こんにちは、ツバサです。
【悪女なのにママになりました】を紹介させていただきます。
今回は47話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

あの小説の中の悪女に生まれ変わった?
だったら裏切られる前に、彼のもとを去らなきゃ!
「カリックス、この結婚…破談にしましょ」
「私からは逃げられませんよ、ルール」
いつかは別の女のもとに行ってしまうくせに…どうして私に付きまとうの?
そしてカリックスの子をみごもってしまうという予想外の展開…再び幸せな日々を送れるかと思ったのもつかの間。
カリックスが他の女とキスする姿を目撃。
お腹の赤ちゃんを守るため、すべてを捨てて遙か遠くへ旅立った。
理性を失うほど執着し始めたカリックスに気づかないまま…
ルール・エクレイ:本作の主人公。侯爵家。
カリックス・ロチェスター:原作の男主人公。公爵家。
ラティーシャ:ルールとカリックスの娘。
セア:原作の女主人公。神女。
アリス:魔法使い。ルールの良き相談相手。
アクエルド:ロチェスター家専属の魔法使い。
エドワード:アバロニア皇太子。
アレクシーナ:アバロニア皇女。

47話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私の祈り
「あ、そうなのですね。ごほん・・・」
神官は咳払いをしながら私をチラリと見る。
彼の神官服を見るとクラスが高くない一般司祭のようだった。
(私の話を聞いてくれるかどうか分からないけど・・・)
私が神気に触れたという事実を大神官やセアに知られて良いことはない。
大した重罪ではないけど、あの二人は色々と忌々しい相手だからね。
だから私はこの神官にこっそりと頼んでみるつもりだった。
このことを報告しないでほしいって。
純真な人なら聞いてくれるかもしれない。
私は困った顔で口を開いた。
「久しぶりに見る神木がとても美して思わず手を当ててしまいました。もし誰かがこのことを知ったらすごく恥ずかしいので、秘密にしてもらえますか?お願いします」
「あ、そうだったのですね!そういうこともあります。分かりました、貴婦人。あまり心配しないでください」
神官は予想通り快く承諾してくれた。
純朴で愚かに見える印象だったので、言葉が通じて助かる。
(ところで、本当にあれは何だったの?さっきのあれは)
私はチラッと空を見上げた。
高く伸びた白い木の枝の間で揺れていた、水のように透明な形は跡形さえ見つからない。
(幻でも見たのかしら・・・)
ため息をつきながら、再び神官を見つめる。
彼はグランデールを怖がっているのか、肩をすくめてチラリと見ていた。
(グランデール卿はちょっと鋭い印象ではあるわよね)
カリックスほどではないが、彼もかなり冷たいイメージだ。
まだ私たちの顔色を伺う小心な神官に向かって話しかける。
「失礼でなければ、礼拝堂まで案内をお願いできますか?フィニスの神様に祈りを捧げたいのですが」
神官は熱心に頷きながら答えた。
「あ、はい!もちろんです!私がご案内いたします。こちらへどうぞ」
神官は大神殿の方に腕を伸ばし、腰を下げる。
彼がそろそろ先に進み始め、グランデールと私はゆっくりとついていった。
しばらくして、私たちは大神殿の礼拝堂に到着した。
礼拝堂の中に人は私たちだけ。
今日はミサでもなかったし、今は司祭たちの祈りの時間でもないからだろう。
「大神殿の礼拝堂にいらっしゃるのは久しぶりなのですよね?せっかくいらっsyったのに、今は祈りの時間ではないので、誰もいなくて・・・、あ、恐縮です」
神官が照れ臭そうに笑いながら言った。
私は穏やかな笑みを浮かべながら「大丈夫だから気にしないでください。案内してくださってありがとうございます」と答えた。
(実はわざと人がいない時間を選んで来たからね)
この神官がそれを知る必要はない。
私たちを案内してくれた神官が礼拝堂を出て行った後、私は正面に見える壇上の前に大人しく座った。
実際、私は今まで心から祈ったことがあまりない。
フィニス神を恨んだり、祈りの効力をあまり信じなかったから。
(でも・・・)
ラティーのために。
今回だけは心を込めて祈ることにした。
ラティーが無事に、元気に育つようにしてください、と。
(私にはラティーしかいません。どうか、私の祈りを聞いてください)
そのように心の中で切に祈っていると、いつの間にか30分以上経っていた。
私は立ち上がり、申し訳なさそうな表情でグランデールを見る。
彼をとても待たせてしまったようだ。
「ごめんなさい、長く待たせてしまいましたね?もう帰りましょう」
「いいえ、私も祈っていましたから」
「グランデール卿がですか?」
驚いて問い返す。
私はグランデールこそフィニス神を恨む人だろうと今まで固く信じていたからだ。
(彼の家族は宗教裁判で犠牲になったのだから・・・)
だから彼の怒りがフィニス神や教会に向かうのは当然だと思っていた。
宗教裁判だなんて。
今ではほとんど廃止された悪習だが、かつては罪のない人々が多く命を落とした。
グランデールが照れ臭そうな笑みを浮かべたまま口を開く。
「神様が私の祈りを聞いてくださるか分かりませんが、亡くなった両親が良いところに行かれたことを、そして私を選んでくださった大公殿下が健康で幸せであることを祈りました」
「・・・」
私は静かに彼を見つめ、そっと微笑んだ。
「そうだったのですね。私たち二人とも、他の人のために祈っていたのですね」
「貴婦人は・・・、ラティーシア嬢のために祈っていたのですか?」
「その通りです」
「そうだと思っていました」
彼が今度は暖かい笑みを浮かべた。
普段の硬い表情よりもずっと良い顔だ。
「グランデール卿はよく笑った方がいいと思います」
「え?そうですか?」
「はい、今の方が見た目が良かったです」
「あ・・・」
グランデールは恥ずかしそうに顔を赤らめ、咳払いをした。
平和な時間。
嬉しくない誰かと廊下で出会うまでは。
グランデールも苦労人なのですね・・・。
フィニス神が二人の祈りを聞いてくれることを願っています。
嬉しくない誰かとは一体?





