。

彼の呪いを解く方法が見つからなかったので、私は緊張し、よく眠れていなかった。

振り返ってみると、真っ暗な闇の扉を彷徨ったとき、辛いと感じたが、それほど不安は感じなかった。

ブレイクを見る。

彼の外見と成長は私を笑顔にしてくれた。

私の人生がすぐに終わったとしても、ブレイクが病気でない限り、それで十分でした。

私が彼の完璧な左顔を見ていると、ブレイクが頭を向ける。

「ローズ、そのような表情をしないでください」

「・・・？」

彼の言葉が何を意味するのか分からなかったので、戸惑いながら彼を見つめた。

突然、ブレイクが顔を近づける。

「ローズ、あなたは何処かに行こうとしています」

「・・・」

私はただ微笑んだ。

行きたくなかったとしても、立ち去るしかない。

今では明白な嘘すら言えませんでした。

『お腹が空きました』

「・・・分かりました。何か美味しいものを食べましょう」

ブレイクはレストランに向かったが、私は首を横に振って屋台を指さす。

普段は食べられない料理を食べてみたい。

カヌア帝国の伝統料理。

外は餃子のようでしたが、中はピザのよう。

全体的に、それはピザパンのようで美味しい。

爽やかなりんご飴を買ってデザートに食べました。

食べているうちにどういうわけか地面に落ちてしまう。

ああ、残念・・・。

埃っぽいりんご飴を絶望して見つめていると、ブレイクが爆笑した。

「ローズ、申し訳ありませんが、あなたはとても可愛いですね」

『私が？』

「あなたはキャンディーを落としたばかりの小さな子供のように見えます。子供の頃はそうじゃなかったのに」

ブレイクの言葉を聞いた瞬間、私の心は沈んだ。

・・・子供の頃はそうじゃなかったって、どうして分かるの？

私はすぐにそれを否定したが、ブレイクはただ微笑むだけ。

「ローズ、どうしてそんなに不機嫌なの？」

『不機嫌じゃありません』

「あなたが望むなら、私はあなたにさらに１０００個を買うことができます」

『必要ありません』

地面に落ちた大きなお菓子を、余韻に満ちた目で見ていると、ブレイクの声が聞こえてきた。

「私のローズはとても可愛いですね。私は何をすればいいでしょうか？」

彼は私が本当に可愛いかのように見つめている。

ブレイクがどれだけ私を愛していたかを知り、私はまだショックを受けていた。

「ローズ、もう１つ欲しいですか？」

首を横に振った。

キャンディーは食べやすくて見た目も綺麗だ。

「私はあなたのためにそれを買います」

『食べません』

「分かりました。からかうのをやめますから、怒らないでください」

『怒っていません』

「本当に？」

ブレイクが膝を曲げて私を見上げる。

彼の目は無実の少年のように輝き、息を呑むほど美しく見えた。

本当に怒っていても、もう怒ることはできません。

彼はハンサムだとよく知っていたから。

そんなブレイクの顔を見て、私は思わず爆笑してしまう。