こんにちは、ツバサです。
【悪女なのにママになりました】を紹介させていただきます。
今回は86話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

あの小説の中の悪女に生まれ変わった?
だったら裏切られる前に、彼のもとを去らなきゃ!
「カリックス、この結婚…破談にしましょ」
「私からは逃げられませんよ、ルール」
いつかは別の女のもとに行ってしまうくせに…どうして私に付きまとうの?
そしてカリックスの子をみごもってしまうという予想外の展開…再び幸せな日々を送れるかと思ったのもつかの間。
カリックスが他の女とキスする姿を目撃。
お腹の赤ちゃんを守るため、すべてを捨てて遙か遠くへ旅立った。
理性を失うほど執着し始めたカリックスに気づかないまま…
ルール・エクレイ:本作の主人公。侯爵家。
カリックス・ロチェスター:原作の男主人公。公爵家。
ラティーシャ:ルールとカリックスの娘。
セア:原作の女主人公。神女。
アリス:魔法使い。ルールの良き相談相手。
アクエルド:ロチェスター家専属の魔法使い。
エドワード:アバロニア皇太子。
アレクシーナ:アバロニア皇女。

86話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- チェドワース侯爵家
「まだ報復の時ではありません。少々お待ちください。まだ皇帝陛下にもお会いできていないし、ファーストダンスも踊れていないのですから」
「ええ、待つのが長いほど結実は意味深いものです。覚悟してくださいね、ルール」
「申し訳ありませんが、全然怖くないです」
「本当にあなたは・・・」
カリックスは苦笑いして私に向き合う。
今まで飢えた猛獣のように形容していた彼の両瞳には、いつの間にか暖かい温もりが満ちていた。
私は彼に微笑みながら口を開こうとする。
しかし、その瞬間。
「偉大なアバロニアの主、皇帝陛下がいらっしゃいました!」
終始大きな声が響き渡った。
「思ったより剛健に見えますね」
私は小さく囁きながら頭を下げる。
カリックスはほんの少しの間、頭を下げただけで、すぐに顎を上げた。
この場でそうできる貴族は彼だけだろう。
皇帝が止めていいという意味でそっと手を上げると、頭を下げていた貴族たちは待っていたかのように姿勢をまっすぐにする。
皇帝は舞踏会場に集まった貴族たちをじっくり見て回り、低い声で話した。
「貴重な時間を割いてくれた其方たちに感謝する。せっかくの舞踏会なのだから楽しい時間になることを祈ろう。アバロニアに永遠の栄光を」
「「アバロニアに永遠の栄光を。尊い皇家に限りない祝福を」」
皇帝の最後の言葉を貴族たちが一緒に詠んだ。
皇帝は退屈そうに瞼を垂らし、すぐに背を向けて舞踏会場を出ていく。
「パーティーが好きじゃないのは相変わらずだね」
「エドワード皇太子とは全く違う性格ですね。ああ、噂をすれば来ました」
カリックスは眉をひそめ、視線を背けた。
そこには皇太子エドワードが威風堂々と立って貴族たちの挨拶を受けている。
悪名高い皇太子に近づく貴族はあまりいない。
みんな適当に挨拶して退いたが、チェドワース侯爵夫妻とその娘だけは皇太子の隣の席を守った。
(あんな暴れん坊の横に居続けるなんて、ある意味忠臣よね・・・)
口に出すことはできず、心の中だけで呟いていると、皇太子の視線がふとこちらに飛び込んできた。
「うっ」
驚きのあまり思わず呻き声を上げると、カリックスの雰囲気は一瞬で激しくなる。
それに気づかなかったのか、それともそれでも構わないというのか、皇太子は私に視線を固定して不快な笑みを浮かべた。
(あ、あいつは本当に・・・!)
ここが舞踏会場ではなく、ひっそりとした路地だったら、空虚魔法で吹き飛ばしたのに!
皇太子が私たちの方にゆっくりと近づいてくる。
私は腐った表情をしないように努力した。
「エクレイ侯爵令嬢、そしてロチェスター大公」
「皇太子殿下」
「ウェスツイン公」
大公が下げる理由がなかったため、カリックスは皇太子を「ウェスツイン公」と呼ぶ。
エドワード・ウェスツイン・アバロニアは、帝国の皇太子であると同時にウェスツイン公爵だったからだ。
私は皇太子の背中越しに父と兄を見つける。
二人は私たちに近づこうとするのではなく、躊躇っていた。
私は彼らに待つように合図する。
「今日は一段と美しいね、エクレイ侯爵令嬢」
私の頭からつま先までざっと目を通した皇太子が脂っぽい声で言った。
よろめく口元をなんとか抑えて、苦労しながら微笑む。
イライラしておかしくなりそうだったが、相手は皇太子だ。
「ありがとうございます、殿下。ところで、殿下はパートナーを連れてこられなかったのですか?」
「ああ・・・」
皇太子が酸っぱい顔をしながら後ろを振り向く。
彼の視線が届いた席に、チェドワース侯爵家の令嬢、ネリスがいた。
今夜、彼女が皇太子のパートナーのようだ。
ところが、こちらに近づくことができず躊躇っているのを見ると、カリックスを不快に思っているようだった。
確かに、カリックスには他人を緊張さえる何かがある。
皇太子もアレクシーナ皇女にも通じないみたいだけど。
「今日、あなたのファーストダンスは大公が持っていくのだろう?」
「それは・・・」
「当然のことを」
皇太子の質問に答えようとしたが、カリックスが私の言葉を遮る。
彼は私を隠すように前に出て、皇太子をじっと見下ろした。
カリックスが彼を見下ろすと、皇太子の顔は一瞬にして紫色に。
カリックスの背が高いためか、皇太子にとっては非常に屈辱的な状況だろう。
「私の妻になる人だから、当たり前じゃないですか?」
「はは、そうだな・・・」
唇を捻って笑いを吐いた皇太子はカリックスの視線を沈めずに打ち返し、私をチラリと見た。
その瞬間、皇太子の濁った紫色の瞳から赤裸々な欲望が揺れる。
私は眉をひそめないように口の中の肉を噛み締めた。
気持ちとしては徹底的に懲らしめたいが・・・、まだその時じゃない。
皇帝の今の気持ちが知りたいですね。
エドワードかアレクシーナ、どちらを支持しているのか。
皇太子は相変わらずですね。
チェドワース侯爵家との絡みも気になるところです。





