こんにちは、ツバサです。
【悪女なのにママになりました】を紹介させていただきます。
今回は76話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

あの小説の中の悪女に生まれ変わった?
だったら裏切られる前に、彼のもとを去らなきゃ!
「カリックス、この結婚…破談にしましょ」
「私からは逃げられませんよ、ルール」
いつかは別の女のもとに行ってしまうくせに…どうして私に付きまとうの?
そしてカリックスの子をみごもってしまうという予想外の展開…再び幸せな日々を送れるかと思ったのもつかの間。
カリックスが他の女とキスする姿を目撃。
お腹の赤ちゃんを守るため、すべてを捨てて遙か遠くへ旅立った。
理性を失うほど執着し始めたカリックスに気づかないまま…
ルール・エクレイ:本作の主人公。侯爵家。
カリックス・ロチェスター:原作の男主人公。公爵家。
ラティーシャ:ルールとカリックスの娘。
セア:原作の女主人公。神女。
アリス:魔法使い。ルールの良き相談相手。
アクエルド:ロチェスター家専属の魔法使い。
エドワード:アバロニア皇太子。
アレクシーナ:アバロニア皇女。

76話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 不幸の根源
商人たちは青ざめた表情を浮かべ、すぐにため息をつく。
そのうちの一人が「行こう」と呟き、それを最後に今回のことはひと段落するはずだった。
「待て!私はこのままでは帰れない!」
そのうちの一人が大声を出すまでは。
子供たちをなだめていた私は、目元を細め、後ろを振り返る。
私の意思に反発した商人は痩せ細った体格に、欲張りな印象だったが、パッと見でもケチのように見えた。
私の前に歩いてきた商人が目を見開いて口を開く。
「レディーにはよく分からないと思いますが、先日からうちの魔法商人組合は古代神語教習所を設ける準備をしていました」
「教習所?」
私は眉をひそめた。
教習所だなんて、神語の私教育を導入してお金儲けをしようという心算なのか。
(確かに、裕福なブルジョアや裕福な平民が教養を身につけようと飛びかかるでしょうから、お金になるでしょう)
明らかに退屈な話だったので、私は欠伸が出ようとするのを辛うじて我慢した。
「ところが、レディーが無償で教育をすれば、私たちの立場が狭くなります。誰が無料でも学べる知識を得ようとするのでしょうか?」
私は退屈そうに聞き流す。
「レディー、神語は値打ちされるべき知識です。誰にでも、やたらに普及するのではなく」
「誰にでも?」
私は商人の言葉尻を掴んで頭を上げた。
こうやって弱点を曝け出すのよね。
「誰にでもなんて・・・、あなたのその発言はすなわち、私も含まれるのですか?」
「え?」
商人は一瞬呆然とした表情で聞き返した。
私は彼に向かって平然と微笑んで答える。
「7年前、私は身分を隠しながら生きていくうちに魔法の刻印を学んだのです。神語はある程度できると思っていましたから、それから本格的に身につけ始めました」
「あ、それは・・・、その・・・」
「ところで、当時私はエクレイ侯爵令嬢ではなかったのですから、私もあなたが言った「誰にでも」に含まれるのでしょうか?」
私は商人の目をまっすぐ見てニッコリ笑う。
男の顔が真っ青になり、赤みを繰り返すうちに。
「私の話は関係ないじゃないですか!」
弾けるように、男がカッと叫んだ。
この男・・・、おかしくなったのかな?
私は肩をひそめて他の商人たちを見る。
みんな首に何か引っかかったような顔をしていた。
(所詮は烏合の衆よね)
「私がなんとかして成し遂げた事業なのに・・・!こんな汚いチビたちのせいで!」
(しかも、この男は怒りの調節もできずにいる)
男が私に前後を隠さず大声を出しているが、呆れて腹さえ立たない。
無邪気な顔でチラリと見ると、男は元気よく私を睨んでいた。
「あなた、お名前は?」
「急にどうして名前を・・・」
私が突然尋ねると、男は立ち止まり、あっという間に瞬きをする。
なんで?
名前を明かすのが怖いの?
そんな度胸もないのに、なんで叫んだの?
(アレクシーナがここにいたら、大騒ぎになっていたでしょうね)
私は冷ややかな笑みを浮かべて口を開く。
「名前を聞きましたよね?どうして返事がないのですか?」
「そ、それは・・・・」
「自分の名前も言わないつもりで大声を出していたのですか?」
私が男に向かって大股で近づくと、彼は覇気溢れる行動にビックリしたかのように後退りする。
私はそんな男を嘲笑った。
(ここにいるのが、私じゃなくてカリックスだったとしても、あえて叫んだだろうか?)
同じ貴族でも女と男は天地の差だ。
じゃあ平民は?
この男が普段どんな考えを持って生きてきたのか見なくても明らかだった。
(だからあの子たちに汚いなんて、そんな暴言を吐けるのよ)
心の中で火の手が上がる。
今この場でしっかり教えておかないと。
私を、そして私が教える子供たちにむやみに接するとどうなるのか。
「まず、私に犯した無礼に対して罪を問わなければなりませんね。次に、あなたたちが言った「教習所事業」について話してみましょう?私も急に興味が湧いてきました」
「あ、いや、それが・・・、あの・・・」
男がやっと気がついたように困惑した顔で両手を振った。
私は彼に向かって笑いながら尋ねる。
「ところで、どうしてさっきからずっと名前を教えてくれないのですか?」
すると、男の顔が泣きべそに。
まさか泣くほどなの?
ところが、そのまさかが本当に起きた。
男は突然地面にうつ伏せになり、涙をポタポタと流しながら哀願し始める。
「わ、私が悪かったです!あえて令嬢に無礼を・・・!ちょっと気が狂ってつい!」
(ああ・・・、日和見主義者だったんだ)
男は本当に悔いているというよりは、ようやく状況把握ができたようだ。
「どうか許してください、令嬢!私が貴族侮辱罪で捕まると、私の家族は飢え死にします!」
男がずっと哀願する。
もしかして他の商人たちが彼の味方になるのではないかと思ったが、彼らはコッソリと後退りしていた。
(みんな同族ね・・・)
私はあからさまな表情を浮かべ、男に向かって話そうとした瞬間。
「これは何の騒ぎですか?」
(はあ、よりによって・・・)
その声を聞いた瞬間イライラする。
しかし、優しい仮面をかぶって振り返った。
あなたに本心を表すことはできないから。
(そうよね、私の不幸の根源)
ルールが怒ると怖いですね。
カリックスがこの場にいたら、商人たちは生きていなかったのでは?
最後に現れたのは、おそらく・・・。





